米国株式市場は、今月19日、20日に開かれるFOMCまでは様子見材料を探す一方で、中長期的には中国習近平政権の政治・経済運営に振り回されそうな流れです。
- 主要株価指数はいずれも先週末比下落
- 米国経済に重しとなる、金利上昇と原油高
- 中国経済の注目点は、生産地から消費地としての中国へ?
FOMCまで様子見
今週は、4日間。先週末からは下落。
指標 | 9/8 | 9/1 | 騰落率 |
NYダウ | 34,576.59 | 34,837.71 | ▼0.75% |
S&P500 | 4,457.49 | 4,515.77 | ▼1.29% |
ナスダック | 13,761.53 | 14,031.81 | ▼1.93% |
ドル/円 | 147.82 | 146.22 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.27 | 4.18 |
金利は上昇傾向、そして原油高
インフレ(物価の上昇)を抑制するための、利上げ打ち止めタイミングがイメージできない米国ですが、大きな下落を経験することもなく、ここまでは、米国株式市場がしっかりとしていると評価する市場関係者がいます。が、ここへきての、くすぶる金利上昇とじわじわと進む原油高が株式市場の重しとなるかもしれません。
10年国債の利回りは上値をうかがう?
サウジアラビアとロシアが原油の生産・輸出の削減延長
米国vs中国
所得格差の是正をするために「共同富裕」を掲げ、中間層の育成を目指した中国習近平政権でしたが、消費主導経済への移行、経済発展の質の向上にはつながっていないことが、一連の不動産企業の債務危機等で明らかにされています。
一方で、中国へ進出していた企業の中国離れも進み、生産拠点を東南アジアや自国に移す動きが広がり、バイデン政権による中国ハイテク分野への投資制限をはじめ、米国による対中制裁がかなり効いている様子が伺えます。
中国側が米国からの輸入品に追加課税を課すなどの対抗措置をとるようになって以降、今週には新たに、中央政府機関職員に対し「iPhone」など海外ブランド携帯端末の勤務中使用を中国が禁止したとの報道がありました。
この報道を受け、アップルの株価は先週末189.70ドルから、9/6-7日の二日間で、177.56ドルへと▼6.4%下落。4-6月の決算では、アップルの中国での売上は、中国本土を含む、大中華圏で全体の20%近くを占める地域に成長していますので、今後のアップルの対応に注目が集まります。生産拠点を中国以外に移す企業が増えるなか、消費地としての中国の存在がクローズアップされるきっかけになると思われます。
中国での売上は全体の約20%
*米州とは、南北アメリカ大陸のこと。この地域の米国、カナダ、メキシコ、ブラジルなど。大中華圏には、中国本土、香港、台湾が含まれます。グラフのカーソルを合わせると、各地域の売上金額(全体でおよそ818億ドル)がわかります。(単位百万ドル)
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