7-9月期の売上高は、四半期ぶりの二ケタ増を達成。特に注目されるのは、クラウド部門のAzureが28%増収、Office365が17%増収と、市場予測を大きく上回るパフォーマンスを見せた点です。これにより、同社は4四半期ぶりに二桁増収を実現し、今後の成長への期待が高まっています。
好調AzureとOffice365で売上高、EPSともアナリスト予想を上回る!
決算のポイント
- 売上高は4四半期ぶりに二桁増収を達成。
- 3部門全てが市場予測を上回る増加率を示し、営業利益も市場予測を上回る。
- 企業向けウド版Office365、総合クラウドサービスAzureが前四半期からの成長を継続。
決算概要
2023/7-9月(Q1) | 2022/7-9月(Q1) | 前年同期比 | |
売上高 | 56,517 | 50,122 | +13% |
営業利益 | 26,895 | 21,518 | +25% |
当期利益 | 22,291 | 17,556 | +27% |
EPS | 2.99 | 2.35 | +27% |
- 売上高は565億ドル前年同期比で13%増加。4四半期ぶりの二桁増収。市場予想545億ドル上回る。
- EPS(一株あたり利益)も2.99ドルと市場予想2.65ドルを上回る。
- PBP(プロダクティビティ&ビジネス・プロセス)部門は同12%増、IC(インテリジェント・クラウド)部門は同19%増、MPC(モア・パーソナル・コンピューティング)部門は同2%増となり(為替の影響を除いたベースで)市場予測を上回る増加率。3部門全てが営業利益も市場予測を上回る増加を達成。
- MPC部門は、PCメーカー向けのWindowsライセンス収入が同4%増収し、前四半期の12%減収から増収に。
- 製品別では、為替の影響を除いたベースで、クラウド版Office365企業向けは同17%増収となり、前四半期の17%増収からの成長を継続。また、総合クラウドサービスAzure(アジュール)等も同28%増収となり、会社の計画(25-26%増)や市場予測(同26%増収)を上回る。
- 次の10-12月期/Q1,2024年の部門別売上高の会社計画も3部門とも、市場予想を上回る内容。
- Azure等の増収率(為替の影響を除いたベース)は「同26-27%増」の会社計画が示され、市場予測(25.1%増)を上回る。引き続きAI(人工知能)の貢献が拡大すると市場関係者。
マイクロソフトの主要3部門について
PBP(Productivity and Business Processes )
Office 365/Microsoft 365: ユーザーにクラウドベースのプロダクティビティツールを提供します。Word、Excel、PowerPointなどのオフィスアプリケーションに加え、企業向けにはTeams、SharePoint、Exchangeなどのコミュニケーションと協働のためのツールが含まれます。
LinkedIn: プロフェッショナルネットワークサービスで、キャリア構築、人材採用、業界ニュースの共有、プロフェッショナルな交流を促進します。
Dynamics 365: 企業の顧客関係管理(CRM)とエンタープライズリソースプランニング(ERP)のニーズをサポートするクラウドベースのビジネスアプリケーションスイートです。
IC(Intelligent Cloud)
Azure: クラウドコンピューティングサービスで、仮想マシン、アプリケーションのホスティング、AIサービス、データ分析、ストレージソリューションなど幅広いサービスを提供します。
SQL Server: 高性能なリレーショナルデータベース管理システムで、データ分析、アプリケーションのデータ管理、ビジネスインテリジェンスの機能を提供します。
Windows Server: 企業のデータセンターとクラウド環境の両方で使用される、セキュリティ、管理性、仮想化などの機能を備えたサーバー用オペレーティングシステムです。
MPC(More Personal Computing)
Windows: PC、タブレット、その他のデバイス向けのオペレーティングシステムで、世界で最も広く使用されているOSの一つです。
Xbox: ゲームコンソールおよびそれに関連するエンターテイメントサービス。Xbox LiveやGame Passなどのサブスクリプションサービスも提供しています。
Surface: マイクロソフトが設計および販売するハイエンドなパーソナルコンピューターのラインナップで、タブレット、ラップトップ、デスクトップの形態があります。
*部門にカーソルを合わせると、売上高がわかります。単位百万ドル。
- 売上高は4四半期ぶりに二桁増収を達成。
- 3部門全てが市場予測を上回る増加率を示し、営業利益も市場予測を上回る。
- 企業向けウド版Office365、総合クラウドサービスAzureが28%増収と、前四半期からの成長を継続。
株価は回復後堅調に
*株価は月末終値。カーソルを合わせると株価がわかります。単位ドル
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“*コパイロットによって、私たちはAIの時代を世界中の人々と企業にとって現実のものにしています。我々は、顧客の生産性向上を推進するため、技術スタックのあらゆる層、あらゆる役割、ビジネスプロセスにAIを急速に導入している”
-マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)
*コパイロット(Copilot)は、AIを活用してMicrosoft 365のアプリケーションの使用を支援する機能です。
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