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Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来-本の紹介

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この本も、2017年と少し前に出た本ですが、テクノロジーの変化や今後の展開、予測をたすけてくれると思います。マイクロソフトの現CEOの考えを引用しながら、ざっくりと紹介します。それにしても、この分野は、カタカナが多すぎます。英語でそのまま表記してくれた方が、楽な時が多いです。😅

目次

クラウド革命

「クラウド」という言葉が一般的になっていますが、マイクロソフトの復活もこの、「クラウド」がキーワードになっていました。『ウィンドウズ』でPC(パソコン)全盛期に市場を席巻したマイクロソフトでしたが、スマートフォン時代への適応に失敗。一時は、過去の企業になる可能性がありました・・・

マイクロソフトの苦悩

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来 ーサティア・ナデラ著,グレッグ・ショー/ジル・トレイシー・ニコルズ著 ビル・ゲイツ(序文)/山田 美明/江戸 伸禎(訳)日経BP社 より

・・・1990年代になると、フロッピーディスクでなくネットワークを通じてデータを共有したいと考える何百万ものユーザーのニーズに応えるため、クライアント/サーバー時代が到来した。しかし、データは増加の一途をたどり、そのうえアマゾンやオフィス365、グーグル、フェイスブックといった企業やサービスが登場したことで、サーバーの保守コストの増加ペースが、サーバーの能力が向上するペースを上回ってしまった。そこへクラウドサービスが出現することで、コンピューター活用の経済性ががらりと変わった。クラウド・サービスは標準化されており、コンピューター資源を1カ所に集め、かつて手作業で行っていた保守作業を自動化している。さらに、ユーザー自身の手で柔軟に規模の拡大・縮小ができ、使った分だけ支払えばいい。クラウドのプロバイダーは世界中に巨大なデータセンターを設立し、それを低コストでユーザーに貸し出した。これがクラウド革命である。

アマゾンはいち早く、AWSでクラウドをビジネス化した。彼らは早い段階から、書籍や映画などの小売製品を販売するために自社で使用しているクラウド・インフラが、他社の業務にも役立つことを理解していた。そして、各社が自前でクラウドを構築するよりもはるかに安い価格で、そのインフラを少しずつ他社に貸し出せばいいことに気づいていた。2008年6月時点で、アマゾンには、クラウド・プラットフォーム向けにアプリケーションやサービスを構築するデベロッパーが18万人いた。一方マイクロソフトには商業的に利用できるクラウド・プラットフォームがまだ存在していなっかた。こうした状況がすべてが、マイクロソフトを苦しめた。2008年大不況の前からすでに、株価は下降を始めていた。さらにその年には、かねての計画通り、ビル・ゲイツがビル&メリンダ・ゲイツ財団の仕事に専念するためマイクロソフトを去った。・・・・

-Chapter2 率いる方法を学ぶ

ビル・ゲイツの後CEO(最高経営責任者)を引き継いだ、スティーブ・バルマー(NBAロサンゼルスクリッパーズのオーナー。いつもコートサイドで派手な応援をしているお方です。)でしたが、スマホ、モバイルOS、クラウド等の分野で、グーグル、アップル、アマゾンに遅れをとり、マイクロソフトの成長神話は陰りを見せ始めていました。

クラウドファースト

サティア・ナデラが、スティーブ・バルマーの後を継いでCEOになったのが、2014年。彼は、モバイルファースト、クラウドファーストを掲げ、マイクロソフトを復活に導きます。

イノベーションを加速するため、私たちは我が社の魂、わが社独自の核を再発見する必要がある。マイクロソフトだけが世界に貢献できる点、もう一度マイクロソフトが世界を変える方法を誰もが理解し、実践しなければならない。私たちの目の前には、かつてないほど大胆で冒険的な仕事がある。マイクロソフトは、モバイルファースト、クラウドファーストの世界で生産性を追求するプラットフォーム企業になる。再び生産性を向上させ、世界中のあらゆる人、あらゆる組織にこれまでの以上に多くのことを実行・達成する力を与える

-Chapter3新たなミッション、新たな機運

ビジネスモデルの大転換

サブスクリプション型のビジネスモデルへ

ナデラCEOは、それまでソフトウェアの売り切りで利益をあげていたマイクロソフトのビジネスモデルを大きく転換させます。具体的には、売り切り型のパッケージ版ソフト「オフィス」をサブスク型の「オフィス365」へと移行し、企業むけに提

供してきたITシステムをクラウドサービスの「アジュール(Azure)」へ置き換えます。それまでのウインドウズ中心の収益構造からの脱却し、マルチデバイス時代への対応を図ります。

従来の売り切り型だと、アップルがiPhoneの新型の売れ行きに業績を左右されると同様なリスクがありました。しかし、それがサブスクリプション型だと定期的に安定的したキャッシュが手元に入ってくるというメリットに変わります。さらに時代の、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)に代表されるように、ソフトウエアの世界でも「(自前で持つ)所有」から「(他のものを)利用する」へのシフトの流れが、マイクロソフトの復活を後押ししました。

一方でナデラCEOは、就任後数週間には人気オンラインゲームのマインクラフトを皮切りに、2016年にはビジネス向けSNS大手のLinkdinなど、積極的な買収攻勢を仕掛けまた、ライバル企業との提携を進め、マイクロソフトを世界で生産性を追求するプラットフォーム企業に押し上げます。

その後の成功は、現在のマイクロソフトが時価総額で、アップルやアマゾンと競い合うまでに復活して来ていることからも明らかです。2021.6/21の終値ベースの株式時価総額は

  • アップル-2.21兆ドル(AAPL)
  • マイクロソフト-1.98兆ドル(MSFT)
  • アマゾン- 1.74兆ドル(AMZN ) 

クラウドの先へ

その豊富な人材と、キャッシュを使い、マイクロソフトは、次のステップに進もうとしています。それは、アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックのグローバルなテクノロジー企業も同じです。クラウドといえども、まだ小さな変化に過ぎないかもしれません。

複合現実、人工知能、量子コンピュータ

わが社はパソコンやサーバーの先を見据え、クラウドで成功を推進してきた。だが、クラウドの先を見据えることもまた必要だ。テクノロジーの動向を予測するのは危険を伴う。一般的に私たちは、短期的に達成できることを過大に評価し、長期的に達成できることを過少に評価する傾向がある。それでもマイクロソフトでは、数年後にテクノロジー産業やそのほかの産業を変えると思われる三つの主要なテクノロジーをリードしようと、積極的な投資を行っている。そのテクノロジーとは、複合現実(MR)、人工知能、量子コンピュータである。これらのテクノロジーは間違いなく、経済や社会に大変動をもたらすだろう・・・

-Chapter6 クラウドの先
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