Q4では、売上高はひとけた成長にとどまり、ほぼ市場予想通り(若干未達)。
まとめ
- 主力のEコマース関連事業は、特需の前年同期比から伸び悩み
- 輸送費の高騰や賃金上昇も足かせに
- アマゾンプライム、FBA(配送サービス)の値上で補う
- クラウドコンピューティングのAWSは成長を加速
- 株価は年初来下落傾向
2021年10-12月(Q4)決算概要
利益の上振れは・・・
2021/10-12月期(Q4) | 2020/10-12月期(Q4) | 前年同期比 | |
売上高 | 137,412 | 125,555 | +9.4% |
営業利益 | 3,460 | 6,873 | -49.7% |
当期利益 | 14,323 | 7,222 | +98% |
EPS | 27.75 | 14.09 | +97% |
- 売上高は、1,374億ドル(市場予想は1,378億ドル)
- 営業利益は34億ドル
- *当期利益は14億ドル
- *EPSは27.75ドル
*当期利益やEPSが大幅に増えているのは、11月に新規公開(IPO)を完了したリビアン・オートモーティブ社への普通株式投資による評価益118億ドルが営業外収益に含まれています。
売上高のうち・・・
全体の売上高1,374億ドルのうち、AWSは、前年同期比40%増の178億ドルと好調継続。
オンラインストア | 66,075 |
サードパーティセラー | 30,320 |
AWS | 17,780 |
広告事業 | 9,716 |
サブスクリプション | 8,123 |
実店舗 | 4,688 |
その他 | 710 |
Total net sales | 137,412 |
コスト増を値上げで補う
政府給付金プラス、巣ごもりで大きく需要の延ばした前年に比べると、やはりEコマース事業(オンラインストアやサードパーティセラー)にその反動が出てくるのは仕方がないと思います。また、輸送費の高騰、賃金の上昇等でEコマース関連事業にコスト増を強いられたのもQ4でしたが、アマゾンは米国でFBA(Fulfillment By Amazon=配送代行サービス)を1月に、プライム会費を2月にそれぞれ値上げを行い、コスト増を補う対策を見せています。
孝行息子のAWS
サプライズとはならなかった、Eコマース関連事業に対して、クラウドコンピューティングのAWS部門は、前年同期比売上高+40%、営業利益+49%の増加で絶好調を維持しています。
復習、AWSとは
AWS(Amazon Web Service=アマゾン・ウェブ・サービス)は、世界で最も包括的で広く採用されているクラウドプラットフォームです。世界中のデータセンターから200以上のフル機能のサービスを提供。急成長しているスタートアップ、大企業、主要な政府機関など何百万もの顧客がAWSを使用してコストを削減し、俊敏性を高め、イノベーションを加速させています。
トップのコメントは・・・
『・・・お客様にサービスを提供するためにチームがどれだけ努力したか、私は感謝し、誇りに思っています。年末年始の予想通り、労働力の供給不足とインフレ圧力によるコストの上昇が見られ、これらの問題はオミクロンの影響で第1四半期に入っても続いています。このような短期的な課題にもかかわらず、私たちはパンデミックからの脱却に向けて、引き続き楽観的にビジネスを進めています。より多くのお客様に迅速なサービスを提供するためのフルフィルメントネットワークの拡充、AWSの驚異的な成長、「The Lord of the Rings」や「Thursday Night Football」などの著名な新エンターテイメントの追加など、様々な取り組みを行っています。また、Alexa、Ring、Grocery、Pharmacy、Amazon Care、Kuiper、Zooxなどの分野で構築している多くの新機能など、今後数カ月、数年にわたって楽しみなことがたくさんあります』
-アマゾンCEO、アンディ・ジャシー
–DeepLで翻訳しました。⇧2022.2.3 アマゾン2021.10-12月期決算より
※フルフィルメント((Fulfillment)とは、遂行、実行、実現などを意味しますが、今では通信販売事業やEC(電子商取引)事業において、受注後の商品仕分けや梱包、発送、代金請求までの一連の業務を総称する言葉として使われています。
株価、株式時価総額、通期決算
- 株価=3022.84ドル(3/1終値)
- 年初来株価下落率▼9.34%(同期間のS&P500は、▼9.65%)
- 時価総額は、およそ1兆5,382億ドル、約177兆円(3/1現在)
- 前年2021年12月期通期の売上高は、4,698億ドル、営業利益は249億ドル
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