エヌビディア(NVIDIA)がを発表し、売上高が前年同期比206%増の181億2,000万ドル、データセンター売上高は前年同期比279%増の145.1億ドルと、ともに史上最高を記録しました。これら驚異的な成長は、最新のAI技術とデータセンターの革新が市場で高く評価されている証拠。エヌビディアの最新決算の詳細と、その背後にある技術と戦略について深掘りします。
エヌビディア第3四半期決算のハイライト: 史上最高の成績を達成
決算のポイント
- 売上高は前年同期比の3.1倍、181億ドル
- 売上の80%を占めるデータセンター向けが、前年同期比3.1倍の145億ドルへ。
- グーグルやマイクロソフト等の世界的なクラウドサービスプロバイダーとの提携が進展
- AIスーパーコンピューターの分野にも積極的に取り組む
2023年10月29日に終了した第3四半期で、前年同期比206%増、前期比34%増の181億2,000万ドルと達成し、過去最高を記録。
決算概要
2023/8-10月期 | 2022/8-10月期 | 前年同期比 | |
売上高 | 18,120 | 5,931 | 3.1倍 |
営業利益 | 10,417 | 601 | 17.3倍 |
当期利益 | 9,243 | 680 | 13.6倍 |
EPS | 4.02 | 0.58 | 7倍 |
- データセンターからの売上高が牽引: 145億ドルと、驚異の前年同期比3.8倍を記録
- ゲーミング事業の成長: 28.6億ドルとこちらも前年同期比で81%の増加
- プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:4億1,600万ドル、前四半期比10%増、前年同期比108%増
- オートモーティブ: 2億6,100万ドル、前期比3%増、前年同期比4%増。
ハイライト
データセンター
-HBM3e メモリを搭載した初の GPU である新しい 、 NVIDIA HGX™ H200 を発表。
-NVIDIA AI Foundation Models、 NeMo™フレームワーク、 DGX™ Cloud AIスーパーコンピューティングを搭載し、カスタム生成AIアプリケーションの開発とチューニングを加速するAIファウンドリサービスを発表。
–AI向けNVIDIA Spectrum-X™イーサネット・ネットワーキング・プラットフォームが、来年第1四半期にDell Technologies、Hewlett Packard Enterprise、Lenovoのサーバーに統合されることを発表。
<世界的なクラウドサービスプロバイダーとの提携が進展>
Google Cloud Platformは、Google Cloud Marketplaceにおいて、NVIDIA H100 Tensor Core GPUとNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアを搭載した新しいA3インスタンスを一般利用可能に。
Microsoft Azureは、自動車のデジタル化を加速するためのNVIDIA Omniverse™ Cloud Servicesへのアクセスを顧客に提供するとともに、NVL H100 Tensor Core GPUとH100 with confidential computingを搭載した新しいインスタンスを提供。
Oracle Cloud Infrastructureは、Oracle Cloud MarketplaceでNVIDIA DGX CloudとNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアを利用可能に。
Amdocs、Dropbox、Foxconn、Genentech(Roche Group傘下)、Infosys、Lenovo、Reliance Industries、Scaleway、Tata Groupなど、さまざまな大手企業とAIイニシアチブで提携。
最新のMLPerfベンチマークの推論と学習の2セットにおいて、NVIDIA Eos AIスーパーコンピュータがGPT-3モデルの学習を従来の3倍高速に行い、記録的なパフォーマンスを達成したことを発表。
イスラエル、オランダ、英国、米国での新たな取り組みを含む、NVIDIA® CUDA® Quantumプラットフォームの世界的なサポートの拡大を発表。
ゲーミング
『Alan Wake 2』や『Cyberpunk 2077』など、レイトレースを多用するゲームやアプリ向けに高品質なレイトレース画像を作成するDLSS 3.5 Ray Reconstructionを発表。
Windows用のTensorRT-LLM™をリリースし、デバイス上でのLLM推論を最大4倍高速化。
56本のDLSSゲームと15本以上のReflexゲームを追加し、RTXゲームとアプリケーションの総数が475本を超えに。
Alan Wake 2、Baldur’s Gate 3、Cyberpunk 2077の発売を含む、GeForce NOW™のゲーム数が1,700を突破。
プロフェッショナル・ビジュアライゼーション
メルセデス・ベンツがNVIDIA Omniverseを使用してデジタルツインを作成し、世界中の製造・組立施設の計画、設計、建設、運営に役立てていることを発表。
NVIDIA RTX™ 6000 Ada Generation GPUとNVIDIA ConnectX®スマートインターフェースカードを搭載したデスクトップワークステーションの新ラインを発表し、小規模なAIモデルのトレーニング、モデルの微調整、ローカルでの推論を実行。
オートモーティブ
次世代NVIDIA DRIVE Hyperion™プラットフォームとNVIDIA DRIVE Thor™システムオンチップを使用し、世界市場向けに次世代電気自動車を開発するFoxconnとの協業をさらに推進。
↑エヌビディアのQ3 FY 2024=Financial Results for Third Quarter Fiscal 2024より。DeepLで翻訳
- 売上高は前年同期比の3.1倍、181億ドル
- 売上の80%を占めるデータセンター向けが、前年同期比3.1倍の145億ドルへ。
- グーグルやマイクロソフト等の世界的なクラウドサービスプロバイダーとの提携が進展
- AIスーパーコンピューターの分野にも積極的に取り組む
トップのコメントより
当社の力強い成長は、汎用コンピューティングから*アクセラレーテッド・コンピューティング、そしてジェネレーティブAIへの幅広い業界プラットフォームの移行を反映しています。大規模な言語モデルの新興企業、コンシューマー・インターネット企業、グローバルなクラウド・サービス・プロバイダーが先陣を切り、次の波が押し寄せ始めています。
国や地域のCSPは、地域の需要に応えるためにAIクラウドに投資し、企業のソフトウェア会社は、自社のプラットフォームにAIコパイロットやアシスタントを追加し、企業は、世界最大の産業を自動化するためにカスタムAIを作成しています。NVIDIA GPU、CPU、ネットワーキング、AIファウンドリーサービス、そしてNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアは、成長エンジンとしてフルスロットル状態です。ジェネレーティブAIの時代は離陸しつつあります。
-エヌビディアの創業者兼CEOであるジェンセン・フアン
*カーソルをあてると売上金額がわかります。単位は百万ドル↑
*株価は各月末の終値。カーソルをあてると株価がわかります。単位ドル
第4四半期と2024年以降の見通し:エヌビディアの戦略と未来予測
次期11-1月期(Q4 FY2024)売上高は200億ドル、プラスマイナス2%の見通しとしています。また粗利益率(買収関連費用を除く、調整後)については、今期大きく改善した75%から、75.5%±0.5%ポイントの計画と会社側。データセンター向けを中心に、来年も供給増が続く見通しとしています。
また懸念事項の中国への輸出規制ですが、規制に準ずる製品をここ数ヶ月以内に投入する計画であることも会社側は表明しています。
エヌビディアは、AIスーパーコンピューターにーも積極的に取り組んでいます。例えば、NVIDIA DGXシステムと呼ばれるものは、複数のGPUが搭載されており、大規模なディープラーニングモデルのトレーニングや推論を高速かつ効率的に行うことができます。このように、GPUを活用した高性能な計算プラットフォームを提供し、エヌビディアはAI分野で革新を牽引しています。
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