S&Pグローバルは、データと分析の提供を通じて、世界中の企業や政府がより良い意思決定をできるようサポートしています。S&Pグローバルのサービスは、投資評価からESGのガイドライン提供まで多岐にわたり、世界の進歩を加速させる重要な役割を果たしています。
どんな会社?
金融情報大手
- 設立:1925年
- 上場:1929年
- ビジネス概要:金融情報サービス
- セクター:金融(Financials)
- ティッカー・シンボル:SPGI
- 年間の売上高:125億ドル(会計年度2023年12月通期)
- 株式時価総額:1,364億ドル(6/18時点)
- ライバル企業:ムーディーズ
- 日本での同業種:日本格付け研究所
- 従業員:39,950人(2023年12月末)
S&Pグローバル(NYSE: SPGI)は、世界中の政府、企業、個人に対して重要なインテリジェンスを提供する企業。適切なデータ、専門知識、コネクテッド・テクノロジーを通じて、確信を持って意思決定を行えるよう支援することを使命としています。以下はS&Pグローバルの主要な役割と提供するサービスです。
主要な役割とサービス
- データと分析の提供:
S&Pグローバルは、金融市場や経済データの分析を行い、投資家や企業が新規投資の評価を行う際に必要な情報を提供することで投資判断の精度を高めることをサポート。 - ESGとエネルギー転換のガイド:
環境、社会、ガバナンス(ESG)に関するデータや分析を提供し、企業が持続可能なビジネスモデルを構築し、エネルギー転換に関するガイドラインを提供、企業が環境に配慮した経営を行うためを支援をおこなっています。 - 信用格付とベンチマーク:
S&Pグローバルは、企業や政府の信用格付を行い、投資家がリスクを評価するための基準を設定。また、ベンチマークを設け、投資パフォーマンスの評価基準を提供しています。 - ワークフロー・ソリューション:
企業の業務効率を向上させるためのワークフロー・ソリューションを提供、データの管理や分析を効率的に行えるよう支援しています。
世界の市場における影響
S&Pグローバルは、資本市場、商品市場、自動車市場など、さまざまな市場において重要な役割を果たしています。彼らの提供する信用格付やベンチマーク、分析ツールは、多くの世界有数の組織から広く求められており、企業や政府が今日の課題に対応し、将来の計画を立てるための重要な情報源となっています。
格付け業務が牽引する成長と多角化戦略
レーティングとインデックスが牽引
1-3月/Q1,2024年 四半期決算より
- 売上高:34億9,100万ドル
- 営業利益:13億8,500万ドル
- 当期利益:9億9100万ドル
- 調整後EPS:4.01ドル
(報告)営業利益率は、主に格付けおよびインデックス部門の増収と合併関連費用の減少により、350ベーシス・ポイント上昇し39.7%。調整後営業利益率は、主に格付けおよびインデックス部門の増収により、360ベーシス・ポイント増の49.8%。
部門別売上高の詳細と概要
- レーティング(格付け業務): 売上高-10億6,200万ドル(前年同期比+29%)
全体の成長を大きく牽引。発行体による債券発行ニーズが強い。 - インデックス: 売上高-3億8,700万ドル(同+14%)
NYダウやS&P500などの指数を算出する部門。 - マーケット・インテリジェンス: 売上高-11億4,200万ドル(同+7%)
企業の財務データやマーケットデータを提供。法人契約が好調。 - コモディティ・インサイト: 売上高-5億5,900万ドル(同+10%)
エネルギーおよび商品市場のデータおよび分析を提供。 - モビリティ:売上高-3億8,600万ドル(同+8% )
自動車関連のデータを提供。
*円グラフにカーソルを各部門の売上がわかります。単位百万ドル
トップのコメント
“S&P グローバルの第 1 四半期決算は、当社が世界中の顧客に価値を提供し、グローバル・フランチャイズ、 ワールドクラスのチーム、イノベーションへのコミットメントの強さを証明するものです。
-ダグラス・ピーターソン社長兼CEO
当社は、四半期ベースで過去最高の売上高と営業利益率の大幅な拡大を報告する一方、長期的な成長と生産性向上のための戦略的イニシアティブへの投資を継続しています。これには、*Kenshoによる人工知能、サステナビリティとエネルギー転換、プライベート・マーケットにおける強力なポジションが含まれます。
データ、アナリティクス、リサーチ、世界市場を動かすベンチマークにおける当社のリーダーシップは、今後も顧客と株主の皆様のお役に立てると確信しています。”
Kenshoとは
S&PグローバルのKenshoは、人工知能(AI)と機械学習を活用したデータ分析プラットフォームです。Kenshoは、金融市場や経済データの分析を支援するために設計されており、特に自然言語処理(NLP)技術を用いて大量のデータを迅速に解析し、洞察を提供します。
Kenshoの主な機能には以下が含まれます:
- データ解析と予測:金融市場の動向や経済指標の予測を行うために、膨大なデータセットを解析。
- 自然言語処理(NLP):ニュース記事やレポートなどのテキストデータを解析し、重要な情報を抽出。
- リアルタイム分析:リアルタイムで市場の動向を監視し、即時に分析結果を提供。
- カスタマイズ可能なレポート:ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズ可能なレポートを生成。
Kenshoは、金融機関や投資家が市場の動向をより深く理解し、より良い投資判断を下すための強力なツールとなっています。S&Pグローバルは、Kenshoを通じて提供される高度な分析機能を活用し、顧客に対して価値のある洞察を提供しています。
通期の計画を引き上げ
S&Pグローバルは、レーティングおよびインデックス部門の好調な成長を背景に2024年12月期の売上高計画を前年比6.0-8.0%増に引き上げ。また、調整後EPS計画も13.85-14.10ドルに改定しています。
自社株買いと連続増配
自社株買い
2024年第3四半期までに総額約13億ドルの追加自社株買いを実施する予定。
配当利回りの目安
S&P500グローバルは、51年間連続して増配を続けている優良企業です。
- 直近配当実績:0.91ドル
- 年間配当:0.91×4=3.64ドル
- 株価:435.85(6/18終値)
- *配当利回り-3.64ドル/435.85ドル×100=0.84%
*手数料、税金は考慮していません。また購入時の株価によって、配当利回りは変わってきます。
株価の動き
*株価は、各月末の終値です。6/18はその日の終値。チャートにカーソルを合わせると株価が確認できます。単位ドル
まとめ
信頼性の高い情報を速く正確に
S&Pグローバルは、金融情報サービス市場において常に先頭を走っており、その多岐にわたる事業ポートフォリオが持続的な成長を支えています。特に、レーティングおよびインデックス部門の強力なパフォーマンスが、今後の業績をさらに押し上げることが期待されます。
誰しもが、情報にアクセスできる時代においてはますます、スピードプラス、その情報の正確性とか信頼性が問われる環境にあると言えます。格付けの伝統と歴史を持つS&Pグローバルの存在は、情報の変化が激しい経済、金融、マーケットの分野において欠かせないものとなっています。
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