『第3四半期(Q3)は多くの点で記録的な四半期となりました。純利益、営業利益、売上総利益ともに過去最高を達成しました。』と会社側のコメントが示す通り、”多くの意味で記録的だった”、アメリカの高級電気自動車(EV=Electric Vehicle)メーカ「Tesla」テスラの四半期決算です。
2021年7-9月期(Q3)
逆風続くも、大健闘
2021/7-9月期(Q3) | 2020/7-9月期(Q3) | 前年同期比 | |
売上高(Total revenues) | 13,757 | 8,771 | +57% |
営業利益(Income from operations) | 2,004 | 809 | 2.5倍 |
当期利益(Net income) | 1,618 | 331 | 4.9倍 |
調整後EPS | 1.86 | 0.76 | 2.4倍 |
構造的な変化を続ける、EV需要
・・低価格車へのミックスシフトが続いたことにより、第3四半期の販売台数が前年同期比で6%減少したにもかかわらず、このような収益性を達成したことは、非常に素晴らしいことです。営業利益率が過去最高となったのは、ASPの低下を上回るペースでコストを削減し続けているためです。
※ASP=average selling price(平均販売価格)
EVの需要は構造的な変化を続けています。当社は、販売台数が増えれば増えるほど、テスラのオーナーがEVのメリットを広めることができると考えています。Fremont工場の生産台数は過去1年間で最多となりましたが、引き続き改善の余地があると考えています。さらに、ギガファクトリー上海の立ち上げを継続し、
テキサス州とベルリンで新たな生産能力を構築しています。半導体の供給不足、港湾の混雑、計画停電など、さまざまな課題が、工場をフル稼働させる能力に影響を与えています。当社のサプライチェーン、エンジニアリング、生産の各チームは、自動車業界では他に類を見ない創意工夫、俊敏性、柔軟性をもって、これらのグローバルな課題に対処してきたと考えています。私たちのミッションの推進にご協力いただいている皆様に感謝申し上げます。
-いずれも、TeslaIRより
販売車両の大半を占めるのは、比較的車両単位の小さいModel 3,Model Yのため、高単価モデルのModel S,Model Xの割合が低下したことでASPが下がっているにもかかわらず、それ以上にコストの削減
が効いて収益性が改善している点に注目が集まります。そして、より多くのTeslaの車を公道で見かける機会が増えるにしたがい、車のオーナー達が電気自動車の魅力を語りやすい環境になるとテスラはみているようです。
株価、時価総額、年初来の上昇率
トヨタを凌駕(りょうが)するテスラ
- 株価909.68ドル(2021/10.22)←705.67(2020/12.31) ⇦年初来の上昇率+29%
- 株式時価総額 9,113億ドル 10/22時点(=おおよそ100兆円)
- Tesla, Inc. →ティッカーシンボル TSLA
欧州が先行する「脱炭素」ですが、その取り組みは世界中で本格化しています。電気自動車がその中心に位置することは、もはや誰も否定できないと思います。テスラの快進撃はこれからも続きます。
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