先週に引き続き、大忙しの一週間。四半期決算に加え、米国債の格下げをきっかけに、利益確定の売りにおされ、売りが優勢となりました。時価総額世界一のアップルの決算でiPhoneの販売が予想を下回ったことなどを理由に株価が下落したことも嫌気されたようです。また、金曜日8/4に発表された7月の雇用統計では、強めの平均時給の数字に利上げ継続への警戒感が指摘されていました。
主要指標の動き
指標 | 8月4日 | 7月28日 | 騰落率 |
NYダウ | 35,065.62 | 35,459.29 | ▼1.11% |
S&P500 | 4,478.03 | 4,582.23 | ▼2.27% |
ナスダック | 13,909.24 | 14,316.66 | ▼2.85% |
ドル/円 | 141.78 | 141.17 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.04 | 3.95 |
米国債の格下げ
8/1に*大手格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国債格下げをきっかけとし、マーケットを牽引していたハイテク系にも決算発表後に、株価が下落する銘柄が増え市場のムードを少し暗くしていた印象です。週末の雇用統計では、非農業部門の雇用者数の伸びは市場予想を下回った(インフレの落ち着き?)ものの、平均時給の前年同期比の上昇率は市場予想を上回り(インフレがまだ強い?)、利上げ継続への警戒感が出て、結局主要3指数は、NYダウが3日、S&P500とナスダック4日連続安となり、週末を迎えています。
*長期外貨建ておよび自国通貨建て債券格付けを最上位のAAAからAA+に引き下げ。フィッチは債務上限問題を理由に、5/24に格付け見通しを「ウォッチ・ネガティブ」とすでに警告ずみ。
アップルとアマゾンの決算
8/3にアップルとアマゾンが4-6月期の決算を発表。目先の株価の動きでは、アップルが😔、アマゾンが😁といったところです。
* 株価騰落率は決算発表前日終値〜週末8/4終値。 ()は市場予想
アップル(AAPL)
- 売上高818億ドル(815.5億ドル)
- EPS 1.26ドル( 1.20ドル)
- 3四半期連続で減収(前年同期比)
- iPhoneの販売が予想に届かず
- サービス部門の売上高が過去最高を記録
- インド、中国、新興国市場に期待大
- 7-9月期の業績見通しに不安
- 株価 192.58→181.99ドル▼5.5%↓(それでも年初来では+40% ↑ )
アマゾン(AMZN)
- 売上高1,343.8億ドル( 1,316.3億ドル)
- EPS 0.65ドル( 0.35ドル)
- AWSの売上とQ3見通しが予想を上回り、好感
- 株価128.21→139.57ドル+8.9%↑ (年初来では、+66%↑)
7月の雇用統計
- 非農業部門雇用者数は、+18.7万人増(市場予想19.9万人)
- 平均時給は前年同月比4.4%、前月比0.4%
- 失業率3.5%
企業が人件費の上昇分を物価に転嫁する動きがインフレの要因になっていると指摘されることが続いています。パウエルFRB議長は、雇用統計や消費者物価指数、個人消費者支出等を踏まえ、データしだい、ライブ感覚?で金融政策を決定することを繰り返し指摘していますが、利上げへの警戒感は週明け以降も続きそうです。
今後のスケジュール
8月 | |
10日 | 7月の消費者物価指数(CPI) |
24日 〜26日 | *ジャクソンホール経済シンポジウム |
31日 | 7月の個人消費支出(PCE) |
9月 | |
1日 | 8月の雇用統計 |
13日 | 8月の消費者物価指数(CPI) |
19日〜20日 | FOMC |
下旬 | 8月の個人消費支出(PCE) |
10月31日〜11月1日 | FOMC |
12月12日〜13日 | FOMC |
マーケットの動き
*月末終値、8/4も終値。チャートにカーソルを当てると詳細がわかります。
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