ソーシャルメディアの巨人に復活の兆し?今1-3月期は、売上、利益とも市場予想を上回る結果となりました。「コスト削減への取り組みが投資家に評価された」との声も聞かれました。
決算フォーカス
決算概要
アップルによる、iOSにおけるプライバシー変更の影響やマクロ環境の悪化などネガティブな要因により、2021年以降売上が伸び悩んでいた主力の広告事業(円グラフ青、Advertising+Other revenue)が持ち直し、安定してきているとの評価。2万人以上におよぶレイオフ、オフィスビルの売却等で、2023年の経営のテーマに掲げた「効率化」が実を結んでいると言えそうです。
2023/1-3月(Q1) | 2022/1-3月期(Q1) | 前年同期比 | |
売上高 | 28,645 | 27,908 | +2.64% |
営業利益 | 7,227 | 8,524 | ▼15.2% |
当期利益 | 5,709 | 7,465 | ▼23.5% |
EPS | 2.20 | 2.72 | ▼19.1% |
一方、Reality Labsの部門(AR(拡張現実)/VR(仮想現実)に関する消費者向けハードウェア、ソフトウェアを扱っています)での40億ドル近くにもなる、営業損失を指摘する投資家もおり、『メタバース』への取り組みの強化も広告事業しだい、ということになるかもしれません。
部門別、地域別売上高
※上記の表やグラフの数字は、すべてメタIR→First Quarter 2023 Financial Highlightsから、管理人が抜粋まとめました。単位は百万ドル。カーソルを合わせると金額がわかります。
- DAPは、2023年3月平均で、30.2億人(前年同月比+5%増)
- MAP(=月間アクティブ人数)は、2023年3月31日時点で38億1,000万人(同+5%増)
- Facebookのデイリーアクティブユーザー(DAU)は同3月平均で20億4,000万人(+4%増)
- Facebookの月間アクティブユーザー(MAU)は、同3月31日時点で29.9億人(+2%増)
*DAP-(Family Daily Active Person)→「Facebook」「Instagram」「Messenger」「WhatsApp」に登録してログインしているユーザーで、特定の日にモバイルアプリを介してまたはWebやモバイルブラウザを使用して、これらのファミリー製品を少なくとも1つにアクセスした人とメタは、定義しています。
※チャートにカーソウルをあわせると株価($,ドル)がわかります。いずれも月末の終値です。
トップのコメント
我々は良い四半期を過ごし、我々のコミュニティは成長を続けています。私たちのAIは、私たちのアプリやビジネス全体に良い結果をもたらしています。また、より良い製品をより早く作り、長期的なビジョンを実現するために、より強い立場に立てるよう、効率化を進めています。
-メタ創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ
※First Quarter 2023 Financial Highlightsより、抜粋、DeepLで和訳
見通し
4-6月期の売上は、295億ドル~320億ドルの範囲になるとメタ側の予想です。3月に米国で議会に提出された、TikTokの米国内で利用を禁止する法案が成立すれば、1 億人を超える利用者に影響が出る可能性があり、競合しているメタの短編動画プラットフォーム『Reels(リール)』にチャンスとするアナリストも出ていますが、
EU-米国データ・プライバシーの枠組みの強化など、常にメタには、各国政府とのプライバシーに関する大きな難題がつきまといます。
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