10/27-11/3のマーケット
指標の動き
指標 | 11/3 | 10/27 | 騰落率 |
NYダウ | 34,061.32 | 32,417.59 | +5.1% |
S&P500 | 4,358.34 | 4,117.37 | +5.9% |
ナスダック | 13,478.28 | 12,643.01 | +6.6% |
ドル/円 | 149.36 | 149.64 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.52 | 4.84 |
今週のポイント
- FOMCを無事通過し、米国株式市場は自律反発もあり、上昇幅を拡大
- 国債の発行計画が市場予想を下回り、債券需給の安心感から長期金利は低下
- インフレの落ち着きを示す指標等から、利上げ終了期待が高まり、さらには利下げ確率上昇まで
FOMC、アップルの決算
30日
週明けの米国株式市場は、4営業ぶりの反発。511ドル高は1日の上げ幅としては、6月の701ドル高以来。前の週のダウ平均は3月以来の安値で終えており自律反発狙いの買いが入り、FOMCや雇用統計など重要スケジュールを控え、
様子見の中の動き。不安定な中東情勢等からドル高や原油高が進む中、これらに一服感が出て米国企業の収益圧迫への懸念がやや和らいだこともマーケットを支えたとの声がありました。
31日
続伸。前週が7か月ぶりの安値だったことや持ち高を減らすための、買いが入りやすい状況。10月を振り返ると、ダウは10月月間では454ドル下落。下落率は▼1.35%で、同じくS&P500▼2.2%、ナスダック総合指数▼2.8%でした。3か月連続の下落は、2020年1-3月以来。
政策金利の据え置きが、大方の予想。「(FOMCは)マーケットを大きく動かすようなイベントにはならないと見た投資家が持ち高を中立に戻すための買いを入れた」と指摘する一部市場関係者がいました。
1日
FRBはFOMCにおいて、2会合連続で政策金利を変更せず5.25%-5.50%に据え置きました。予想通りの結果で、株式市場に買い安心感が広がりました。パウエル議長は『今後の経済データに基づいて注意深く進める』と
従来通りのコメントを繰り返し、物価上昇率を目標の2%に戻すには経済と労働市場が鈍化する必要があるとの見方を示しましたが、株式市場では
一段の利上げに対する警戒感は薄れ、会見中に買いが勢いを増す流れとなり「FRBはタカ派的な姿勢を維持しようとしたが、市場関係者は追加の金融引き締めがあるとは考えていない」との声も聞かれました。
長期金利は4.7%台半ばまで低下(前日は4.93%)。相対的な株式の割高感が薄れ、高PERのハイテク株買いにつながりました。また、朝方米財務省から明らかにされた四半期の国債発行計画では、
発行額は市場予想より少なく、国債増発にともない債券需給が緩むとの警戒感(金利上昇要因)が和らいだことも、長期金利の低下を促し、株式市場の上昇をサポートしていたと思われます。
2日
7-9月期の米労働生産性指数(速報値)で企業の賃金負担を示す単位労働コストは前期比率で年率0.8%低下し、3四半期ぶりの低下。市場予想の0.7%上昇に反し、マイナスとなり賃金上昇圧力が和らいだと受け止められました。
同日に発表された週間の新規失業保険申請件数は21万7000件と市場予想(21.4万件)より多い数字となり、労働需給の逼迫が和らいでインフレが落ち着いてきているポジティブ要素と捉え、株式市場にはプラスに働く形となりました。
12月の利上げを見送るとの見方が出始めていました。前日の財務省発表の国債発行計画の増加規模が市場予想を下回たことも影響し長期金利は4.6%台前半まで低下。ナスダック総合指数は、5日続伸。テスラとエヌビディアの株価上昇が目をひきました。
アップルの決算(AAPL)
世界一の株式時価総額(2.77兆ドル、約415兆円 11/2)を誇るアップルの注目の7-9月決算(2023/Q4)は、
- 売上高895億ドル(市場予想 894億ドル)
- EPS1.46ドル(予想 1.39ドル)
アップルの決算では四半期連続の減収、中国での売上減速で、12月の売り上げも昨年と同水準にとどまり冴えない見通しだと指摘する一部アナリストがいました。
3日
米国株式市場は続伸。結局、NYダウとS&P500は5日、ナスダックは6日連続の上昇で週末を終えています。10月の雇用統計や消費関連指標が予想を下回ったため、今度はFRBによる利上げ終了期待が強まり、
さらには来年の利下げ確率も上昇し?長期金利が一段と低下すると、株式市場では買いがさらに広がり終盤にかけ、上昇幅を拡大していました。
10月の雇用統計
- 非農業部門雇用者数(前月比)+15万人(予想+19万人)
- 失業率3.9%(予想 3.8%)
- 平均時給(前月比)+0.2%(予想 0.3%)
これまでのFOMCは・・
FOMC開催日 | 幅 | 政策金利(*FFレートの目標誘導レンジ) |
2020.4~2022.1月 | 変更なし | 0.00~0.25% |
2022.3月【ゼロ金利政策解除】 1 | +0.25% | 0.25~0.50% |
5月 2 | +0.50% | 0.75~1.00% |
6月 3 | +0.75% | 1.50~1.75% |
7月 4 | +0.75% | 2.25~2.50% |
9月 5 | +0.75% | 3.00~3.25% |
11月 6 | +0.75% | 3.75~4.00% |
12月 7 | +0.5% | 4.25~4.50% |
2023.1月 8 | +0.25% | 4.50~4.75% |
3月 9 | +0.25% | 4.75~5.00% |
5月 10 | +0.25% | 5.00~5.25% |
6月 | 据え置き | 5.00-5.25% |
7月 | +0.25% | 5.25-5.50% |
9月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
10月/11月 | 据え置き | 5.25-5.50%←現在の水準 |
*年内はあと1回、12月12日(火)、13日(水)にFOMCが予定されています。
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