逆イールドで・・
5日の米国金融・債券市場は、ジョージ・ブッシュ元大統領死去にともなう「国民追悼の日」でお休みでした。その前日、4日の米国株式市場は3営業日ぶりに反落し、ダウ工業株30種平均は、前日比799ドル(▼3.1%安)の、25,027ドルと大幅な下落でした。下げ幅は、約2か月ぶりの大きさとなりました。米国景気の後退局面が近づいているとの観測と、米中貿易摩擦への警戒感が再燃し、多くの銘柄に売りが出ていました。
3日の債券市場で、期間の短い(3年債)利回りが、期間の長い(5年債)を利回りを上回る(11年ぶり)「逆イールド」に。「逆イールド」は1990年、2001年、2007年の景気後退前におこっており、今回も米国景気の拡大局面が終わりに近づいているのでは、という推測を呼んだと市場関係者。
「逆イールド」によって、短期調達、長期運用で利ざやを稼ぐ、金融機関へのダメージを不安視し、バンク・オブ・アメリカ(BAC/▼5.43%)などの金融株が大きく売られました。個別企業では、UPS(▼7.37%)とフェデックス(FDX/▼6.31%)がアナリストの目標株価引き下げで急落。FAANGのハイテク主力銘柄が大幅に売られ、アップル(▼4.40%)はこちらも、アナリストによる投資判断と目標株価引き下げで値下がりとなりました。投資家心理を不安にさせる、ニュースが重なりました。
トランプ大統領、つぶやく!
また、前日の米中貿易摩擦への期待も、トランプ大統領が制裁関税を(協議で合意できなかった場合)拡大する方針を示したことで、警戒感へと変わり、この問題を再燃させたカタチ?となりました。中国への依存が高い、キャタピラー(CAT/▼6.93%)やボーイング(▼4.85%)が売られ、NYダウの下げを主導。この2銘柄で、180ドルほど下げたことになります。
VIX指数は、再び20超え
パウエル議長の金利に対する発言と米中首脳会談が決裂しなかったことを好感し、大きく切り返したマーケットだけに、その2つが崩れるとなると、さすがにきびしいです。投資家の先行きの不安心理をあらわす、VIX(恐怖)指数は、再び不安心理が高まった状態とされる20を超えてきています。
パウエル議長発言を好感した↓
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