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【最新版】バフェットの投資判断: アップル株売却と新規投資の行方-2024年3月末

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バークシャー・ハサウェイの正体とは?

バークシャー・ハサウェイは、2024年3月末の保有銘柄を発表。保有銘柄報告書(13F)によると、アップルの一部を売却し、手元資金は過去最高に達しています。一方で、新たにポートフォリオに加わった企業もあります。日本でもウォーレン・バフェット氏による日本の商社株の買い増しが話題になったように、同氏の投資判断は日米株式市場の常に注目を集めています。バークシャーの秘密のベールをはがします!?

ポイント
  • アップルの一部を売却、手元資金は過去最高
  • 自社株買い増額で、新規投資より株主還元を優先
  • 新規投資先チャブ、お気に入りオキシデンタル・ペトロリアム
  • バフェットの投資哲学はシンプルに「優良な事業、投資先を見つけたら、それを長く持つこと」
目次

最新、バフェットのポートフォリオ

上位10社で90%を占める

銘柄名(シンボル)セクター*23/12末比**構成比率**持分比率市場価値
1.アップル(AAPL)情報技術▼12.8%40.8%4.8%1,354億ドル
2.バンク・オブ・アメリカ(BAC)金融11.8%12.8% 391億ドル
3.アメリカン・エキスプレス(AXP)金融10.4%20% 345億ドル
4.コカ・コーラ(KO)生活必需品7.4%9.2% 245億ドル
5.シェブロン(CVX)エネルギー▼2.5%5.9%6.3% 194億ドル
6.オキシデンタルペトロリアム(OXY)エネルギー+1.77%4.9%26.5% 162億ドル
7.クラフト・ハインツ(KHC)生活必需品3.6%26.6% 120億ドル
8.ムーディーズ(MCO)金融2.9%13.3%  97億ドル
9.チャブ(CB)金融NEW2%6.1%  67億ドル
10.ダビーダ(DVA)ヘルスケア1.5%37.5%  49億ドル
バークシャー・ハサウェイ保有の上位7銘柄(2024年3月末)

*2023年12月末比の株数の増減率空欄は変化なし/**バークシャーのポートフォリオでの構成比率/***持分比率はその企業の株を全体のどれくらい保有しているかを表します。

13Fとは

米国の機関投資家が四半期ごとにSEC(米国証券取引委員会)に提出する保有株式に関する報告書「13F」(サーティン・エフ)。同報告書は上場株式を1億ドル以上保有する機関投資家に四半期末から45日以内に提出が義務付けられています。

バークシャーの最新ポートフォリオからわかること

株主還元を優先

引き続き、オキシデンタル・ペトロリアムへの関与を強化する一方、メディア大手パラマウント・グローバル(PARA)は「損切り」として売却されています。アップルも昨年第4四半期に続き一部売却。それでも、13Fベースの保有時価上位10銘柄が全体の90%(上位5銘柄で4分の3)を超える状況は変わっていません。

第1四半期決算では、バークシャー・ハサウェイの現金・現金同等物の残高が過去最高を更新し、自社株買いの実施額が2四半期連続で増額。全体として、新規投資よりも株主還元を優先する四半期と市場では評価されています。

アップル株売却について

バークシャー・ハザウェイは2024年1〜3月期に米アップル株を約13%売却したことがわかりました。アップル株はバークシャーの保有株の約4割を占めており、この売却が市場で注目されています。ウォーレン・バフェット氏は、売却益にかかる税率の上昇が背景にあると説明。が前の四半期に続く売却はアップル株に対する評価が変わった可能性を指摘するアナリストも一部います。流れをまとめますと、

  • 3月末時点の保有時価: アップル株の保有時価は1,354億ドル(約20兆7000億円)で、23年末から22%減少。
  • 1〜3月期のアップル株価: アップル株価は1〜3月期に10.9%下落。(4月以降は上昇に転じています)
  • 売却の理由: バフェット氏は、売却益にかかる税率の上昇を見越して売却を行ったと説明。
  • アップルに対する評価: バフェット氏は依然としてアップルを「極めて素晴らしい事業」と評価。

アップル株は24年始めから軟調で、中国でのiPhone販売の不振やAI関連投資での遅れが指摘されていましたが、バフェット氏はアップル株を長期的に高く評価しており、売却も戦略的な判断の一環であることを強調、今後も最大の保有株である可能性が高いとしています。

手元資金は過去最高

1〜3月期の株式売買動向は172億8100万ドルの売り越しで、現預金と米短期債保有額を合計した広義の手元資金は過去最高の1,889億9300万ドル。

気になる投資先、ダビータとチャブ

バークシャー・ハサウェイの今回の13Fより、バフェットのお気に入り、3つ企業を紹介します。

オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)

  • 企業名: Occidental Petroleum Corporation(オクシデンタル・ペトロリウム)
  • 設立年: 1920年
  • 本社所在地: テキサス州ヒューストン
  • 上場市場: ニューヨーク証券取引所(NYSE)ティッカーシンボル:OXY
  • CEO: Vicki Hollub(2024年現在)
  • 従業員数: 約11,000人
  • ウェブサイト: www.oxy.com
  • 株価61.95ドル/時価総額577億ドル(2024.5.24)

事業分野

  • 石油・ガスの探査・生産: 世界中で石油と天然ガスの探査と生産を行っています。
  • 化学製品: 子会社のOxyChemを通じて、塩素や苛性ソーダなどの基礎化学品を製造。
  • 低炭素事業: 二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術を推進。
  • 主要市場: 北米、中南米、中東
  • 重要プロジェクト: ペルミアン盆地(テキサス州・ニューメキシコ州)のシェールオイル・ガス開発
  • 環境への取り組み: カーボンニュートラル目標に向けた取り組みを強化し、二酸化炭素排出削減に注力。
  • 財務状況: 定期的な配当支払いと健全な財務体質を維持。

第1四半期(1-3月) 2024年の業績概要(5/8発表)

  • 売上高: 59億7,500万ドル(前年同期比17.3%減)
  • 純利益: 8億8,800万ドル(前年同期比29.7%減)
  • 1株当たり利益(EPS、希薄化後): 0.75ドル(前年同期1.00ドル)
  • 四半期配当: 0.22ドル(前年同期から0.04ドル増配)
  • 四半期配当の増配は、投資家に対する還元の一環として行われています。

ダビータ(DVA)

バフェットのポートフォリオの上位の中で、数少ないヘルスケアセクターの企業です。

会社概要

  • 会社名: DaVita Inc.
  • ティッカー・シンボル:DVA
  • 設立年: 1994年
  • 本社: コロラド州デンバー
  • ウエブサイト:https://www.davita.com
  • 株価138.54ドル /時価総額121億ドル(2024.5.24)

第1四半期(1-3月期/Q1,2024)決算

  • 売上高:30.71億ドル
  • 1株当たり利益(EPS、調整後):2.65ドル
  • 純利益:2.4億ドル

サービス

  • 外来透析/入院透析/在宅血液透析
  • 統合ケア、疾患管理
  • 臨床研究プログラム
  • 医師サービス
  • 包括的腎臓ケアサービス
  • 急性期入院透析サービス
  • 移植ソフトウェア事業
  • 社名変更: 2016年にDaVita Inc.に変更

チャブ(Chubb Limited, CB)

今回の13Fで注目されるのは、損害保険会社チャブの初めての買い付け。スイスに本社を置く世界的な保険会社であり、財産・損害保険(P&C)分野でリーダー的存在です。以下にチャブについての詳細をまとめます。

概要

事業内容と業界の位置付け

  • 財産保険(Property Insurance): 住宅や企業の建物、設備、在庫などに対する保険。
  • 損害保険(Casualty Insurance): 企業の法的責任に対する保険、事故や災害による損害賠償をカバー。
  • 特殊保険(Specialty Insurance): サイバー保険、政治的リスク保険、海上保険、航空保険など、特定のリスクをカバーする保険。
  • 再保険(Reinsurance): 他の保険会社に対して保険を提供する事業。
  • リーダーシップ: チャブはP&C保険業界におけるグローバルリーダーであり、特に高ネットワース個人向け保険や企業向け特殊保険で強力な地位を築いています。

ライバル企業、日本での同業種企業

  • アリアンツ(Allianz)
  • AXA
  • アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
  • 東京海上日動火災保険
  • 損保ジャパン
  • 三井住友海上火災保険

ブランド、サービス名

  • Chubb Personal Insurance: 個人向け保険サービス。
  • Chubb Commercial Insurance: 中小企業および大企業向けの商業保険サービス。
  • Chubb Specialty Insurance: サイバー保険、海上保険、航空保険など特殊リスク保険。

2024年1-3月四半期決算/Q1

  • 売上高-129億ドル
  • 純利益は 21.4 億ドル。
  • 損保コンバインド・レシオは86.0%。(100%未満なら保険引受業務で利益を上げている状態。)
  • チャブは、今後デジタル技術の導入による顧客サービスの向上、新興市場でのビジネス拡大を目指しています。

ウォーレン・バフェットが保険会社を好む理由

事業として、またポートフォリオの一角としても、保険会社の存在がクローズアップされます。バフェットが保険会社を好む理由はいくつかあります。

  1. フロート資金の活用:
  • 保険会社は、保険料を前もって受け取り、保険金を支払うまでの間にその資金を運用できます。これを「フロート」と呼びます。バフェットはこのフロートを利用して、他の投資に回し、高いリターンを狙います。このフロートは、保険契約者から預かったお金であり、支払いが発生するまでの間、バフェットにとっては低コストの資金源となります。
  1. 安定したキャッシュフロー:
  • 保険事業は、長期的に安定したキャッシュフローを提供します。保険料収入は予測可能で、損失の頻度や規模も統計的に予測が可能です。この安定した収益は、他のビジネスや投資のリスクを緩和する役割を果たします。
  1. 資本の効率的運用:
  • 保険会社は比較的少ない資本で大規模なフロート資金を運用できます。これにより、他の業種に比べて高いリターンを生む可能性が高いです。バフェットはこうした資本の効率的な運用を好みます。
  1. リスク管理の専門知識:
  • バフェットは、優れたリスク管理を持つ保険会社を選びます。例えば、ガイコやジェネラル・リーなどは、優れたリスク管理と引受基準を持っており、長期的な利益をもたらします。これにより、保険会社が長期的に安定して収益を上げることが期待されます。
  1. 戦略的投資機会:
  • バフェットは保険会社の収益を他の戦略的投資に活用します。バークシャー・ハサウェイの保険事業から得られる資金を用いて、株式市場や他の企業買収に投資します。これにより、投資ポートフォリオを多様化し、リスクを分散しつつリターンを最大化します。

これらの要因により、バフェットは保険会社を好み、重要な投資先としています。保険会社のフロート資金は、彼の投資戦略において重要な資金源となっており、他のビジネスや投資に対するリスクを緩和しつつ、高いリターンを狙うことができます。

バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)とは

バークシャー・ハサウェイはウォーレン・バフェットが率いる多国籍コングロマリットで、ユニークなかたちの企業。事業構造は大きく分けて二つの要素から成り立っています。直接傘下に企業を持つ、持ち株会社と投資会社としての役割です。

2つのカタチ

私たちの仕事チャーリー・マンガー(昨年11月逝去)と私は、バークシャーで貯めた資金を、2つの関連する所有形態に配分します。

まず、私たちがコントロールする事業に投資し、通常は100%の株式を取得します。バークシャーは、これらの子会社の資本配分を指示し、日々の経営判断を行うCEOを選びます。大企業の経営には、信頼とルールの両方が欠かせません。バークシャーは、前者を異常なまでに、極端とも言えるほど重視する。失望は避けられない。ビジネス上のミスには理解を示すが、個人の不祥事に対する許容度はゼロである。

第二の所有形態は、上場株式を購入し、事業の一部を受動的に所有することです。このような投資では、私たちは経営に口を出すことはありません。

私たちの目標は、どちらの形態でも、長期的に良好な経済特性を持ち、かつ信頼できる経営者を持つ企業への有意義な投資を行うことである。特に、私たちが上場株式を保有しているのは、その長期的な業績に対する期待に基づくものであり、巧みな売買の手段として見ているわけではないことに留意してください。この点が重要です。チャーリーと私は、株を選ぶ人ではなく、ビジネスを選ぶ人なのです。

-2023.2.25 バフェットの株主の皆様へより、DeepLで和訳

直接傘下に置く企業

バークシャー・ハサウェイは、多くの子会社を直接傘下に持っています。これらの企業は、バークシャーの完全子会社として運営されており、日常業務や経営管理において自立。以下の企業があります。

  • GEICO(ガイコ):自動車保険を提供する大手保険会社。
  • BNSF(バーリントン・ノーザン・サンタフェ):大手鉄道運営会社。
  • BHE(バークシャー・ハサウェイ・エナジー):エネルギー関連事業を展開。

これらの企業は、収益を生み出し、安定したキャッシュフローを提供することで、バークシャーの財務基盤を強化しています。

ポートフォリオを保有する投資会社としての役割

バークシャー・ハサウェイはまた、広範な株式ポートフォリオを保有する投資会社としても機能しています。バークシャーの投資ポートフォリオには、アメリカの主要企業の株式が含まれており、これらの株式から得られる配当やキャピタルゲインが、会社全体の利益に寄与しています。以下はその一例です:

  • Apple(アップル,AAPL):情報技術セクターでの主要な投資先。
  • Coca-Cola(コカ・コーラ,KO):生活必需品セクターでのバフェット氏お気に入りの投資先。
  • American Express(アメリカン・エキスプレス,AXP):金融セクターでの主要な投資先。

これらの投資は、バークシャーの財務状態を多様化し、リスクを分散する役割を果たしています。

バークシャーの強み

バークシャー・ハサウェイの企業形態の強みは、安定した収益源と多様化された株式投資ポートフォリオを持つことで、経済状況の変動に対する耐性が強い点です。直接運営する企業からの安定収益と、投資ポートフォリオからの成長利益を組み合わせることで、長期的な財務安定性を確保しています。

このユニークな企業形態により、バークシャー・ハサウェイは、多様な経済状況に柔軟に対応しながら、継続的な成長と株主価値の向上を実現しています。

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バークシャー・ハサウェイの魅力とバフェットの教え

バークシャーの株主の皆様へ

2024年第1四半期末の保有銘柄報告書では、アップルの一部売却や現金残高の過去最高更新が注目されました。バフェット氏の投資判断は市場の関心を集め、昨年は日本の商社株の買い増しが話題となりました。

バークシャーの保険事業は堅調で、売上高、浮動株、保険引受利益で過去最高を記録。損害保険事業は、同社の成長と幸福の中核をなしており、特にアジット・ジェイン氏の存在が重要と言われています。

一方、鉄道会社BNSFや電力会社BHEでは、予想以上の収益減少が見られ、BNSFはコスト高と賃上げが影響し、BHEは規制環境の変化が問題となりました。それでも、バークシャーはこれらの事業を重要な資産と考え、長期的な視点で経営しています。

また、バークシャーはオクシデンタル・ペトロリアムや日本の大手商社5社にも投資。これらの企業との提携により、バークシャーは世界中で新たなチャンスを模索しています。

オマハでの年次総会(2024年は2月24日に開催)には、多くの株主が集まり、バークシャーの経営者たちとの交流を楽しみます。特に、バフェット氏の妹バーティの投資成功談は、多くの株主にとってインスピレーションとなっています。バフェット氏も妹を投資家の模範として、CEOから直接正直に情報を提供することを心がけているとしています。

バークシャーの投資哲学はシンプルです。「優良な事業を見つけたら、それに固執すること」。長期的な視点での投資と堅実な経営が、成功の鍵となっています。米国株投資の初心者の皆さんも、この教えを胸に刻み、長期的な視点で投資に向き合って下さい。極めてシンプル!

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クラスA株とB株

バークシャー・ハサウェイには、2種類の株式が存在します:クラスA株(BRK-A)とクラスB株(BRK-B)です。2つの株式にはいくつかの重要な違いがあります。

クラスA株(BRK-A)

  • 価格: クラスA株は非常に株価が高く、5/24の終値は615,900ドル。
  • 議決権: クラスA株は1株につき1票の議決権。これにより、株主はバークシャー・ハサウェイの株主総会での議決に直接参加することができます。
  • 分割不可能: クラスA株は分割不可能です。つまり、1株未満の部分株式を購入することはできません。
  • 転換オプション: クラスA株の株主は、1株のクラスA株を30株のクラスB株に転換することができます。しかし、逆はできません。

クラスB株(BRK-B)

  • 価格: クラスB株はクラスA株に比べてはるかに手頃な価格で取引されています。これはクラスA株の1/1500の価値に設定。5/24の終値は407.41ドル
  • 議決権: クラスB株は1株につき1/10,000票の議決権しかありません。これにより、クラスB株主の議決権はクラスA株主に比べて非常に小さいです。
  • 分割可能: クラスB株は分割可能であり、より少額での購入が可能。
  • 転換オプション: クラスB株はクラスA株に転換不可能。

まとめ

金融、エネルギー、生活必需品がお好き!?

バークシャーのポートフォリオを見ると、バフェットが金融、エネルギー、生活必需品のセクターにもウェイトをおいていることがわかります。これらの投資先は、金利、景気等によって大きく下落することがあっても、立ち直りは他のセクターに比べ、速いと経験によってわかっているからかもしれませんね。

まとめ
  • アップルの一部を売却、手元資金は過去最高
  • 新規投資より株主還元を優先?
  • 新規投資先チャブ、お気に入りオキシデンタル・ペトロリアム
  • バフェットの投資哲学はシンプルに「優良な事業、投資先を見つけたら、それを長く持つこと」
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