『投資のヒント』4つ目は、身の回りの出来事、日々の出来事から探すです。日々の暮らしの中で、この先の未来を想像することはないでしょうか?その時に必要とされる企業は、どんな会社なんだろうと考えてみるのも、長期投資をする上で、楽しい作業です。
ノーベル経済学賞受賞。折に触れ読み直ししています。↑
身近な出来事から企業を探す理由
身近にあるテーマ探しのネタ!?
- 実体験していることなので、リアルに感じられる
- 旬な話題となることが多く、情報も新しく調べやすい
- 感性は人それぞれなので、自分独自の企業を見つけられる
・・・そこで私は、身近に感じていた「持続可能開発目標(SDGs)」という、世界が取り組む大きな、そして長期のテーマについて「クリーンエネルギー、気候変動対策」のキーワードをもとに調べてみることにしました。
カーボンニュートラルとは
近年、国内外で発生している様々な気象災害に不安を感じる方も多いと思います。気象災害と温暖化そして、気候変動の関係を100%と証明するのは難しいですが、世界はその対策に大きく舵を取っています。2015年にパリ協定の採択によって、世界共通の目標として
世界的な平均気温上昇を工業化以前(1850~1900年)に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること
この実現に向けて世界が取り組みを進めており、120以上の国と地域が『2050年カーボンニュートラル』という目標を掲げています。日本においても、2020年10月政府は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする、カーボンンニュートラルを目指すことを宣言しました。『排出を全体としてゼロ』というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて合計を実質ゼロにすることを意味します。
再生可能エネルギーのコストが下がってきている
BNEF(Bloomberg New Energy Finance)によると、設備費の低下、技術進歩によるコスト減の恩恵もあり、世界再エネ発電コストは低下し続けており、米国、英国などでは陸上風力はメガワット時あたりの発電コストは50ドルを下回り、ブラジルではメガワット時あたり30ドル。同様に太陽光も中国、インド、豪州ではメガワット時あたりの発電コストは40ドルを切るまでになっているそうです。
一方、日本は、他国に比べ適地が少ない(陸上風力、太陽光とも)、設備の設置、運営維持費等がかかりすぎるなどの理由で再エネコストが世界で最も高いと言われ、制度面からのバックアップが期待されていますが、そのペースは遅いと言わざるえません。排出量をコントロールするよりも、長年続けている省エネの技術を活かすことや植林、森林管理の『吸引量』の面からカーボンゼロを目指すのが理想と考えます。
以上のことを前提に、この分野でも先を走る米国の企業を探して見ました。『Renewable Energy(再生可能エネルギー)』をキーワードに検索。いくつかある企業の中から、古くて新しい?、ネクストエラ・エネジー(NEE)という名前が目にとまりました。
NextEra Energy, Inc. (NEE)
ネクストエラ・エネジー
- 米国フロリダ州を本社に1925年設立
- 同社は以前はFPL Group, Inc.として知られ、2010年にNextEra Energy, Inc.に社名を変更。
- フロリダ州で570万以上の顧客口座を有し米国最大級の電力会社であるFPL(フロリダ・パワー&ライト)の関連事業体と風力および太陽光による再生可能エネルギーの発電量が世界最大である(2021年)、NEER(ネクストエラ・エナジー・リソーシズ)の2つの主要事業によってNEEの業績は牽引されています。
- 北米の小売・卸売顧客に対し、発電・送電・配電・販売を行う。
- 風力、太陽光、原子力、石炭、天然ガスの各発電施設を通じて電力を供給。
FPL-2045年に、2005年比自社の事業活動からの温室効果ガス排出量をゼロとする、「リアル・ゼロ」を目標。将来的には太陽光電やグリーン水素等への投資拡大を通じたリアル・ゼロが電力料金を低く抑えることにつながるとしています。
NEER-他の電力会社に販売する卸電力事業が主力。高いシェアを誇る。2050年までの電力業界の再エネ関連投資は2兆ドルとの予想をもとに、他の電力会社の脱炭素化の取り組みをNEERのビジネスチャンスととらえています。
*Annual Report 2021より↑※単位百万ドル-チャートにカーソウルをあわせるとそれぞれの金額がわかります。
ネクストエラ・エネジーのプロフィール
米国での実績を世界で・・
米国で培ったノウハウやデータが今後世界から、求められてくるのではないかと思います。
- 約28,564メガワットの純発電容量、約77,000回線マイルの送配電線、696の変電所を持つ(2021/12.31現在)
- フロリダ州の東海岸と西海岸下部において、約570万件の顧客アカウントを通じ、約1,100万人にサービスを提供。
- *公益企業として、高い成長率を誇る
- また、再生可能エネルギー発電施設、蓄電池プロジェクト、送電施設などのクリーンエネルギーソリューションからなる長期契約資産の開発、建設、運営、エネルギー商品の販売、エネルギー卸売市場における発電施設の所有、開発、建設、管理、運営も行っています。
- 2021年の売上高は、176億ドル日本円で約2兆4640億円。
- 株価は71.77ドル、株式時価総額は1410億ドル、約19兆7400億円。(10/14)
*発電量は、1Wh→1Wの仕事率で1h(時間)通電し続けた際に流れる電気量のこと。MWh(メガワットアワー、メガワット時)と読み1MWh=1000kWh
*公益企業ー 公共的性格の強い事業。公衆の日常生活に不可欠の運輸、郵便、電信電話、水道、電気、ガス、医療の事業など。
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※このブログは特定の企業への投資を推奨するものではありません。また、あくまでも過去のデータであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
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