インフレ退治を優先する強い意志を見せているFRB(米連邦準備理事会)ですが、金利上昇と原油高も加わり、さらに難しい舵取りを、求められています。
目次
今週のマーケット
今週のポイント
今週のポイント
- 米国10年国債は、一時4.68%と2007年以来16年ぶりの高水準へ
- 原油もじり高、WTI原油先物1バレル=95ドル台へ
- 8月コアPCEデフレーターは前年比+3.9%と予想と一致。鈍化傾向も市場は利上げ長期化見通しを懸念
主要指標の動き
指標 | 9/29 | 9/22 | 騰落率 |
NYダウ | 33,507.50 | 33,963.84 | ▼1.34% |
S&P500 | 4,288.05 | 4,320.06 | ▼0.74% |
ナスダック | 13,219.32 | 13,211.81 | +0.06% |
ドル/円 | 149.36 | 148.38 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.58 | 4.44 |
週間トピックス
25日MON
- 値ごろ感から、米国株式市場は5営業ぶりに反発も、引き締め長期化への警戒は根強い
- 10年国債の利回りは一時4.5%台へ
- 金利と比べた米国株の割高感が意識
- アマゾンが人口知能(AI)開発の新興企業と業務提携を発表、株価上昇。
26日TUE
- ダウは388ドル安、6/6以来の安値、1日の下げ幅としては3/22の530ドル以来
- FOMCの投票権をもとミネアポリス総裁カシュカリ氏論文、総じて金融引き締めに積極的内容と受け止められる
- 米議会の予算協議が難航→10/1までに成立しなければ、政府機関の一部が閉鎖される可能性、格付け機関米国債の格下げも意識
- 9月の消費者信頼感指数は前月の改定値から5.7ポイント低下の103.0と市場予想を下回り、8月の新築住宅販売件数も市場予想に届かず→高金利のもとで米国景気が悪化しているとの見方
- アマゾンはFTC(連邦取引委員会)に反トラスト法(独占禁止法)に違反した疑いで提訴される。
27日WED
- 米長期金利が一段と上昇し、株式市場の重荷となり、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が根強い
- 8月の米国耐久財受注額は前月比で市場予想に反し増加、米国経済が底堅いとの見方
- 原油高一時、1バレル94.17ドル昨年8月末以来に高値も
- 金利上昇でドルが主要通貨に対して上昇→ドル高で米国企業の収益が目減りするとの観測も、株売り
- 金利の上昇を嫌気して売られていたハイテク株中心に買い直す動きが広がり、株式の相対的割高感が薄れた。
28日THU
- 米原油先物も反落し、金利上昇と原油高への過度の警戒が和ぐ
- 長期金利(米10年国債の利回り)4.68%と2007年以来の水準に上昇、午後は4.5%台後半で落ち着く
- WTI原油先物は、昨年の8月以来の水準27日の夜、95ドル台つけるも、91ドル台に下げる
- 主要株価指数は9月半ば以降下げが加速し、ダウは9月に入って約1170ドル下げていた
- ハイテク株や景気敏感株などに値ごろ感からの買いが入る。
*原油価格は月末の終値。9/28はこの日の高値。カーソルをあてると価格がわかります。1バレル=ドル
29日FRI
- 米8月個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が前月比+0.1%と前月や予想の+0.2%を下回る伸び。前年比では+3.9%と前月の+4.3%から伸びが鈍化し、予想と一致→2021年9月以来の低い伸びとなった
- 米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する指標の鈍化を受けて米10年債利回りは前日の4.597%から一時4.508%まで低下したものの、その後は利上げ長期化見通しなどが重しとなり、4.579%で終了。
9月月間と年初来では
- 9月月間ではダウ平均が▼3.50%、S&P500▼4.87%、ナスダック総合が▼5.81%、そろって大幅に2カ月続落
- 四半期ではダウ平均が▼2.62%、▼S&P500が3.65%、ともに4四半期ぶりに下落。ナスダック総合が▼4.12%と3四半期ぶりに下落
- 年初来ではダウ平均が+1.09%、S&P500が+11.68%、ナスダック総合が+26.30%となりました。
*各月の月末の終値。カーソルをあてるとポイントがわかります
予想通りの利上げ据え置きも、高金利政策の長期化を意識した、【9/18-22】今週のマーケット。
米国では、FOMCが日本では、日銀金融政策決定会合という米日中央銀行による、重要な金融政策を決める会議が開かれた、1週間。マーケットはどう、評価したのでしょうか?…
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