今や日本でも風物詩となった『プライムデー』。買い物をネットですることに抵抗をなくしたアマゾンですが、今ではアップルやマイクロソフトなど強力なライバル企業と競合する分野も多くなっています。入り口に違いこそあれ、未来の形をどのようにデザインするかの鍵を握っているのは、間違いがないようです。7-9月期の四半期決算です。
サクッとまとめると・・・
決算概要
- 売上高は前年同期比+15%増の1,271億ドル(←1,108億ドル)、為替変動による不利な影響による50億ドルを除くと、+19%増。
- 営業利益は、25億ドル(←49億ドル)に減少
- 純利益は29億ドル、前年同期比▼9%(←32億ドル)。純利益の中にはリビアン・オートモーティブ社の普通株式投資からの営業外収益に含まれる評価益(税引き前)11億ドルが含まれています。
2022/7-9月期(Q3) | 2021/7-9月期(Q3) | 前年同期比 | |
売上高 | 127,101 | 110,812 | +14.7% |
営業利益 | 2,525 | 4,852 | ▼48% |
当期利益 | 2,872 | 3,158 | ▼9.0% |
EPS | 0.28 | 0.31 | -8.5% |
今年アマゾンで購入した、ベスト。机の上がすっきり↓
セグメント別
- 営業損失は北米セグメント4億ドル、国際セグメント25億ドル。(コンテンツ、マーケティング等の費用増が理由)
- それに対し、AWS分野で54億ドルの営業利益
AWSの成長に翳りが・・!?
*棒グラにカーソルを当てるとそれぞれの時期の金額がわかります。(単位億ドル)↑
*決算に関する数字は amazon ir→Quarterly results Q3 Earnings 2022より抜粋、DeepLで和訳。
アマゾンのもう一つの柱として成長しているクラウド事業のAWSですが売上ベースでは、順調にその数字を伸ばしていると言えます。しかし、一方では、マイクロソフトなどの強力なライバルに対抗するために、規模拡大の投資を続けなければならず、現在のようなマクロ環境変化を背景とする経済全体の停滞、景気減速への懸念により、AWSを利用する顧客が支出を抑える傾向が続けば、更なる柱の育成が必要と考えます。
*AWS(Amazon Web Service=アマゾン・ウェブ・サービス)は、世界で最も包括的で広く採用されているクラウドプラットフォームです。世界中のデータセンターから200以上のフル機能のサービスを提供。急成長しているスタートアップ、大企業、主要な政府機関など何百万もの顧客がAWSを使用してコストを削減し、俊敏性を高め、イノベーションを加速させています。
売上の内訳は
*円グラフにカーソルをあてると、それぞれの部門の金額がわかります。(単位百万ドル)↑
市場予想を自社販売(オンラインストア)は下回りましたが、外部販売会社(サードパーティセラー)は287億ドルと上回っています。広告サービスが前年同期比+25.4%増の95億ドルと好調。
*チャートにカーソウルをあわせると株価がわかります。いずれも、終値。(日付のないものは月末株価)
About Amazon
地球上で最も顧客を大切にする会社
アマゾンがどんな会社で、何を目指しているかがわかる、About Amazon。今さらですが、日本の老舗企業に通じるものがあるように思えます。
アマゾンは、競合他社重視ではなく顧客重視、発明への情熱、卓越した運営へのコミットメント、長期的思考という4つの原則に導かれて運営されています。アマゾンは、地球上で最も顧客を大切にする企業、地球上で最も優れた雇用主、そして地球上で最も安全な職場であることを目指しています。カスタマーレビュー、1-Clickショッピング、パーソナライズされたおすすめ商品、プライム、フルフィルメント by アマゾン、AWS、Kindle Direct Publishing、Kindle、キャリア選択、Fireタブレット、Fire TV、Amazon Echo、アレクサ、Just Walk Outテクノロジー、Amazonスタジオ、The Climate Pledgeなどは、アマゾンが開拓したものの一部である。
-Third Quarter Results,About Amazonより。DeepLで和訳
- 1995年7月ジェフ・べゾフ氏がオンライン書店としてサービスを開始、96年法人として設立。1997年上場。
- 米国を始め、世界各国に拠点・サイトを開設し、EC(Electronic Commerce)電子商取引を展開。書籍専門から、現在では家電から生活雑貨までありあとあらゆる商品を扱う。2000年11月に日本でのサービスを開始。
- 2006年EC以外の新規事業、AWSをスタート。拡張性のある低コストのインフラストラクチャ・サービスをクラウド上で提供し、収益化に成功。
- 2021年べゾフ氏がCEOを退任し、AWSのトップ、アンディ・ジャシー氏が就任。
- 株式時価総額9,603億ドル(12/2終値で計算),日本円でおよそ130兆円
- 2021年1月〜12月までの1年間とする売上高は、約4,700億ドル。
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