遅ればせながら、アルファベット、グーグルの決算です。マイクロソフトと同様、ドル高と急激なインフレに伴う、マクロ環境の悪化が不安材料として残ります。
サクッとまとめると・・・
広告主が支出を抑える・・
- ドル高、マクロ環境の悪化で広告主が支出を抑えたこと等で、広告収入は市場予想を下回る
- 営業費用(研究開発費、マーケティング費用等、前年同月比18%増)もふくらみ、営業利益は同▼18.5%
- 広告収入の13%までに成長したYouTubeの事業収入はわずかに落ち込み、71億ドル。
- YouTube Shortsの広告開始を発表。
- 売上高は前年同月比+6%、現地通貨ベースでは+11%増
2022/7-9月(Q3) | 2021/7-9月期(Q3) | 前年同期比 | |
売上高 | 69,092 | 65,118 | +6.1% |
営業利益 | 17,135 | 21,031 | ▼18.5% |
当期利益 | 13,910 | 18,936 | ▼26.5% |
EPS | 1.06 | 1.40 | ▼24.3% |
グーグル全体の広告収入が8割近く
アルファベット、グーグルの売上を占める、『Google advertising』は、下記の円グラフ、1+2+3で、合計545億ドルになります。YouTubeからの広告収入の伸びを考えると、『YouTube Shorts』も期待大。
“私たちは、プロダクトとビジネスのプロフェッショナルを明確にし、焦点を絞っています。この1カ月間だけでも、AIを搭載した検索とクラウドの両方の大幅な改善や、YouTube Shortsを収益化する新しい方法など、我々が行った製品発表がそれをはっきりと示しています。私たちは、長期的に責任ある投資を行うことと、経済環境に対応することの両方に重点を置いています。”
-サンダー・ピチャイ(AlphabetおよびGoogleのCEO)
*アルファベットのIR→Alphabet Third Quarter 2022 Results より抜粋、DeepLで和訳
*円グラフにカーソルをあてると、それぞれの部門の金額がわかります。(単位百万ドル)
成長期待のクラウド
グーグルクラウドは、前年同期の49億ドルから、+38%増の69億ドルへと勢いがあります。
・・・第3四半期の業績は、為替の影響を受けつつも、検索分野の健全な基礎成長とクラウドの勢いを反映しています。私たちは、最優先の成長課題に取り組むため、リソースの再編成に取り組んでいます。”
-アルファベットとグーグルのCFO Ruth Porat
*アルファベットのIR→Alphabet Third Quarter 2022 Results より抜粋、DeepLで和訳
Other Bets部門とは・・
アルファベットの新規事業に取り組む部門です。事業、会社名とどんなことをしているか、簡単にまとめておきます。ここから何か凄いものが出てくるかもしれません!?
- 『Calico』California ・Life・Company→キャリコ-アンチエイジングを研究しているバイオテクノロジー企業
- 『CapitalG』-世界中の成長期の中小企業に投資するエクィティファンド
- 『GV(旧Google Ventures)』-スタートアップの投資ファンド。ベンチャーキャピタル部門
- 『Nest Labs』-家庭向けIoT部門、「グーグル ホーム」などの製品開発を担当
- 『Verily』-ライフサイエンスの研究を専門とするAlphabetの研究組織。生命化学事業部門
- 『X』-コンピュータサイエンスの研究開発を専門とする部門
- 『Waymo』-「X」の自動運転車事業を独立子会社として、スピンアウト
- 『Sidewalk Labs』-スマートシティの創造(都市生活の改善)を目指すイノベーション企業
- 『Google Fiber』-高速ブロードバンドサービスとテレビをネットにつなぐ、IPTVを提供する企業
昨年末からの株価の動き
株価にとっては厳しい1年?
*チャートにカーソウルをあわせると株価がわかります。いずれも、その日の終値、ドル。
アルファベットを親会社とするグーグル株は、GOOGLとGOOGという2つのティッカーシンボルで上場しています。違いは『議決権』。議決権がある方が、GOOGLでクラスA、ないほうがGOOGのクラスCになります。両者の株価はほぼ同じ株価になるように動きます。
About Alphabet
『検索エンジン』と爆発的に伸びたインターネット
- 1998年当時スタンドフォード大学の博士課程の学生だった、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって設立
- 2004年8月IPO、株式公開、上場。初期の時価総額は230億ドル
- 2006年10月、16億5,000万ドルでYouTubeを買収(およそ2,000億円ほど、当時)
- 1年を通しての売上高は、2,567億ドル(2021.1月~12月までの)→およそ37兆2,200億円
- 株式時価総額は、およそ1兆1,000億ドル→日本円で160兆円ほど(11/8のGOOGLとGOOG株価終値を参考に足した金額)
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