コロナ禍による在宅勤務、リモート授業等の日常化、デジタル化そしてエンタメ需要を安定したサービスによって取り入れたこと、さらには新iPhoneや仮想現実等に向けた新たな製品への期待もアップルの株価上昇を支えています。
10億件を越えるサブスクが牽引。サービス事業は過去最高
決算のポイント
- 売上高は818億ドル。主力のiPhoneは、減収で市場予想に届かず(為替の影響を除くと前年同期比で増収)
- ただし、iPhoneの他の機種からの乗り換えがQ3としては、過去最高。地域別ではインドが過去最高を記録、中南米や中東・アフリカ、インドネシアがQ3としては過去最高を記録
- 10億件を越える有料サブスクリプションがサービス事業を牽引。サービス収入が過去最高の212億ドルに。
決算概要
2023/4-6月(Q3) | 2022/4-6月(Q3) | 前年同期比 | |
売上高 | 81,797 | 82,959 | -1.4% |
営業利益 | 22,998 | 23,076 | -0.3% |
当期利益 | 19,881 | 19,442 | +2.3% |
EPS | 1.26 | 1.20 | +5.0% |
- 不安定なマクロ環境の中、売上高は818億ドル。Q3(4-6月)で前年同期比3四半期連続減収を記録したが、減収率は前四半期より縮小し、為替の影響を除けば増収。
- iPhone売上高354億ドルは前年同期比で2%減少の市場予想未達も、為替の影響を除けば増収。他の機種からの乗り換えはQ3として過去最高。
- 地域別では新興成長市場のインド、中南米、中東・アフリカ、インドネシアがQ3で過去最高売上を記録。
- サービス事業の売上は過去最高の212億ドルを記録。為替の影響を除くと二桁増。大中華圏もQ3で過去最高。
- 動画、アップルケア、クラウド、決済サービス、広告、App Store、Apple Music事業がQ3で過去最高売上を更新。Apple Cardの預金残高は100億ドル超。
- 次期Q4(7-9月)はiPhoneとサービスの売上増減率がQ3から改善すると予測。一方で、MacとiPadの売上は前年同期比で二桁減少を予想。粗利益率は44-45%の範囲で、Q3実績と同等の見通し。
地域別
*カーソルを合わせると売上高がわかります。
製品別
Productsの売上は全体で606億ドル(74%)、Servicesは212億ドルです。
*カーソルを合わせると各製品の売上高がわかります。
- 売上高は818億ドル。主力のiPhoneは、減収で市場予想に届かず(為替の影響を除くと前年同期比で増収)
- ただし、iPhoneの他の機種からの乗り換えがQ3としては、過去最高。地域別ではインドが過去最高を記録、中南米や中東・アフリカ、インドネシアがQ3としては過去最高を記録
- 10億件を越える有料サブスクリプションがサービス事業を牽引。サービス収入が過去最高の212億ドルに。
トップのコメント
『4-6月期は、10億件を超える有料会員登録に牽引され、サービス部門の売上高が過去最高を記録したことをご報告できることを嬉しく思います。教育から環境まで、お客様の生活を豊かにし、世界をより良いものにするイノベーションを支持しながら、私たちは私たちの価値を高め続けています。』
-ティム・クックCEO
「4-6月期の前年同期比業績は1-3月期と比較して向上、アクティブデバイスのインストールベースはすべての地域セグメントで過去最高を記録しました。当四半期、当社は非常に力強い260億ドルの営業キャッシュフローを生み出し、株主に240億ドル以上を還元し、長期的な成長計画への投資を継続しました。
アップルの取締役会は、当社普通株式1株当たり0.24ドルの現金配当を宣言しました。」
-ルカ・マエストリCFO
終値ベースでも時価総額3兆ドルに
*株価は各月、8/3の終値。カーソルを合わせると、株価がチェックできます。単位ドル
アップルの株価は、ここ数年にわたり着実に値上がりをして、新型コロナウイルス感染拡大に伴う2020年初めのロックダウン(都市封鎖)以降2022年1月までに上昇率は200%を超え、同月に瞬間の高値で世界初3兆ドル超えを達成、この6月30日には終値ベースでも世界初の時価総額3兆ドル企業となっています。
従来の地域以外の新興成長市場であるインド、中東、インドネシアなど販売網が拡大し、売上を伸ばしていることも株価上昇を支えるポジティブな要因として考えられます。
前の期1-3月期の決算はこちらからも↓
アップル1-3月期決算は主力iPhoneの好調とサービス部門で市場予想を上回る、過去最高の売り上げを記録
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