デジタル広告市場での顕著な成長と戦略的なリストラを通じて、第1四半期に業績を大幅に向上さ
せたメタ。Eコマースからの強力な広告収入の増加と共に、2022-23年に実施されたコスト削減策
が、営業利益率を前年同期の25%から38%へと押し上げる結果につながりました。今後、AI分野
への投資を加速させることを掲げていますが、リストラから次の成長に進む段階にメタは来てい
ます。
デジタル広告とリストラ効果、メタが示す業績向上の道筋
決算のポイント
- 売上高は364.5億ドルうち広告収入が356億ドル
- Eコマース関連が大きく伸びる
- 2022-2023年のリストラとコスト削減が寄与
- Q1のDAP(Family Daily Active Person )は、32.4億人
- AIへの投資を強化。
- 大規模言語モデル「Llama3」で生成AIで先行するマイクロソフトやGoogleに対抗
決算ダイジェスト
2024/1-3月(Q1) | 2023/1-3月期(Q1) | 前年同期比 | |
売上高 | 36,455 | 28,645 | +27.3% |
営業利益 | 13,818 | 7,227 | +91.2% |
当期利益 | 12,369 | 5,709 | 2.2倍 |
EPS | 4.71 | 2.20 | 2.1倍 |
- 売上高:364.5億ドル前年同期比で27%増。
- 広告:356億ドルと 27%増加し、特にEコマース関連が成長を牽引。アジア太平洋地域からの収入が伸びる。
- 営業利益率: 25%から38%へ大幅上昇。2022-2023年のリストラとコスト削減が寄与。
- ユーザー数の開示変更: Facebookを含むファミリーアプリの日次稼働ユーザー数(DAP)のみを開示。Q1のDAPは32.4億人(2023年12月平均で31.9億人)で、1ユーザー当たりの収入は18%増の11.20ドル。
- Q2見通し: 365-390億ドルの予測で、市場予想に未達の可能性もあるが、14%から22%の成長見込み。
- AIへの投資の増加: 経費見通しを960-990億ドルへ、設備投資計画を350-400億ドルへ引き上げ。
*DAP-(Family Daily Active Person)→「Facebook」「Instagram」「Messenger」「WhatsApp」に登録してログインしているユーザーで、特定の日にモバイルアプリを介してまたはWebやモバイルブラウザを使用して、これらのファミリー製品を少なくとも1つにアクセスした人とメタは、定義しています。
部門別売上高
主力の広告収入が加速
メタの売上はほぼフェイスブックやインスタグラムなどを通じての広告収入。
今期の売上高は前年比27%増で、広告収入の増加が主な要因。Eコマース、
ゲーム、娯楽、メディア関連の広告が特に増加し、アジア太平洋地域からも
収入が41%増。営業利益率は前年の25%から38%に向上し、市場予想を上
回りました。2022-2023年のリストラとコスト削減が収益性改善に寄与。
*円グラフにカーソルを合わせると、金額がわかります。単位:百万ドル
株価の動き
2023年9月以降のメタの株価上昇には、リストラの効果を投資家が好意的に受け止めたこともあったのではないでしょうか。一方、1-3月期決算発表後に株価が一時下落したのは、データセンター、AIハードウェア、サーバー等の関連費用等通期の経費見通し引き上げに伴い、次期4-6月期に決算見通しが予想を下回り嫌気されたことがあげられます。今後はAIへの投資等の成果が問われる局面を迎えます。
*株価は各月末の終値、ドル。(4/23,26,5/3はその日の終値)チャートにカーソルを合わせると株価が出てき
ます。
Llama(ラマ)3を開発
Llama 3は、Metaによっって開発され、4月に発表した オープンソースの大規模言語モデルです。
前モデル「Llama 2」よりも大幅に性能が向上してあり、80億パラメーターと700億パラメーター
の2つのモデルサイズが提供になるそうです。技術は外部に無償で開放し、生成AIで先行するOpen
AIやGoogleに対抗する狙い。対話アプリMessengerや画像共有アプリ、InstagramなどのSNSから
直接呼び出して使えるようになると思われます。
まとめ
- 売上高は364.5億ドルうち広告収入が356億ドル
- Eコマース関連が大きく伸びる
- 2022-2023年のリストラとコスト削減が寄与
- Q1のDAP(Family Daily Active Person )は、32.4億人
- AIへの投資を強化。
- 大規模言語モデル「Llama3」で生成AIで先行するマイクロソフトやGoogleに対抗
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