7-9月期決算では、納車台数の増加は見られたものの、値下げや生産制約が収益鈍化につながりました。他の事業ではサービスとエネルギー関連収入が堅実に。新製品開発や工場改修費用の負担が増え、粗利率と営業利益率は悪化。サイバートラックの生産開始とAI開発の加速に注力し、人型ロボット「Optimus」の機能強化も進行中。
目次
7-9月期(第三四半期/2023年)決算概要
2023/7-9月期(Q3) | 2022/7-9月期(Q3) | 前年同期比 | |
売上高 | 23,350 | 21,454 | +8.8% |
営業利益 | 1,764 | 3,688 | ▼52.2% |
当期利益 | 1,853 | 3,292 | ▼43.7% |
調整後EPS | 0.66 | 1.05 | ▼37.1% |
決算のポイント
- 売上高、EPSとも市場予想に届かず、自動車販売台数も予想未達。
- その他事業は堅実に増収。完全自動運転システムの実用化を目指す。
- 期待のサイバートラックは、年内出荷へ
ポイント
- 自動車販売収入( 自動車販売+リース)は前年同期比4%増の190.7億ドルで、市場予想206.4億ドルには未達。
- 前年同期比27%増の納車台数も、平均単価の低下と工場改修による生産制約で増収率が低下。
- その他事業の売上は、サービス関連が32%増の21.7億ドル、エネルギー関連が40%増の15.6億ドル。
- 営業利益率も9.6%ポイント低下の7.6%。粗利率は7.2%ポイント低下の17.9%、予想18.3%を下回る。
- 製品構成の悪化、サイバートラックやAI開発、工場改修の費用増加が影響。
- テキサスとベルリン工場でモデルYの生産増強が続き、年率50%の納車台数増加を予想。
- 通期納車計画は約180万台で、市場予想の182万台を下回る。
- サイバートラックのテキサス工場での初期生産開始し、年内納車開始予定。
- キャッシュフロー黒字化には1年から1年半かかる見込み。
- AI開発を加速し、自社開発コンピュータDojoの計算能力を前四半期から倍以上に増強。
- 完全自動運転システムの実用化と、人型ロボットOptimusの機能増強を継続。Optimusはヨガが可能に。
納車台数の推移
納車台数は、前年同期比では増加していますが、そのペースが落ちてきていることを指摘する市場関係者がいます。EV(Electric Vehicle 電気自動車)の将来を握っているテスラにとってはこれからが、実力の見せどころになります。
株価の動き
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