利上げの長期化回避?
今週のポイント
- ジャクソンホール経済会議でのパウエル議長発言、注目イベントを無事通過したことから買い安心感
- 追加利上げの可能性が低いと見る市場関係者が増えている?
- インフレ、経済指標では強弱感対立。金融引き締め長期化の有無については、引き続き不透明。
ジャクソンホールでのパウエル議長の講演は、これまでのスタンスどおり、インフレの状況(物価の落ち着き)等を確認しながらの金融政策の対応と確認。さらには追加利上げの可能性が低いと見る楽観的な見方も出て、買い安心感が広がりました。
重要経済指標等も無難にこなし、1週間で見た場合、先週末に比べ株高、10年国債の利回りも落ち着き、週末を迎えています。9/4は米国では、Labor Dayのため休場となります。
主要指標の動き
指標 | 9月1日 | 8月25日 | 騰落率 |
NYダウ | 34,837.71 | 34,346.90 | +1.4% |
S&P500 | 4,515.77 | 4,405.71 | +2.5% |
ナスダック | 14,031.81 | 13,590.65 | +3.2% |
ドル/円 | 146.22 | 146.42 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.18 | 4.23 |
重要経済指標は?
- 7月の個人消費支出(PCE) は、前年同月比+3.3%上昇(6月は+3%)。コアPCEデフレーターは、同4.2%と市場予想と一致。前月比ベースで0.2%上昇
- 8月の雇用統計は非農業部門の雇用者数+18.7万人増(予想+17万人増)、失業率3.8%(前月3.5%)
- 8月のISM(製造業景況感指数)は47.6(市場予想46.9)、7月から改善。
①からは、前月比ベースでの伸びが収束していることから、また②では、失業率が上がり(市場予想は3.6%)同時に6月、7月の雇用者数が11万人に下方修正され、労働需給が思っていたより? 逼迫していない。そして労働参加率が改善され、新型コロナウィルス
によるパンデミック(世界的大流行)から、労働者が復帰し増えきて、賃金上昇力が和らいできている。以上①と②から、インフレ抑制の効果が確認され、利上げの長期化の観測が後退して、買い安心感が広がり、今週株式市場は
堅調に推移していたと言えます。ただ、③の週末に発表された、ISMが改善されたことや②の雇用者増から「インフレ圧力のしつこさ」を指摘する市場関係者もいて、利上げの継続、停止、の材料を探すマーケットの状況が続きます。
株価上昇率は、グッド!?
「昨年に比べ、急激な金利上昇はなく、金利水準も米国経済にそれほど悪い影響を与えていない」。2023年9月、ここまでの米国経済、景気の動きを振り返ると、米国の中央銀行にあたるFRBの舵取りは、今回も巧みだったと個人的には見ています。それは株価の回復、上昇からも明らかです。
- NYダウ+4.8%
- S&P500 +17.4%
- ナスダック+34.1%
*米国株価主要3指数の2023年に入ってからの上昇率は(8/31まで)
今回は、 機関投資家がベンチマークであり、近年個人の注目も非常に高い、S&P500の2023年に入ってからのチャートをチェックして見ました。(月末の終値。各月のチャートにカーソルを合わせる価格がわかります。)↓
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