メタの今期決算では売上高と利益率で顕著な成長を遂げ、市場の予想を上回るパフォーマンスを発揮。特に
Eコマース、消費財、オンラインゲーム関連の広告収入の増加とコスト削減戦略が効果を上げていました。
この記事では、メタの最新決算のハイライトと、未来への投資について詳しくみていきます。
- 全体の売上高は341.5億ドルとなり前年同期(277億ドル)比+23%増
- 主力の広告収入は、336億ドルでQ2比で、+6.8%、前年同期比+23.5%増。
- メタファミリー全体の月間アクティブ人数(MAU)は、39.6億人
- コスト削減から、積極的な人材確保とAR/VRをはじめとする、未来への投資に注力
「Q3財務成績の概要:売上高と広告収入の加速成長」
売上高は341.5億ドル、営業利益は137億ドル
“私たちのコミュニティとビジネスにとって良い四半期でした。クエスト3、レイバン・メタ・スマートグラス、AIスタジオの立ち上げなど、AIと複合現実を前進させるために我々のチームが行った仕事を誇りに思います。”
-メタの創設者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ。
7-9月決算概要
2023/7-9月(Q3) | 2022/7-9月期(Q3) | 前年同期比 | |
売上高 | 34,146 | 27,714 | +23.2% |
営業利益 | 13,748 | 5,664 | 2.4倍 |
当期利益 | 11,583 | 4,395 | 2.6倍 |
EPS | 4.39 | 1.64 | 2.7倍 |
メタファミリーの月間アクティブ人数(MAU)は、39.6億人
- 主力の広告収入は、336億ドルでQ2比で+6.8%、前年同期比+23.5%増。
- リストラ等コスト削減の注力により、営業利益率は40%までに改善(Q2は29%、前年同期は20%)。
- DAP-2023年9月平均で31.4億人(前年同期比7%増)。
- MAP-は2023年9月30日現在のMAPは39.6億人(前年同期比7%増)。
- Facebookデイリーアクティブユーザー(DAU)は2023年9月平均で20.9億人(前年比5%増)。
- フェイスブックの月間アクティブユーザー数(MAU)2023年9月30日時点で30.5億人(前年比3%増)。
- アプリ・ファミリー全体で配信された広告インプレッションは前年同期比で 31%増加し、広告単価は前年同期比で 6%減少。
前の期と比べ、どのくらい増えたか知りたい方は「メタ(Meta)の2023年Q2決算分析: ファミリーのアクティブユーザーは順調に増加し38.8億人。広告単価減もインプレッションは上昇【特集】メタの未来戦略について!」の記事をチェック!
メタでは、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp(総称して、メタ社の「ファミリー」
製品)の登録済みかつログイン済みのユーザーで、特定の日にモバイルデバイスのアプリケーションを通じて、
またはウェブもしくはモバイルブラウザを使用して、これらのファミリー製品の少なくとも1つを訪問した
ユーザーをDAP(Daily Active Person)と定義しています。
また月間アクティブパーソン(MAP)を、1つまたは複数のファミリー製品に登録しログインしているユーザーで、測定日の過去30日間に、モバイルデバイスのアプリケーションを通じて、またはウェブもしくはモバイルブラウザを使用して、これらのファミリー製品の少なくとも1つにアクセスしたユーザーと定義していてます。
ARPU(ユーザ1人あたり平均収入)の定義は、ある四半期のある地域における総収入を、その四半期の最初と最後におけるその地域のMAU数の平均で割ったものです。ARPUにはすべての収益源が含まれますが、この計算に使用されるMAU数には、フェイスブックとメッセンジャーのユーザーのみが含まれます。
ハイライト
- 売上高は前年同期比 23%増の 341.5 億ドル(恒常為替レートベース前年同期比 21%増。)
- 総費用は204.0億ドルで、前年同期比7%の減少。
- 自己株式の取得-2023年度第3四半期にA種普通株式を37億ドル取得。9月30日現在372億
2,000万ドルの自社株買戻しが可能。 - 現金、現金同等物、有価証券は9月30日現在611億2,000万ドル。
- 第3四半期のフリー・キャッシュ・フローは136億4,000万ドル。
- 長期債務 – 9月30日現在の長期債務は183億8,000万ドル。
- 従業員数 – 2023年9月30日現在の従業員数は66,185人で、前年同期比で24%減少。
構造改革
- 2022年以降メタ社は効率性を追求し、事業、戦略的優先順位を再編成するためのいくつかの施策を開始。
2023年9月30日現在、計画されていた従業員のレイオフはほぼ完了、設備の統合とデータセンターの再編
イニシアチブを継続。
部門別売上高
メタの主な収益源であり、特に広告収入に大きく貢献している、同社提供の一連のアプリケーション『Facebook』『Instagram』『Messenger』『WhatsApp』の総称とも言えるのがFamily of Appsです。
*円グラフにカーソルをあてると、金額がわかります。単位百万ドル
Eコマースや消費財、オンラインゲーム関連の広告が伸び、今期の成長を牽引したとメタ側。特にオンラインゲ
ームやEコマース関連では中国からの広告主による他市場向け広告支出が増えたのも売上に貢献したと回答して
います。(中国での具体的な金額は提示されず)
*円グラフにカーソルをあてると、金額がわかります。単位百万ドル
株価は上昇トレンドへ
2022年には、ビッグテックの中では冴えない株価の動きでしたが、企業の広告費支出増とメタのコスト削減戦
略の相乗効果による業績の改善が株価に反映してきていると思います。
*株価はドル、月末の終値。チャートにカーソルをあわせると、株価がわかります。
コスト削減から、積極的な未来への投資へ
AR/VRへの投資拡大
次期10-12月の売上高会社見通しは、365-400億ドルとしています。また、同時に示された2024年の通期
計画では、現在の採用不足を解消し、優先分野をサポートする人材を増員するため人件費の増加を見込み、
さらには、リアリティ・ラボでの拡張現実(AR)/仮想現実(VR)における継続的な製品開
発努力とエコシステムをさらに拡大するための投資を計画しているとしています。これらは非人工知能(AI)
とAIハードウェアの両方を含むサーバーや昨年末に発表した新しいデータセンター・アーキテクチャを採用
したサイトの建設を拡大するデータセンター等への投資と同様に、メタの今後への成長を牽引すると考えて
とのことと、スーザン・リーCFO(財務最高責任者)は説明しています。
まとめ
リストラを終え、攻めの方向に
メタの強みは何と言っても、フェイスブックやインスタ等を利用する、数十億人にもおよぶ世界のユーザーです。
リール(短編動画)のように人気アプリをサポートするサービスや製品の登場によって、常に新しいマーケットが広がる
イメージです。リストラを終え、メタの目指す次のステップは、やはり、メタバースとAIの融合でしょうか?
- 7-9月期売上高は341.5億ドルとなり前年同期(277億ドル)比+23%増
- 主力の広告収入は、336億ドルでQ2比で、+6.8%、前年同期比+23.5%増。
- メタファミリー全体の月間アクティブ人数(MAU)は、39.6億人
- コスト削減から、積極的な人材確保とAR/VRをはじめとする、未来への投資に注力
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