12月の消費者物価指数(CPI)を生産者物価指数(PPI)が、覆い隠すような展開で早期の利下げ、金利先安感を背景にハイテク株が底堅く推移した1週間。週末の銀行株決算にちょっと、ナーバスな?米国株式市場。
週間レビュー1月第2週の米国株式市場の振り返り
主要指標の動き
指標 | 1/12 | 1/5 | 騰落率 |
NYダウ | 37,592.98 | 37,466.11 | +0.34% |
S&P500 | 4,783.83 | 4,697.24 | +1.84% |
ナスダック | 14,972.76 | 14,524.07 | +3.09% |
ドル/円 | 144.92 | 144.62 | |
米国10年国債利回り(%) | 3.94 | 4.04 |
Yahoo Finance等を参考にしています
今週の注目ポイント
- ハイテク株主導のマーケット。ナスダック総合指数は、6日続伸。ダウは一時史上最高値更新。
- 決算発表(10-12月期)のトップバッター銀行株の評価は、次週以降へ?
- マイクロソフト、アップルを抜き、2021年11月以来の時価総額世界一返り咲き。
- 利下げ期待のマーケット環境継続へ
8日 MON
- ダウ工業株30種平均は3日連続で上昇し、前週末比216.90ドル高の3万7683.01ドルで終了。
- 米債券市場では、長期金利が前週末終値の4.05%から3.96%へ低下。
- 米国の長期金利低下により高PER(株価収益率)のハイテク株が上昇。
- ボーイングの株価は8%下落。同社製旅客機の緊急着陸に関連し米連邦航空局(FAA)が運航停止に。ボーイングが大幅に下落し、ダウ平均に重荷に。
- アップル、セールスフォース、マイクロソフトなど主力ハイテク株が強い。
- ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比319.6957ポイント高の1万4843.768で終了。
- ハイテク株比率が高いナスダック指数は、アマゾン、アルファベット、エビディアなど主力株の上昇で好調。
9日 TUE
- ダウ平均は前日までの3営業日で約250ドル上昇し、過去最高値に接近。
- 昨秋以降の米長期金利の低下が一服し、株式の割高感を意識。
- 主力銘柄の一部で利益確定の売り。
- FRBの早期利下げ観測が後退?
- ナスダック総合株価指数は3日続伸し、13.942ポイント高の1万4857.710で終了。
- 個別銘柄では、シェブロンやダウなどの景気敏感株が下落。ディズニーやアメリカン・エキスプレスも売られた。
- ネットフリックスは投資判断の引き下げにより下落。
- ボーイングは連日で下落。メルクとP&Gは上昇。
- 半導体のエビディアが連日で最高値を更新し、2%弱上昇。
10日 WED
- ダウ工業株30種平均は反発し、前日比170.57ドル高の3万7695.73ドルで終了。
- 週内の米経済指標がインフレ鈍化を示すとの見方と、米主要企業の好決算への期待が追い風。
- ナスダック総合株価指数は4日続伸し、111.940ポイント高の1万4969.650で終了。
- ソフトウエアのマイクロソフトやセールスフォースなどのハイテク株が相場をけん引。
- エヌビディアが上昇し、3日連続で上場来高値を更新。
- ホームセンターのホーム・デポ、スポーツ用品のナイキ、保険のトラベラーズなどが買われた。
- 化学のダウやアメリカン・エキスプレス、ウォルト・ディズニー、シェブロンは下落。
- ハイテク株主導のマーケット。ナスダック総合指数は、6日続伸。ダウは一時史上最高値更新。
- 決算発表(10-12月期)のトップバッター銀行株の評価は、次週以降へ?
- マイクロソフト、アップルを抜き、2021年11月以来の時価総額世界一返り咲き。
- 利下げ期待のマーケット環境継続へ
11日 THU
- ダウ工業株30種平均は小幅続伸し、前日比15.29ドル高の3万7711.02ドルで終了。
- 12月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回り、インフレ鈍化の兆しが小幅。
- FRBの早期利下げ観測が後退し、一時は幅広い銘柄に売りが広がるも。
- 午後には投資家心理が改善し、業績改善への期待が支えになる。
- ベライゾン、ウォルグリーンズ、ボーイング、テスラは下落。
- セールスフォースとナイキが上昇。
- マイクロソフトは約1カ月半ぶりに上場来高値を更新。
- アップルは下落し、一時マイクロソフトに時価総額で抜かれる
- ナスダック総合株価指数は小幅ながら5日連続で上昇し、前日比0.535ポイント高の1万4970.185で終了。
- エヌビディアが連日で上場来高値を更新。
12月の米消費者物価指数(CPI)
- 前年比3.4%(予想3.2%,11月3.1%)
- コア(食品・エネルギーを除く)前年比3.9%(予想3.8%,11月4.0%)
12日 FRI
- ダウ平均は一時114ドル高まで上昇した後、118.04ドル安で終了(3日ぶりの反落)するも、一時史上最高値(37,825.27ドル)更新へ
- S&P500は0.08%高で小幅反発。
- ナスダック総合は0.02%高とわずかながら6日続伸。
- 12月生産者物価指数(PPI)が予想を下回り早期の利下げ期待が先行
- 米国債券相場で長期ゾーンは続伸。表面利率4.500%の10年物国債利回り3.94%で今週を終える
- 四半期決算を受け、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカなど銀行株が下落。
- ユナイテッドヘルスは3.37%下落し、ダウ平均を約120ドル押し下げ
- 防衛のロッキード・マーチン(LMT)や総合軍事会社のゼネラル・ダイナミクス(G D)は米英軍のフーシ派拠点空爆を受けた緊張拡大に連れ需要拡大の思惑にそれぞれ 上昇。
- マイクロソフトが終値ベースでも、時価総額でアップルを抜き約2年ぶりに世界首位に返り咲きへ。
- S&P500の11セクター中、エネルギー、不動産など7セクターが上昇。
- 一般消費財、ヘルスケア、金融など4セクターが下落。
12月生産者物価指数(PPI)
- 前年比1.0%(予想1.3% 11月0.8%)
- コア(食品・エネルギーを除く)前年比1.8%(予想2.0% 11月2.0%)
銀行株四半期決算(10-12月期)より
- シティグループ(C)赤字に転落も、従業員2万人削減し収益強化を目指す組織改編計画が好感。
- JPモルガン(JPM)純金利収入が7四半期連続過去最高や24年通 年で増加の強気見通し。
- バンク・ オブ・アメリカ(BAC)純金利収入低下や昨年の地銀破綻関連 の費用計上が業績を圧迫、減収減益。
- ウェルズ・ファーゴ(WFC)昨年の地銀破綻を受けた連邦預金保険公社(FDIC)の基金補充への拠出金などを含めコストの予想以上の拡大が重しに。
週間レビュー第2週の米国株式市場の振り返り、他のトッピクス
テスラ、マイクロソフト、アップル
テスラ(TSLA)
中国での値下げ、さらに紅海混乱を受けた部品 不足でドイツ工場で大半の生産を停止、レンタカー会社のハーツ(HTZ)による電気自動車の売却等が嫌気され12/5に比べ、▼8.5%下落。
マイクロソフト(MSFT)の株価は12日に1%上昇し388.47ドルで終了、時価総額は2兆8900億ドル(約419兆円)。一方、アップル(AAPL)は0.2%上昇し185.92ドル、時価総額は2兆8700億ドル。マイクロソフトがアップルより高い時価総額で取引を終えたのは、2021年11月以来。
マイクロソフトはAIを巡る楽観論の継続により年初来3.3%上昇、アップルは成長に対する懸念から3.4%下落と今のところは明暗別れることになっていますが、マイクロソフトの株価がこのまま順調に上昇続けると、アップルに次ぐ、時価総額3兆ドル企業として歴史に名を残す可能性が出ています。
世界3位のサウジアラムコ(サウジアラビアの国営企業、米国市場外)の時価総額は2兆ドル強、ビッグテック、マグニフィセント7の仲間、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアは各々1兆ドル余り、メタ・プラットフォームズは8,300億ドル、テスラがおおよそ7,000億ドル。
マイクロソフト、アップルの2社でS&P500種株価指数の14%を占めるほど、他の企業を圧倒しています。いずれにしましても、この2社の成功が米国株式市場上昇の鍵を握ることには変わりはありません。
週間レビュー1月第2週の米国株式市場の振り返りと来週からのスケジュール
新年早々から、大きな災害や事故(“お見舞い申し上げます”)が続き、色々なことがあり気を取られているうちに、米国では決算シーズンがスタート。10-12月の決算ではブラックフライデーー、サイバーマンデーそして年末のクリスマス
商戦と続いた業績の結果が、各企業の決算から明らかにされてきます。米国の個人消費、景気、経済を占う上で、重要な時期のスタートです。
・2024年新春の米国株式市場動向。今年最初の1週間のNYダウ、S&P500、ナスダックの動きを詳細に!
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