確定拠出年金の弱点
Q3.
いいことばかりの確定拠出年金(DC)
のようですが、特に注意する点は何で
すか?
A3.
(逆に大きなメリットと捉えることもで
きるのですが)次の2つが指摘されて
ます。
①原則60歳まで受け取れない制度
DCは、老後のための年金制度ですの、
60歳までは積立・運用してきたおカネは
引き出せすことができません。「企業型」
に加入していて、60歳前に会社を退職
しても受け取ることはできません。
(この場合運用指図者になり、運用を
続ける)
従来の企業年金制度であれば、企業勤めを
辞め独立するときなど、それまでに応じた
退職金が支払われ、独立開業資金等の
ニーズに応えることができましたが、
企業型の確定拠出年金では、それができ
ません。退職給付制度を全額、確定拠出
年金にすることには、企業側にも慎重な
姿勢が求められています。しかし、
どんな境遇になろうとも、老後の備え
を確保される(途中引き出しできない)
カタチが用意されているというのは、
良いことだと思います。
②自己責任の原則を受け入れられない
資産運用では、リスクをとることが
求められます。長い運用期間中には、
大きな変動を経験したりで、
ストレスを抱えることが、少なからず
あります。かといって、元本確保型ば
かりの運用ではインフレの波に
飲み込まれてしまいます。人任せに
してしまうことが、一番のリスクと
とらえ、あなたが、自分で考え、
あなた運用することが、確定拠出年金
最大限のメリットです。基本さえおさえて
おけば、怯えながらの運用にはなりません。
Q4.
確定拠出年金(DC)のメリットを整理
してください。
A4.
①「自分自身で確認できる」年金制度
これまでの企業の確定給付企業年金制度や
退職一時金制度は、どのくらいもらいのか
わかりにくい仕組みでした。
DCは、「個人型」はもちろん「企業型」も
残高をネットなどで、いつでも確認すること
ができます。
②「資産運用を経験できる」
あなたのライフスタイルやプランにあわせ、
運用方法を選択することができ、将来の
インフレにも備えることができる。
③「受給権が保護されている」
某航空会社が、倒産により現役世代や
OBの将来の年金が3割〜5割削られたような
ことが、確定給付年金制度(DB)を導入し
ている企業にはありました。
DCでは、会社の倒産や運用を指示する
金融機関等の破たんから、自分の老後財産
が守られるようなしくみになっており、後
から支給額の引き下げがおこなわれること
もありません。
④「持ち運びができる」
来年度以降には、年金資産の持ち運びが
ずっと便利になります。例えば、これまでは、
DCは、DC間だけの移管でしたが、
(個人型→企業型逆も可}
企業型→企業型のみ )
企業型DCから、企業型DBを導入している
企業に転職した場合、年金資産を移すこと
ができるようになります。
DCの魅力のひとつでもあるポータビリ
ティの範囲は広がる傾向があります。
⑤「破格!?、アンビリバボーなくらいの
税制優遇を受けられる」
会社が拠出する掛金や運用中に値上がりした
利益には税金がかかりません。60歳以降に
年金や一時金として受け取る場合も、
公的年金控除や退職所得控除の優遇を受ける
ことができます
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