株式を敬遠する人はかなりいる。
『株式投資の未来』〜ジェレミー・シーゲル〜より↓
『 株式リターンが、債券を上回るのはなぜか?ものすごく突き
詰めていうと、こうなる。株式市場のリターンは、投資家がどこ
まで債券の短期的な安全性を捨て、株式のリスクを引き受けよう
とするかで決まる。こうしたリスクを、ただで引き受けるものは
いない。リスクを引き受けるなら、見返りがなければならない。
諺にいうとおり、今日手に捕まえた一羽を逃すのは、明日藪で二
羽捕まえるためだ。国債などの安全な投資先に対する株式のリター
ンの上乗せを、株式の「リスク・プレミアム」という。*過去200
年間、株式のリスク・プレミアムは平均3%だった。』
※米国市場のことです。
『・・インフレ率が上昇すると、債券の実質リターンは、株式よ
りはるかに大きく打撃を受ける。債券が支払いを約束するのは一
定の金額であってモノや購買力ではない。・・・
一方、株式は、実質的な資産の所有権だ。実質的な資産とは、
たとえば、不動産や機械や工場やあるいは発明であって、こうし
た資産の価格は、時間の経過につれてインフレ率を連動して上昇す
る。リターンの安定ぶりをみるかぎり、期間を長期的にとれば、
株式はインフレの影響を完全に吸収するともていい。債券は、そ
の性格上それができない。』
・・株式は他の資産に比べて、リターンが高い上に、長期的には
リスクが低く、長期的に投資するなら株式を中心とするのが正解
だ。債券を選好するのは、株式市場の短期的な変動性を避けたい
場合であり、当然ながら、リターンは大幅に低くなる。ただし、
債券は、インフレリスクのヘッジとはならない。
そして現代の貨幣経済にあっては、長期的な物価の先行きはだれに
も予想できず、インフレリスクは避けて通れない。 』
この本が出されてから、すでに10数年以上がすぎていますが、
米国株式市場のその後の動きをみると(リーマン・ショックという
大きな金融危機があったにもかかわらず)、株式のもたらすリター
ンが、いかに米国経済の成長をサポートしてきたかが、わかります。
日本は、米国に比べると、まだまだ、株式リターンによる恩恵を実
感できる状況にはないと思います。それでも、我々日本人が、東京
マーケットで、長期的な成功体験を、株式リターンによって得られ
る環境に近づきつつあると言うことができると思います。
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