20日、S&P500ダウ・ジョーンズ・インデックスは、NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株30種平均 )の銘柄の
入れ替えを発表しています。ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)に代わってアマゾン・ドット・コム(AMZN)が採用されます。変更は2月26日(月)の取引開始前。
入れ替えは、2020年8月の3銘柄以来
最新のNYダウと採用の歴史
企業名 | シンボル | 業種 | ダウ採用年月日 | |
1 | プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) | PG | 家庭用品 | 1932年5月 |
2 | 3M | MMM | 化学 | 1976年8月 |
3 | IBM | IBM | コンピュータ | 1979年6月 |
4 | メルク | MRK | 医薬品・バイオ | 1979年6月 |
5 | アメリカン・エキスプレス | AXP | 金融 | 1982年8月 |
6 | マクドナルド | MCD | 外食 | 1985年10月 |
7 | コカ・コーラ | KO | 食品・飲料 | 1987年3月 |
8 | ボーイング | BA | 航空機 | 1987年3月 |
9 | キャタピラー | CAT | 重機 | 1991年5月 |
10 | ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー | DIS | 娯楽・メディア | 1991年5月 |
11 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | JPM | 金融 | 1991年5月 |
12 | ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) | JNJ | 医薬品 | 1997年3月 |
13 | ウォルマート | WMT | 小売業 | 1997年3月 |
14 | インテル | INTC | 半導体 | 1999年11月 |
15 | マイクロソフト | MSFT | ソフトウェア | 1999年11月 |
16 | ホーム・デポ | HD | 小売業 | 1999年11月 |
17 | ベライゾン・コミュニケーションズ | VZ | 通信 | 2004年4月 |
18 | シェブロン | CVX | エネルギー | 2008年2月 |
19 | シスコシステムズ | CSCO | 情報・通信業 | 2009年6月 |
20 | トラベラーズ | TRV | 保険 | 2009年6月 |
21 | ユナイテッドヘルス・グループ | UNH | ヘルスケア | 2012年9月 |
22 | ナイキ | NKE | アパレル | 2013年9月 |
23 | ビザ | V | その他金融 | 2013年9月 |
24 | ゴールドマン・サックス・グループ | GS | 金融 | 2013年9月 |
25 | アップル | AAPL | コンピューター | 2015年3月 |
26 | ダウ | DOW | 化学 | 2019年4月 |
27 | ハネウェルインターナショナル | HON | 機械・精密機器 | 2020年8月 |
28 | セールスフォース・ドットコム | CRM | ソフトウェア | 2020年8月 |
29 | アムジェン | AMGN | 医薬品 | 2020年8月 |
30 | アマゾン | AMZN | EC | 2024年2月 |
なぜこのタイミングで?
S&P500ダウ・ジョーンズ・インデックスによると
『ウォルマート(WMT)が3:1の株式分割を決定したため』としています。
アマゾンがウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスに代わってダウ工業株30種平均に採用されることで、アメリカ経済の進化を反映し、
この変更により、消費者小売業や他の事業分野への価格変動の影響度合い(エクスポージャー)が増加しさらには、NYダウの他の事業分野と同様に、消費者小売業へのエクスポージャーが増加するとしています。
消費小売の分野のリーダーであるウォルマート(20日の株価は175.86ドル)が分割してしまうと、NYダウが平均株価であるためウォルマートの株価が低くなり、指数への影響が減り、実態をあらわせなくなるため、
このタイミングでECという新しい消費行動を象徴する、アマゾン(同167.08ドル)のNYダウへの採用がされたと考えられます。(ウォルマートはそのまま残ります)。
一方、アマゾンをハイテク企業と考えると、現在の米国経済がテクノロジーによって支えられている証にもなり、それを示すNYダウ採用される十分な資格をもつアマゾンと捉えられます。
アップルの分割の時にはハイテク分野の調整が・・
2020年8月には、アップルが株式分割を発表したタイミングで、銘柄の入れ替えが行われています。この時の理由もテクノロジーセクターの構成比率低下を考えての入れ替え措置との説明がありました。
ニューヨークダウは、産業構造の変化を捉えた企業を取り入れ、持続的成長を成し遂げてきた指数とはいえ、元々製造業、金融、エネルギーといった「オールドエコノミー」の比率が高い指数。
アップルの分割(4:1の株式分割)によってアップルの構成比が1/4に低下することで、そうした傾向がさらに強まる情勢にありました。この時の入れ替えで、
コロナ禍等の厳しい環境でも成長が期待できる、ハイテク、クラウド、バイオテクノロジーの分野から選ばれたのがセールスフォース、ハネウェル、アムジェン3つであり、除外されたのがエクソン、ファイザー、レイセオンの3企業でした。
この入れ替えの効果により、アップル分割によるIT関連のウェイト低下を避け、ハイテク、バイオ銘柄の多いナスダック指数とのより大きな差が出ないような対策ができたとされています。
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