「検索」「アンドロイド」「YouTube」。グーグルと言えば思い浮かぶけど、結局、何でグーグルは利益を上げているの?
今回は上記の心の声のように、誰しもが疑問に持つグーグルの正体を四半期決算をまじえチェックしてみましょう。
この記事を読むとグーグルの歴史と儲けの仕組みがわかり、GAFAMの一員として、時代をリードしてきたグーグルと言えども、次にくる未来の形を模索していることに気づくと思います。
検索エンジン『Google』で創業
出会いは、スタンフォード大学
- 1998年-ライリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏により、創業。多くの言語による情報(文字、画像、動画、地図、ニュースなど)を検索することができるサイト『Google』を立ち上げる。
- 2004年8月-ナスダック上場
- 2011年11月-Google Cloud Platformが一般リリース。(2008年 Google App Engineがはじまり)
- 2015年8月- 持株会社『アルファベット』設立。ライリー・ペイジ氏が最高経営責任者(CEO)、セルゲイ・ブリン氏が社長に就任。
- 2019年-ライリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン退任(両氏とも46歳)。GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏がCEOへ
グーグルの誕生は、『検索』からもたらされる膨大なデータから、もっとも効果のある購買層に即時に広告を提案できることを可能としました。
アルファベット(Alphabet Inc.)とは?
持株会社にした目的は、?
「新たな組織構造により、グーグルが内包する途方もない機会に焦点を合わせ続けられる」
とラリー・ペイジはこの時述べています。アルファベットグループ内で主力Google部門の検索・広告事業等と無人運転カーなどのベンチャー事業に分けることで、
より創造的かつ野心的なブロジェクトへの重点的取り組む強い意志を見せたと言われています。
- グーグルサービス-YouTubeを含むグーグルの広告事業と検索、そしてその他としてハードのPixel、サブスクのYouTube Music Prem、YouTubeTV が含まれます。
- グーグルクラウド-ライバルはアマゾンのAWS、マイクロソフトのアジュール。この2社のサービスに グーグルクラウド加えたのがクラウド大手と呼ばれ、成長著しい分野です。
- その他のベット-生命科学事業やドライバーレス(無人運転)カーなど将来の未知の事業を模索する、ベンチャーが名を連ねています。
Other Betsは今のところほぼ売上があがっていませんが、Betの本来の意味の賭け事とか、賭け金の意味をそのまま当てはめるとグーグルにとってまさに賭けであり、ここから次の未来が出てくるかもしれません。
*下記の円グラフでは、🟦がグーグルサービス、🟥の部分がクラウド、そして🟧がOther Bets
Other Betsでは、こんなことが・・・
- 『GV(旧Google Ventures)』-スタートアップの投資ファンド。ベンチャーキャピタル部門
- 『CapitalG』-世界中の成長期の中小企業に投資するエクィティファンド
- 『Calico』California ・Life・Company→キャリコ-アンチエイジングを研究しているバイオテクノロジー企業
- 『Nest Labs』-家庭向けIoT部門、「グーグル ホーム」などの製品開発を担当
- 『Verily』-ライフサイエンスの研究を専門とするAlphabetの研究組織。生命化学事業部門
- 『X』-コンピュータサイエンスの研究開発を専門とする部門
- 『Waymo』-「X」の自動運転車事業を独立子会社として、スピンアウト
- 『Sidewalk Labs』-スマートシティの創造(都市生活の改善)を目指すイノベーション企業
- 『Google Fiber』-高速ブロードバンドサービスとテレビをネットにつなぐ、IPTVを提供する企業
4-6月期決算(Q2/2023)から
企業広告支出の回復
企業の広告支出ですがインフレへの対応もあるのでしょうか、4-6月期は、特に小売関連の広告が増えたとアルファベットはしています。
- 売上の78%を占める、広告事業は2四半期ぶりに減収から増収へ。YouTube広告も回復。
- サブスクリプションのYouTube Music Prem、YouTubeTV 等の加入者増、Pixel7も販売好調。
- クラウド部門も好調継続
決算概要
2023/4-6月(Q2) | 2022/4-6月(Q2) | 前年同期比 | |
売上高 | 74,604 | 69,685 | +7% |
営業利益 | 21,838 | 19,453 | +12.3% |
当期利益 | 18,368 | 16,002 | +14.8% |
EPS | 1.44 | 1.21 | +19% |
広告収入が全体の78%
こちらの、円グラフでは🟦🟥🟧の部分が、アルファベット内のグーグルにおける広告収入になります。金額ベースで581億ドル。
*グラフにカーソルを合わせると、売上がわかります。単位は百万ドル。
議決権のあるクラスA
アルファベットの株を探すときの注意点は?
アルファベットの設立にともない、上場企業はそれまでのグーグルからアルファベットに変更され、グーグルの全株式が自動的にアルファベット株に移管されました。ただし、アルファベットを特定する、日本で言う銘柄コードのティッカーシンボルは、米国でも珍しく、2つになっています。
- GOOGLとGOOGという2つで上場。
- 違いは議決権のある、なし。
- 議決権がある方が、GOOGLでクラスA、ないほうがGOOGのクラスC
- さらにクラスBという、非上場の創業者のみが保有する議決権10倍の株式がある
何だか、面倒くさそうだけど、なぜアルファベットはそんなことをしたの?
上場の本来の目的である、投資家から広く資金を集める一方で、創業者によるグーグルの経営方針や企業文化を守り抜くためと考えられます。時価総額で1兆5,400億ドル(約223兆円8/14現在)もある、超巨大企業の議決権を得るのは
現実的ではないので買収を考えるものはほとんどいないと思いますが、ライリー・ペイジ、セルゲイ・ブリンなどの庇護もと、トップは安心して新規事業等に取り組むことができる体制を維持できることにつながります。
結局、クラスAとクラスCどちらの株を買うのがいいの?
両者の株価はほぼ同じ株価になるように動きます。
- 株価は8/14の終値で、クラスA(GOOGL)が、131.33ドル、クラスC(GOOG)が131.83ドル
- 時価総額ベースは、 同Aが7,800億ドル、Cが7,650億ドル
- 日々の株式売買では、クラスAの出来高のほうが多いようです。
個人株主にとって影響力のある議決権を行使する機会はないことを考えると、どちらでもでいいような感じはしますが証券会社から出されるアナリストリポートにも『アルファベット クラスA』としてGOOGLが表記されていますので特にこだわりがないのなら、クラスAで良いと思います。
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