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最新決算で明らかに:テスラの2023年Q4業績が予想に届かず、2024年は成長鈍化!?。でも、持続可能なエネルギー経済の確立に向け迷いなし。

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10-12月期の決算では、納車台数が前年同期比+20%増でしたが値下げや製品構成悪化による平均単価の低下が増収率を抑え込む結果となりました。世界的な環境に向けての取り組みやそれに伴う補助金等のフォローの風をとらえていたテスラ。顧客が払う、初期費用やメンテナンスコスト、リセール(中古)市場の未整備、充電ステーション不足、寒波への対応など、ここにきて問題が表面化しています。(Tesla, Inc. TSLA)

目次

市場予想に届かず、2024年は成長鈍化!?

トピックス

トピックス
  • 異例の具体的な納車目標台数を提示せず。
  • 24年の販売台数の伸びは23年より「著しく低下」する可能性を示唆。
  • 待望のサイバートラックを11/30に出荷開始
  • 米国の大手レンタカー会社ハーツ(Hertz)、テスラを含む電気自動車2万台を売却を決定

10-12月期(第4四半期/2023)決算概要

2023/10-12月期(Q4)2022/10-12月期(Q4)前年同期比
売上高25,167 24,318+3.5%
営業利益 2,064 3,901▼47.1%
当期利益 7,928 3,687 2.2倍
調整後EPS 0.71 1.19 ▼40.3%
決算概要(※単位百万ドル EPSはドル)

テスラの事業別売上高

決算から

  • Q4の自動車事業売上高は前年同期比1%増の215.6億ドルで、市場予想216.9億ドルに届かず。
  • 納車台数は20%増加したが、値下げと製品構成の悪化により平均単価が低下し増収率を抑制。
  • その他事業の売上は、サービス関連が27%増の21.7億ドル、エネルギー関連が10%増の14.4億ドル。
  • 粗利率は6.1%ポイント低下の17.6%、予想18.1%を下回る。
  • 営業利益率も7.8%ポイント低下の8.2%。
  • 特定の繰延税金に対する評価性引当金の取り崩しによる現金支出の伴わない税効果が59億ドル
  • 単価低下とAI等の研究開発費用増加が利益率に影響。
  • 環境規制クレジットを除く自動車事業の粗利率は7.1%低下の17.2%、Q3の16.3%からは改善。
  • 2024年の納車台数の前年比増加率は2023年(38%増)から低下する可能性あり。
  • 次世代車はテキサスのギガファクトリーで低コスト生産予定。
  • Q4にフル自動運転の最新バージョンV12を従業員に公開、北米顧客の40万台超の車両に提供予定。
  • 人型ロボットOptimusの第2世代を発表、来年には一定台数の出荷が可能とのコメント。

サイバートラック出荷へ

Teslaは当初の計画より遅れて、斬新な外観と技術的な特徴を備えた電気ピックアップトラックサイバートラック(Cybertruck)の出荷を開始しました。2023年11月30日に米国テキサス州オースティンで開催された出荷イベントでは、イーロン・マスクCEOがこのユニークな車を紹介し、2019年の発表時に話題となったサイドウインドーの耐久性試験の成功を披露。サイバートラックの量産が遅れた主な理由は、加工が難しい高強度ステンレス鋼を使用した特異なデザインにあります。また、Teslaは自動車業界に先駆けてステア・バイ・ワイヤ(SBW)技術を採用しました。

「ステア・バイ・ワイヤ(SBW)」技術は、自動車のステアリングとタイヤを電気信号で結び、タイヤの向きを制御します。この技術をトヨタ自動車がレクサスブランドの電気自動車(EV)に2024年内に導入予定です。現在の規制に適合する方向で調整が進み、開発は終盤に差し掛かっています。

ハーツ、2万台のEVを売却

レンタカー大手のハーツ(Hertz Global Holdings,HTZ)は約2万台のEV(保有EVの3分の1にあたる)を売却すると発表。2023年12月から始まり、2024年中に完了予定。売却には複数メーカーのEVが含まれ、収益の一部はガソリン車購入へ再投資されるとのこと。

売却中のEVはレンタルに引き続き使用。ハーツはEVの収益性向上と損害補償費用削減を目指し、充電インフラ拡大や顧客体験改善に取り組む。因みに、ハーツは2021年にテスラ製10万台のEVを発注し、現在約5万台を保有していましたが、中古EV価格の下落や修理費用の高さから、*BEV(電気のみで駆動する、排出ガスゼロの車)シフトのペースを遅らせる方針を示していました。

納車台数の推移

*2023年1年を通しての納車台数-1,808,581台カーソルを合わせると台数がわかります。

株価の動き

*株価は各月の終値。カーソルを合わせると株価がわかります。単位ドル。

トピックス
  • 異例の具体的な納車目標台数を提示せず。
  • 24年の販売台数の伸びは23年より「著しく低下」する可能性を示唆。
  • 待望のサイバートラックを11/30に出荷開始
  • 米国の大手レンタカー会社ハーツ(Hertz)、テスラを含む電気自動車2万台を売却を決定

2024年の成長鈍化の逆境もなんのその!

“夢から現実へ:イーロン・マスクが推進する技術と環境の未来”

正念場を迎えるテスラですが、ここまでの実績や会社創業の理念、持続可能なエネルギーへの取り組みそして利益よりもEVを普及させることへの情熱が、世界を変えてきたことは紛れのない事実です。

「・・・地球に投資するということ。我々が届けたいことは希望と楽観だ。その楽観は科学的に裏付けされ計算されたもの。地球は豊かで持統可能なエネルギー経済を確立できる、それを我々の人生のうちに完結させる」

-イーロン・マスクテスラCEO 2023年インベストデイより。

量産生産体制構築のため、過剰な自動化投資をして倒産の危機に直面したなど、数々の危機を過去にも乗り越えてきたテスラ、イーロン・マスクCEOにしてみれば、今の状況は想定内のことかもしれません。

イーロン・マスクとは?

イーロン・マスクは、オンライン金融サービス「ペイパル」の成功を皮切りに、宇宙輸送企業「スペースX」と電気自動車メーカー「テスラ・モーターズ」への投資・買収により、複数の革新的なプロジェクトに挑戦してきた起業家です。2003年にテスラ・モーターズへの出資・買収を行い、2008年からは同社のCEOを務めています。

マスクのビジネス戦略は、「マスタープラン」として知られ、高級車から始まり、次第に一般消費者向けの車へと製品ラインを拡大していきました。この戦略は、少量生産の「テスラ・ロードスター」から始まり、「モデルS」を経て、大量生産車「モデル3」の製造に至ります。

2022年には、大手ソーシャルメディア企業*ツイッターの買収劇で再び注目を集めました。この買収には6兆円を投じ、公私混同の波乱に富んだプロセスを経て、最終的に買収を成立させました。この一連の動きは、マスクが持つ奇想天外な言動の一例として広く語られています。
2022年10-12月期決算とツィッター買収の顛末はこちらに

2023年5月時点で、マスクの個人資産は約1630億ドル(約22兆円)に達し、世界で2番目に裕福な人物とされています。彼の事業活動は、電気自動車の普及や宇宙探査の民主化など21世紀の技術革新をリードしています。マスクのビジョンと行動力は、特に環境意識が高いミレニアル世代から強く支持されています。

ギガファクトリーとAIへの取り組み

次世代車は、自社開発の先進製造技術を用いて低コストでの生産を目指し、生産はテキサス州にある*ギガファクトリーから開始される予定。AI分野では、第4四半期に従業員ら向けに*フルセルフドライビング(FSDの最新バージョンV12を公開し、今後数週間内にFSDを利用したいと希望する北米の顧客40万台以上の車両にこれを提供する計画です。さらに、同じAI技術を活用した人型ロボット「Optimus」の第2世代も発表され、来年にはOptimusの一定数の出荷が可能になる見込み。

テスラのギガファクトリーは、テスラが電気自動車(EV)のバッテリーパックや、その他のコンポーネントを大量生産するために設計された大規模な工場です。この名称は、工場がギガワット時(GWh)規模のバッテリー生産能力を持つことから来ています。ギガファクトリーは、テスラの電気自動車およびエネルギー製品のコストを削減し、生産効率を向上させることを目的としています。

テスラが定義する「フルセルフドライビング」(FSD)は、運転者のアクティブな監視の下で、よりアクティブなガイダンスと支援運転を提供することを目的とした、先進の運転支援機能のスイートです。FSDは、テスラ車両が半自動運転を実現し、さまざまな運転タスクを支援する機能群を提供することを目指しています。しかし、「フルセルフドライビング」という名称にもかかわらず、これらの機能は完全自動運転を可能にするものではありません。テスラのFSDはまだベータテスト中であり、長期的な目標は完全自動運転能力の実現です。その名称は、システムが現在達成していない自動化のレベルを示唆しているため、物議を醸しています。

まとめと成長鈍化を乗り越える、カーボンニュートラル

2023年通期決算

  • 売上高-967億7300万ドル
  • 営業利益-88億9100万ドル
  • 当期利益-149億9700万ドル
  • 調整後EPS-3.12ドル
2023年/通期2022年/通期前年比
売上高96,773 81,462+19%
営業利益 8,891 13,656▼35%
当期利益14,997 12,556 +19%
調整後EPS 3.12 4.07  ▼23%
決算概要(※単位百万ドル EPSはドル)

待ったなしのカーボンニュートラル

2021年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、世界各国が協力し、産業革命以前と比べて地球の気温上昇を1.5度に抑えるというパリ協定の目標に正式に合意がなされました。続く2022年のCOP27では、この1.5度の目標達成のため、パリ協定第6条に基づく市場メカニズムの運用細則やルールの策定が進められました。この過程で、グリーントランスフォーメーション(GX)が次の大きなステップへと進んだことは間違いありません。

・・・カーボンニュートラル宣言国が世界の新車生産台数に占める構成比は実に89%に達している。自動車産業とカーボンニュートラルは宿命的な結びつきを強めることを認識したい。

『トヨタのEV戦争』-EVを制した国が、世界経済を支配する 講談社ビーシー/講談社-中西孝樹(なかにし たかき)氏著より

米国ではバイデン政権のもと、巨額の投資(日本円にして上限で50兆円以上)を背景に、2022年8月に成立したIRA(インフレ抑制法)により、気候変動対策に向け、大きく舵を取り始めています。IRAは*自国EV優遇を意味します。

*IRAの本質は(現状のままで米国でEVが普及したとしても、得するのは中国とならないように)電池、鉱物の調達依存を脱し、クリーンエネルギー産業の自国内での確立と中国調達の排除という経済安全保障の強化にあると言われています。

EUでは「欧州グリーンディール」およびFit for 55が策定され、2035年のCAFE(平均燃費規制)を2021年比で100%減(事実上エンジン車販売禁止)の法案が成立しています。

いずれにしても「地球は豊かで持統可能なエネルギー経済を確立できる」と信じるテスラにとっては、ビジネスチャンスがまだまだ、目の前に広がっていると捉えることができると思います。

電気自動車(EV)関連用語解説

電気自動車(EV)とその種類、それぞれの車がどのように環境に影響を与えるかを把握することができます。

BEV(バッテリー式電動自動車)

  • 定義: バッテリーに蓄えられた電気エネルギーを動力源として利用し、電気モーターで走行する自動車。ガソリンやディーゼル燃料を使用せず、電気のみで駆動する。
  • 環境に優しく、排出ガスがゼロのため、ゼロエミッション車(ZEV)に分類される。電気を充電することで動き、電気モーターが直接車輪を回す仕組みを持つ。

HEV(ハイブリッド電気自動車)

  • 定義: ガソリンエンジンと電気モーターの両方を搭載し、これらの動力源を組み合わせて走行する自動車。エンジンとモーターが協力して効率的な走行を可能にする。
  • エンジンからの排出ガスがあるため、BEVに比べて環境負荷は大きいが、燃費の向上や排出ガスの削減に貢献。
  • ハイブリッドカーが使用する電気は自車のガソリンエンジンや回生ブレーキで発電している、エンジン車にモーターアシスト機能を加えた車両なので、ガソリンがなくなると走ることはできない。

PHEV(プラグインハイブリッド)

  • 定義:ハイブリットカーを進化させ、バッテリーへの外部充電機能を持たせることで、電力供給を可能としたのが、プラグインハイブリッド。
  • バッテリーの容量もアップしており、EV走行できる距離も伸びます。
  • 普段は電気だけ、遠出の時はGS+電気と、経済的な運用ができる。

ピュアEV

  • 同義語: BEV
  • 純粋な電気自動車で、外部からの電気充電により駆動する。BEVと同様に、ガソリンエンジンを持たず、電気のみで走る車を指す。

ZEV(Zero Emission Vehicle、ゼロエミッション車)

  • 定義: 運転中に大気中に有害物質を一切排出しない車両。BEVや一部の燃料電池車(FCV)などがこのカテゴリーに含まれる。
  • 環境保護の観点から推奨される車種。都市部や環境保全区域での使用が促進されている。

『トヨタのEV戦争』-EVを制した国が、世界経済を支配する講談社ビーシー/講談社-中西孝樹(なかにし たかき)氏著。ー参考文献

2023年Q1~Q3決算はこちら↓

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この記事を書いた人

男子孫2人を持つ、60才越えの元証券マン。投資信託、ファンド初心者からベテラン投資家まで幅広い層にセミナーを開催。米TVドラマと米4大スポーツが好きが高じて?いや自然の流れで米国株、アメ株にハマる。好きな選手は、カリー(NBA)ともちろん、翔平君(MLB)。

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