雇用統計など、週末にかけてのFRBが重要視する経済指標を控え、神経質な動きの1週間。心配されていた政府機関の閉鎖は「つなぎ予算」が議会で可決され、土壇場で回避されました。
今週のマーケット
今週のポイント
- 懸念されていた政府機関の閉鎖は回避。45日間の「つなぎ予算」が議会で可決。
- 原油は、今週に入り落ち着くも、長期金利は高止まり。
- 週末の雇用統計は強弱の解釈の中、賃金の伸び鈍化を好感し金利上昇は一服、株価も下落後、急回復へ。
主要指標の動き
指標 | 10/6 | 9/29 | 騰落率 |
NYダウ | 33,407.58 | 33,507.50 | ▼0.3% |
S&P500 | 4,308.50 | 4,288.05 | +0.48% |
ナスダック | 13,431.34 | 13,219.32 | +1.60% |
ドル/円 | 149.28 | 149.36 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.80 | 4.58 |
週間トピックス
心配されていた政府機関の閉鎖は45日間の「つなぎ予算」が議会で可決、土壇場で回避されました。気になるとろでは、原油価格と長期金利。
原油は、9/28に一時1バレル=95ドル台まで上昇していましたが、今週に入り、落ち着きを取り戻し、週末には82ドル台へまで下落。一方、
3日(火)
米10年国債の利回りは、この日発表の8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数等、経済指標に米国経済の堅調さが示され、金利の先高感を誘い、4.8%に急進。キツめの雇用環境が続く→賃金が上がるかも→インフレ長期化の要因にという理由。
つなぎ予算成立の立役者であるマッカーシー下院議長が米国史上初の解任となり、つなぎ予算の期限が切れる11月半ば以降の動向に不透明感が出ていたことも、株式市場では重しになっていたようです。
そして、
6日(金)
9月の雇用統計での強い数字(雇用者数が予想を大きく上回る)により、追加の利上げを観測から(長期金利は再び一時、16年ぶりの高水準となった4日の4.8%台後半へ)取引開始後は、米国株式市場は大幅に下落。ところが
失業率が予想を上回ったことや賃金の伸びが鈍化したことを受け、金利の上昇も限定的となり、それにつれハイテク株中心に買い戻しが入り、株式市場も上昇に転じました。
さらにはソフトランディング期待(景気を足を引っ張ることなく、インフレ退治に成功)から、買いも強まり、終盤にかけて大幅な上昇となり今週を終えています。
9月の米国雇用統計
- 非農業部門雇用者数→前月比+33.6万人増(市場予想+17万人増)
- 失業率→3.8%(市場予想3.7%、8月も3.8%)
- 平均賃金→前月比+0.2%増、前年比+4.2%増
”FRBによる年内の利上げの可能性を残し、かつ利下げを急がないのでは”との市場関係者の声も。
10月の経済指標等スケジュール
10/6 9月雇用統計 ☑️
10/11 FOMC議事録(9/19-20分)
10/12 9月CPI(消費者物価指数)
10/19 パウエル議長の講演
10/27 9月PCE(個人消費支出)コアデフレーター
10/31-11/1 FOMC(公開市場委員会)
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