EVでは、先頭を走るテスラですが、積極的な値下げ攻勢により、他社の追い上げを振るい落とそうとしているようです。今年に入ってからテスラはすでに、モデル3/Yクラスの販売価格を米国内で6回の値下げ。ツィッター買収の時と同様、株主にはハラハラドキドキの展開ですね。一方エネルギー生成・貯蔵事業に明るい兆しも・・・
納車台数が増加も・・
決算のポイント
2023/1-3月期(Q1) | 2022/1-3月期(Q1) | 前年同期比 | |
売上高 | 23,329 | 18,756 | +24% |
営業利益 | 2,664 | 3,603 | ▼26% |
当期利益 | 2,513 | 3,318 | ▼24% |
調整後EPS | 0.85 | 1.07 | ▼21% |
- 売上高は、233億ドルで前年同期比+24%増も市場予想には僅かに届かず
- 自動車販売は199億ドルで、同+20%増。生産台数は、新工場(テキサスとベルリン)生産軌道に乗る
- 値下げによる需要増での大衆向けModel3/Yが納車台数は41.2万台へ、米国と欧州での販売が好調。
- 値下げによる単価低下、コスト(原材料・物流費用等)上昇が響く。
- エネルギー関連(生成・貯蔵)事業は同2.5倍(6.1億ドル→15.3億ドルへ)
- 次世代車両プラットフォームであるCybertruck(サイバートラック)は、はやければ7-9月期末までに納車開始を見込む
生産、納車順調も
やはり、EV販売の値下げに伴う平均価格の低下がキツかったと思われます。それでも、新工場が順調に稼働し、生産台数が増加。納車台数も欧米を中心に好調を維持。テスラは今後数年の納車台数は年率50%ずつ増加するという見通しを再確認しています。また2023年、1年を通しての納車計画は、約180万台としています。
※ハイグレードクラスのモデルSとモデルXの値上げを発表しています。(4/21)
※グラフにカーソルを合わせると、台数がわかります。
※カーソルをあわせると金額がわかります。単位は、百万ドル。
「ギガファクトリー」「メガファクトリー」と呼ばれる製造工場をテスラはアメリカ、中国、ドイツにを持っています。この工場の多くは自動化されていて、効率的に自動車やバッテリーを製造することを可能にしています。また、自動化することによって、製造コストを下げることにも成功しています。他の多くの自動車メーカーがEV製造のコスト削減に課題を抱えている中、テスラがEVを中心とする世界でリーダーであり続けることは、当然の結果と言えます。
電気自動車の応用は拡大中
一方、エネルギー、サービス関連が大幅の増収でした。
エネルギー貯蔵については、テスラ大型蓄電システム『メガパック』は海外でも導入する国が増えてきており、メガファクトリーのように蓄電が効率化、大型化することで、今後成長が期待できる事業に育ちはじめています。
サービス関連としては、中古車販売が好調であり、また事業規模としてはまだまだ小さいですが、充電ネットワーク『スーパーチャージャー』をテスラ以外にも開放することで将来への布石としています。
※単位は、百万ドル。
株価は調整局面?
株価は決算(4/19)発表後に下落。値下げが出来る収益構造になりつつあることを考慮し、販売台数が伸びることまた、エネルギー関連の業績拡大で、長期的には業績の回復とともに株価にも期待が持てると思います。
※チャートにカーソルをあてると、株価がわかります。株価は各月末の終値。2023年4月は21日。
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