ペプシコ(NASDAQ: PEP)は、4月23日に【1-3月/Q1,2024】を発表。今回の決算発表では、同社の国際事業が好調に推移し、全体的な業績が予想を上回る結果となったことが報告されています。ペプシコは、この成功を基に引き続き成長を目指していることを強調しました。
どんな会社?
企業プロフィール
- 創業:1898年
- 上場:1919年
- 業務内容:スナック菓子と清涼飲料の2本柱。スナックは米国首位。
- セクター:生活必需品(Consumer Staples)
- ブランド:レイズ、ドリトス、フリトス、ゲータレード、ペプシコーラ、マウンテンデュー、Dr Pepper
- 株式時価総額:2,252億ドル(約33.8兆円、6/14現在)
- 年間売上高:915億ドル(会計年度2023年12月/約13.7兆円)
- ライバル企業:コカ・コーラ(KO),クラフトハインツ(KHC)
- 日本での同業種:サントリー食品、カルビー
- 本部:ニューヨーク州パーチェイス
- https://www.pepsi.co.jp/history/
業績予想を上回る結果と成長戦略
*決算等の数字は「Latest – Q1 2024 PepsiCo Earnings」より。
第1四半期(1-3月)の業績概要
ペプシコの第1四半期の主な業績は以下の通りです:
- 純売上高-182.5億ドル(前年同期比+2.3%)
- 営業利益-27億ドル
- 純利益-20億ドル
- 純収入に対する為替影響:-0.5%
- 一株当たり利益(EPS):1.48ドル(同+6%)
“第1四半期は、国際事業が好調に推移し、当社の事業は機敏さを維持し、順調に推移しました。クエーカーフーズ・ノースアメリカにおける特定の製品リコールの影響や、前年同期との純収益の伸びの比較が困難であったにもかかわらず、販売数量動向は前四半期比で改善し、純収益、営業利益率、EPSは前年同期比で増加しました”
-ラモン・ラグアルタ会長兼CEO
主要事業と成長ドライバー
ペプシコの成功を支える要因の一つは、国際事業の成長です。同社は各国でのマーケティング戦略を強化し、現地の消費者ニーズに合わせた製品展開を行うことで、市場シェアを拡大しています。さらに、消費者に対する利便性と価値を提供するため、製品の品質と味にこだわり続けています。
ペプシコは、以下の7つ事業部(セグメント)を持ちます。今四半期においても、QFNAの落ち込みを中南米を中心に国際事業がカバーすることに成功しています。以下は、各事業部の売上高と前年同期比の数字です。
純売上高182.5億ドルのうち
- 北米フリトレー(FLNA):売上高-57億ドル(+1.67%)
-米国およびカナダにおけるブランドコンビニエンスフード事業を含む - クエーカーフーズ・ノースアメリカ(QFNA):5.9億ドル(▼23.7%)
-米国およびカナダにおけるシリアル、米飯、パスタなどのブランドコンビニエンス食品事業 - PepsiCoBeveragesNorthAmerica(PBNA):59億ドル(+1.31%)
-米国およびカナダにおける飲料事業 - 中南米(LatAm):21億ドル(+16.3%)
-中南米における飲料および簡便食品事業を含む - 欧州:19億ドル(+2.65%)
-欧州の飲料・コンビニエンス食品事業すべてを含む - アフリカ、中東、南アジア(AMESA):10億ドル(+2.06%)
-上記地域における飲料、コンビニエンス・フード事業のすべてを含む。 - アジア太平洋・オーストラリア・ニュージーランド・中国地域(APAC):11億ドル(+5.77%)
-上記地域における飲料およびコンビニエンス・フード事業のすべてを含む。
生産性向上と持続可能な成長
ラグアルタ会長は、「今後を展望するとき、私たちは引き続き、市場で優れた業績を上げ、消費者に利便性と価値を提供する優れた味の製品をお届けすることに全力を注ぎます。また、ブランド、能力、pep+構想への継続的な投資を支えるため、生産性向上への取り組みを強化・加速していきます」と述べています。具体的には、以下の取り組みが強化される予定です。
- ブランド投資:ペプシコは、消費者に認知され愛されるブランドを維持するために、マーケティングと広告に積極的に投資しています。
- 能力強化:新しい技術とプロセスを導入し、生産効率を高めることで、コスト削減と品質向上を図ります。
- pep+構想:持続可能な成長を目指し、環境保護や社会貢献活動に積極的に取り組むことで、企業の社会的責任を果たします。
2024年の見通し
ペプシコは、2024年の見通しについても楽観的な見解を示しています。以下の成長目標が設定されています。
- 既存事業売上高成長率:少なくとも4%
- コア恒常為替レートベースEPS成長率:少なくとも8%
連続増配52年
また、年率7%増(1.27ドル→1.36ドル)を発表。6月には増配された金額の支払いが行われています。これにより、ペプシコは52年連続の増配を達成。株主に対して強いコミットメントを持ち、持続的な株主価値の向上を目指していることを示しています。
配当利回りの目安
- 直近配当実績1.36ドル×4=5.44ドル(年間)
- 株価-163.81ドル(6/14)
- 5.44÷163.81ドル×100=3.32%
*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当は確定するものではありません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。
ライバルはコカ・コーラ?
株主還元を重視
コカコーラとペプシコは、それぞれ異なる強みと成長戦略を持つグローバル企業です。コカコーラは炭酸飲料市場での強みを活かしつつ、製品ポートフォリオの多様化とデジタルトランスフォーメーションに注力。また、サステナビリティの取り組みも積極的に推進しています。一方、ペプシコは飲料とスナックの両市場での強いプレゼンスを持ち、持続可能な成長戦略「pep+」を推進しています。両社(ペプシコ52年、コカ・コーラ62年の連続増配)ともに株主還元を重視しており、長期的な投資先としても魅力的な企業と言えるでしょう。
まとめ
ペプシコの2024年第1四半期の決算は、国際事業の好調な推移と持続可能な成長への取り組みが功を奏し、好調な業績を収めました。ラモン・ラグアルタ会長兼CEOのリーダーシップの下、ペプシコは引き続き市場での競争力を維持し、消費者に価値を提供し続けることを目指しています。2024年の成長目標と増配の発表により、今後も株主にとって魅力的な投資先であり続けると思います。
ペプシコの今後の展開に注目しつつ、同社の持続可能な成長戦略がどのように実現されるかを見守りたいと思います。
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