1月に、12,000人の人員削減を発表した、アルファベット。圧倒的な検索力を背景に、広告収入等を得るビジネスモデルから、次のステージに進もうとしています。そのきっかけが、クラウドなのか、AIなのか、模索は続きます。
クラウド事業のびる
決算概要
2022/10-12月(Q4) | 2021/10-12月期(Q4) | 前年同期比 | |
売上高 | 76,048 | 75,325 | +1.0% |
営業利益 | 18,160 | 21,885 | ▼17.0% |
当期利益 | 13,624 | 20,642 | ▼34.0% |
EPS | 1.05 | 1.53 | ▼31.4% |
- 売上構成比の約78%占める(590億ドル,およそ7.67兆円)広告収入は前年同期比比▼4%の落ち込み。
- YouTube Music Premiumなどの定額課金サービスの加入者増加とPixel(ピクセル)シリーズ販売の好調が貢献し、グーグルotherは、同8%増の88億ドル
- グーグルクラウドは同32%増の73億ドル
※円グラフの1+2+3(ブルー、レッド、オレンジ→77.6%)部分がグーグル全体の広告収入。
*円グラフにカーソルをあてると、それぞれの部門の金額がわかります。(単位百万ドル)
※チャートにカーソウルをあわせると株価の詳細がわかります。いずれも終値。
アルファベットを親会社とするグーグル株は、GOOGLとGOOGという2つのティッカーシンボルで上場しています。違いは『議決権』。議決権がある方が、GOOGLでクラスA、ないほうがGOOGのクラスCになります。両者の株価はほぼ同じ株価になるように動きます。
トップのコメント
“AIが変曲点を迎えるにあたり、深層コンピューターサイエンスへの長期的な投資により、当社は非常に有利な立場にあります。また、クラウド、YouTubeのサブスクリプション、そしてPixelデバイスにも大きな勢いがあります。私たちは、耐久性のある方法でコスト構造を再構築し、アルファベット全体で財務的に持続可能で活気に満ちた成長事業を構築するための重要な旅をしているのです。”
-サンダー・ピチャイ(アルファベットおよびグーグル)CEO
*アルファベットのIR→Alphabet Fourth Quarter 2022 Results より抜粋、DeepLで和訳
次のビジネスモデルを・・
Other Betsの中から
その他(Other Bets)の事業は、まだまだこれからというところですが、どんなものがあるのか再度チェックしてみました。
- 『Calico』California ・Life・Company→キャリコ-アンチエイジングを研究しているバイオテクノロジー企業
- 『CapitalG』-世界中の成長期の中小企業に投資するエクィティファンド
- 『GV(旧Google Ventures)』-スタートアップの投資ファンド。ベンチャーキャピタル部門
- 『Nest Labs』-家庭向けIoT部門、「グーグル ホーム」などの製品開発を担当
- 『Verily』-ライフサイエンスの研究を専門とするAlphabetの研究組織。生命化学事業部門
- 『X』-コンピュータサイエンスの研究開発を専門とする部門
- 『Waymo』-「X」の自動運転車事業を独立子会社として、スピンアウト
- 『Sidewalk Labs』-スマートシティの創造(都市生活の改善)を目指すイノベーション企業
- 『Google Fiber』-高速ブロードバンドサービスとテレビをネットにつなぐ、IPTVを提供する企業
AI事業の『DeepMind』を強化
アルファベットは、2023年1月より、アルファベットの一部AIに関連する事業について、セグメント報告を更新することを発表しています。具体的には、これまでその他(oter bets)に計上されていた「DeepMind」をGoogleサービスやGoogleクラウド等との連携強化に伴い、アルファベットのコーポレートコストとして計上するというものです。
これは、AIが画期的なイノベーションを現実の世界にもたらすという、アルファベットのミッションを実現するために不可欠と考えられていることによるものです。
そして、グーグルは2月7日に、会話型AIサービス『Bard』を発表し、言語を自動生成するAIを外部企業に対して提供も始めています。マイクロソフトの出資先で対話AIのChatGPT(チャットGPT)を提供する米オープンAIに対抗する姿勢を見せています。
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