インフレの粘着性がクローズアップされる中で、マーケットや 投資家からは利下げを求められている
FRBですが 持続的にインフレ率が2%に向かっていると言う確信が持てるまでは、利下げは適切では
ないと言うスタンスは変わらずにいるようです。FOMCの会合ごとの 判断と言うことになりますが
市場関係者は、パウエル議長の一語一句に耳を傾け、その真意に近づこうとしています。
今回のFOMCのポイント
5月FOMCのポイント
- 政策金利の据え置き、5.25-5.50%。6会合連続の据え置き
- 複数月のインフレ率は目標の2%に向けての進展が見られない
- 年内の利下げ回数は、金利先物市場から見ると今回の会合前の年1回から、年1-2回に変化
- 「次の政策金利が利上げになる可能性は低い」とパウエル議長
- 一方、持続的にインフレ率が2%に向かっているという確信が持てるまで利下げは適切ではない
- 利下げが相当遅れていることも示唆
- 6月から保有国債の削減ペース(上限)を月600億ドル→月250億ドルに弱める→少し緩和的?
【3/19-20】FOMC後に、押さえておきたい3つのポイント。そしてあまりにも個性的で、天才すぎるFRBの歴代議長達・・←前回のFOMCとユニークな議長達に興味のある方はこちらも
これまでのFOMCは
FOMC開催月 | 幅 | 政策金利(*FFレートの目標誘導レンジ) |
2020.4~2022.1月 | 変更なし | 0.00~0.25% |
2022.3月【ゼロ金利政策解除】 1 | +0.25% | 0.25~0.50% |
5月 2 | +0.50% | 0.75~1.00% |
6月 3 | +0.75% | 1.50~1.75% |
7月 4 | +0.75% | 2.25~2.50% |
9月 5 | +0.75% | 3.00~3.25% |
11月 6 | +0.75% | 3.75~4.00% |
12月 7 | +0.5% | 4.25~4.50% |
2023.1月 8 | +0.25% | 4.50~4.75% |
3月 9 | +0.25% | 4.75~5.00% |
5月 10 | +0.25% | 5.00~5.25% |
6月 | 据え置き | 5.00-5.25% |
7月 | +0.25% | 5.25-5.50% |
9月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
10月/11月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
12月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
2024.1月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
3月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
5月 | 据え置き | 5.25-5.50%←現在の水準 |
政策金利は6会合連続の据え置き
表↑とグラフ↓は、2022年以降の急激なインフレに対する、米国中央銀行にあたるFRBは迅速な
連続の利上げで対応していることを表しています。その甲斐もありインフレはおさまりつつある
ことがはっきりと確認することができます。ただパウエル議長は『インフレ率が2%までに向かう
確信が持てるまでは利下げは適切ではない』とし、CPIでは3.5%、PCEコアデフレーター2.8%
(いずれも3月)とピーク時のインフレ率に比べはいい感じで落ち着いてきているとは言え、目標か
らは納得できる水準ではないと厳しい姿勢を貫いています。
(🟧の政策金利とインフレ率🟦CPI消費者物価指数、🟥コアPCEデフレーター)*政策金利は誘導上
限、2024年5月まで。CPIとPCEコアデフレーターは3月までの数字。チャートにカーソルを合わ
せると、詳細がわかります。
まとめ
政策金利は5.25から5.50%に 据え置き。
まあまあ ハト派的とも思われる内容で、マーケットの反応を見る限りにおいては、マクロよりミ
クロ、つまりFOMCよりも今は四半期決算の方が気になるマーケット環境にあると言えます。利下
げが行われず、ひょっとして利上げ?と 懸念する市場関係者がいましたが「次の政策金利が利上げ
になる可能性は低い」とパウエル議長は会見で述べていますのでその可能性は低いと見て良いと思
います。次回のFOMCは6/11-12です。
- 政策金利の据え置き、5.25-5.50%。6会合連続の据え置き
- 複数月のインフレ率は目標の2%に向けての進展が見られない
- 年内の利下げ回数は、金利先物市場から見ると今回の会合前の年1回から、年1-2回に変化
- 「次の政策金利が利上げになる可能性は低い」とパウエル議長
- 一方、持続的にインフレ率が2%に向かっているという確信が持てるまで利下げは適切ではない
- 利下げが相当遅れていることも示唆
- 6月から保有国債の削減ペース(上限)を月600億ドル→月250億ドルに弱める→少し緩和的?
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