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FOMC3月は、政策金利を0.25%引き上げ、4.75~5.00%へ。利上げは続き、年内利下げは遠のく!?

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長期投資の観点からすると、2ヶ月にいちどほどのペースで行われる行事に、振り回されることは適切ではないのですが金利と債券、株式市場との関係を知るチャンスでもあり、また歴史を振り返ってもFOMCによって決まる政策金利がその後の大きな転換点になっているケースも多いことから、投資を学ぶものにとっては、避けては通れないイベントとなります。

目次

FFレートは4.75〜5.00%へ

予想通りの0.25%幅

利上げをするのか、停止するのか、はたまた利下げまでが視野に入るのか、注目された、今回のFOMCでした。米連邦準備理事会(FRB,アメリカの中央銀行に相当)は、3月21-22日に開いたFOMC(公開市場委員会)において全会一致で、政策金利である、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、4.75~5.00%

とすることを決定しました。声明文では、「継続的な利上げが適切」の文言が削除される一方で、量的引き締めは従来の方針を維持、また2023年末の政策金利見通し(中央値)も前回と同様に5.1%に落ち着きました。結局、足元のインフレ率は高い、雇用も強いというところではあるが、継続的な利上げ必要から、今後の状況によって追加利上げが必要かもしれないというトーンダウン?しているというどちらとも取れる、いつもの?FOMCと言えるでしょう。

※青は2022年12月、赤は今回、それぞれのFOMCでのメンバーによるFF金利の見通し

フェデラル・ファンド(Federal Funds)は、アメリカの銀行が連邦準備銀行に預けている無利息の準備預金のこと。米国の銀行は預金残高の一定割合を連邦準備銀行に預けることを義務付けられていますが、銀行間では、日々この過不足を互いに調整しあっています。この時に成立する金利を、FF金利(レート)と言います。日本の無担保コール翌日物に相当する、米国の代表的な金利です。金融政策の方針を決定するFOMCで、このFF金利の誘導目標が示されることから、米国における短期金利の指標、政策金利として位置付けられています。

パウエル議長の会見

SVB(シリコンバレーバンク)やシグネチャー銀行など、相次ぐ米銀の破綻で市場の動揺が続く中で、FOMC後の会見の中でパウエルFRB議長は、冒頭にまず、「銀行システムは健全で強固な資本と流動性を維持している」とマーケットに対し、安心を与えるコメントからはじめました。会見では

  • 安全で健全な銀行システムを維持するために、必要なあらゆる手段を取る用意がある
  • 今回を教訓として二度と起きないように取り組む
  • 銀行システムを通じて見られる弱さではない(今回の破綻は特殊な事例、例外的なケース)
  • 年内の利下げは想定していない?

としていますが、例外的、想定外(想定していない)のことが起きるのが経済、金利そしてマーケットですので、やはりFOMCからは、目を離せません。

これまでのFOMCは・・

2022年〜2023年

昨年3月のゼロ金利政策解除から、丸1年をかけ実に、9回連続の利上げということになります。

FOMC開催日政策金利(目標誘導レンジ)
2020.4~2022.1月変更なし0.00~0.25%
2022.3月【ゼロ金利政策解除】+0.25%0.25~0.50%
5月+0.50%0.75~1.00%
6月+0.75%1.50~1.75%
7月+0.75%2.25~2.50%
9月+0.75%3.00~3.25%
11月+0.75%3.75~4.00%
12月+0.5%4.25~4.50%
2023.1月+0.25%4.50~4.75%
   3月+0.25%4.75~5.00% →今ここです
FOMCのこれまでの動き

FOMC vsインフレ

米国の中央銀行であるFRBには、2つの責務(デュアル・マンデート,dual mandate)が課せられています。それは「物価の安定」と「雇用の最大化」です。どちらも、金利をはじめとする金融政策が大きな意味を持ちます。昨年からの急激なインフレへのFRBの対応を見ているとその重要性が確認できます。物価が安定しているかどうかは、消費者物価指数や個人消費支出等のインフレ率で判断します。

急激なインフレに対する、継続的な利上げの効果もあり、インフレが落ち着いてきていると言えますが、特にFRBが重要視しているされるコアPCEデフレーターは高止まりしているところが気になるところです。

*↑折れ線グラフは昨年の1月から、↓棒グラフは、ここ数ヶ月のインフレ率の推移。カーソルを当てると詳細がわかります。両グラフともコアPCEデフレーターは1月まで。

*CPI消費者物価指数、**コアCPIは消費者物価指数からエネルギーと食品を除いた指数。また***コアPCEデフレーターは、食品・エネルギーを除いた名目個人消費支出を実質個人消費支出で割ったもので、FRBが最も重要視している指標と言われ、この数値が2%になることをFRBは目標としています。

FOMCと米国株式市場

米国株式の代表的な指数であるS&P500とNYダウは、昨年の1月に4,818ポイント、36,952ドルとそれぞれ史上最高値をつけましたが、その後の想定外の物価、インフレ率上昇に対応する利上げによって、株価が大きな調整をしたことがわかります。ただ、株式市場では、利上げが終わり年内利下げへというシナリオを読み始めていただけに今回のFOMCをどう読み、次回以降がどうなっていくかは、意見の分かれるところです。

5月以降のFOMCは・・

インフレを抑え込むための利上げか、銀行の経営破綻や景気後退等への配慮に対する利上げ停止か、いずれも状況次第というところですが、その政策金利を決めるFOMCは年内あと6回です。各月第1週の金曜日には雇用統計、中旬と下旬にそれぞれ、CPIとPCEが発表され、ある時はインフレ率の上昇をまたある時は、景気後退懸念等の数値を見ながらのFOMCということになります。

2023年日付(すべて火曜と水曜日です)
5月2日〜3日
6月13日〜14日
7月25日〜26日
9月19日〜20日
10月,11月31日〜11月1日
12月12日〜13日
2023年5月以降のFOMC
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