13日-17日の1週間。米国株式市場はNYダウがついに4万ドルを突破、S&P500とナスダックとと
もに史上最高値を記録。一方で、週後半には一部のハイテク株や主要銘柄に利益確定、持ち高調整
の売りが見られ、市場は過熱感と調整の間で揺れ動く展開となりました。
目次
NYダウ初の4万ドル突破。S&P500も初の5,300ポイント台へ。
週末のマーケット
今週のポイント
今週のポイント
- 主要株価3指数は、いずれも史上最高値更新。
- PPIやCPI等のインフレ関連指標から物価上昇への過度な警戒感薄れる。
- ただFRB高官らの早期利下げへの慎重な見方から、長期金利の一時的上昇、株式の相対的な割高感も。
- 投資家の不安心理を示す、VIX指数は2019年以来の低水準に。
1週間のダイジェスト
*日付をクリックするとその日のマーケットの動きがわかります。
月曜日
- NYダウは9営業日ぶりに反落し、週をスタート。
- 前週末までの8営業日で1,700ドル近く上昇、持ち高調整や利益確定目的の売り優勢。
- FRB副議長「インフレ率が目標の2%に向けて低下するまで政策金利維持するのが適切」
- インフレ懸念が根強く、FRBが利下げに慎重になるとの見方が広がる。
- 一方で雇用関連指標が労働需給の過熱感が薄れ、FRBが年後半に利下げを始めるとの観測も。
- 14、15日の4月米卸売物価指数(PPI)4月米消費者物価指数(CPI)内容を見極めたい投資家。
- 半導体株の一部が上昇し、投資家心理を支える。
- AI向け半導体開発を始める計画のアーム・ホールディングス(ARM)が7.7%上昇。
- 複数のアナリストが目標株価を引き上げたエヌビディア(NVDA)も買われる。
- アップル(AAPL)は、iOSにOpenAIの技術を採用することで合意に近づいていると報じられ上昇。
- インテル(INTC)は、アイルランドに工場を建設する協議をしていると報じられ上昇。
- テスラ(TSLA)が米国で一部車種のローン金利を期間限定で引き下げ上昇。
火曜日
- 4月米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回るも3月分が下方修正、物価上昇への過度な警戒が薄れる
-4月PPI-前月比0.5%(市場予想の0.3%)、3月分は0.2%上昇から0.1%下落に修正。
- 15日の4月消費者物価指数(CPI)と米小売売上高への注目が高まる。
- PPI発表直後には、FRBの利下げ転換が遠のくとの見方から長期金利が上昇もハイテク株に買い。
- マイクロソフト(MSFT)、アップル、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が上昇。
- ゲームストップ(GME)は連日で急騰し、6割高で終了。個人投資家の買い継続。
- パウエルFRB議長は、インフレ鎮静化のために現在の政策金利水準を維持する姿勢を示す。
- テスラは3.2%高。米政府が中国製電気自動車(EV)に最大100%の追加関税を課すとの発表が追い風に
水曜日
- 4月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びとなり、FRBが利下げを先送りする懸念が後退
-CPIの前月比上昇率は0.3%(予想の0.4%)/コア指数-前月比0.3%上昇、3月0.4%から減速。
- 「CPIの上振れが避けられたことで投資家心理が上向いた」と一部市場関係者。
- 4月米小売売上高が低調、需要の伸び悩みが物価上昇率の低下につながるとの見方も。
- 米債券市場では長期金利が4.3%台半ばに低下し、高PERのハイテク株に買い。
- ボーイング(BA)は下落。米司法省が同社製航空機の墜落事故を巡る和解事項に違反との判断に嫌気
- ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比231.210ポイント(1.40%)高の1万6742.390と連日で最高値を更新。
- エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株が上昇。
- S&P500種株価指数、3月28日以来の最高値を更新し、初の5,300ポイント台に。
木曜日
- NYダウは取引時間中には初めて4万ドル台に乗せ、過熱感から持ち高調整の売り。
- 長期金利の上昇も株式相場の重荷となった。
- NYダウは一時140ドル以上上昇し、4万0051ドルを記録、史上最高値を更新。
- S&P500、ナスダックも取引時間中に史上最高値を更新
- 前日発表の4月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ再加速への警戒感が薄れる。
- FRBが年後半に利下げを開始し、米景気の大幅な悪化を避けられるとの期待が強まる。
- NYダウは今月に入って15日までに2100ドル近く上昇、短期的な過熱感が意識される。
- 米長期金利が4.3%台後半で推移し、株式に相対的な割高感。
- 朝方発表の4月の米輸入物価指数が前月比0.9%上昇と約2年ぶりの高い伸び。
- 週間の米新規失業保険申請件数は前の週から減少。
- ウォルマート(WMT)は大幅高。2024年/2-4月期決算が市場予想を上回る増収増益。
- メタプラットフォームズが下げた一方、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は上昇。
金曜日
- エヌビディアなどハイテク株の一角が下落し、ナスダック総合が小幅に続落。
- キャタピラーやウォルマートが上昇し、ダウ平均とS&P500が反発。
- NYダウ終値で初めて40,000ドルを突破。
- 週間ではダウ平均が1.24%高、S&P500が1.54%高、ナスダック総合が2.11%高とそろって5週続伸。
- 年初来ではS&P500とナスダック総合が11%超上昇、ダウ平均も6%超上昇。
- VIX指数( 恐怖指数、投資家の不安心理を示す)は11.99ポイントまで低下し2019年11月以来の水準。
- 17日の米国債券相場で長期ゾーンは続落。
- 表面利率4.375%の10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は安い)4.42%で終了。
- FRB高官らが早期利下げに慎重な見方を示したため、債券売りが優勢に。
まとめ
米国では四半期決算をほぼ終え、マーケットの関心は、何度目かの?政策金利の維持継続か、利下
げか、はたまた利上げまでの読み取りがクローズアップされています。今週は利下げのタイミング
を探る、ポジティブな展開。景気の足を引っ張ることなく、インフレも2%台というのがFRBの目指
すところ。しかしマーケットの反応は、主要3指数の史上最高値更新やVIX指数を見る限り、どうや
ら利下げが行われるという前提で進んでいるようです。
今週のまとめ
- 主要株価3指数は、いずれも史上最高値更新。
- PPIやCPI等のインフレ関連指標から物価上昇への過度な警戒感薄れる。
- ただFRB高官らの早期利下げへの慎重な見方から、長期金利の一時的上昇、株式の相対的な割高感も。
- 投資家の不安心理を示す、VIX指数は2019年以来の低水準に。
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