3連休を控えている上に、29日にはFRBの注目するインフレ指標の発表もあり様子見、薄商い(市場参加者が 少なく、出来高が少ない様子)の中で株式市場どちらにも動きやすい状況でしたが、ダウは終値ベースでS&P 500は取引時間中にそれぞれ史上最高値を更新しています。
目次
ダウは終値ベース、S&P500は取引時間中で史上最高値を更新!
今週は29日が聖金曜日(グッドフライデー)のため株式市場と債券市場が休場。まずは木曜日のマーケットから。
28日(木)のマーケット
今週のポイント
ポイント
3連休とPCEデフレーターなどの発表を控え、様子見のマーケット
それでもダウは終値ベース、S&P500は取引時間中で史上最高値を更新!
FRBがインフレ指標として重要視する、PCEコアデフレーターは市場予想どおり
パウエル議長「雇用と経済は好調。利上げは急ぐ必要ない」
1週間のハイライト
*2月の個人消費支出(PCE)デフレーター 発表前までは6月利下げ開始を予想する向きが多かったようですが、 実際の発表を受けての反応は次週に持ちこまれています。
25日 MON 26日 TUE 27日 WED 28日 THU
・ダウ工業株30種平均が続落し、0.41%下げて39,313.64ドルで取引終了。前週には主要株価指数が最高値を更新したものの、高値警戒感から主力株に利益確定の売り。特に、一部の大型ハイテク銘柄は欧州の規制強化への懸念か ら株価が下落。EUは大手IT企業に対する規制違反の疑いで調査を開始し、これがアップル(AAPL)アルファベット(AAPL)メタプラットフォームズ(META)株価を圧迫 。一方米連邦準備理事会(FRB)の利下げ予想やインフレ抑制への楽観視が株価の下えに。個別では、中国のインテル製半導体規制の報道でインテル(INTC)株が下落。ナスダック総合株価指数も6営業日ぶりに反落。→*タブをクリックするとその日のマーケット概況に
・ダウ工業株30種平均は3日連続の下落。四半期末に向けた持ち高調整の売り と、米国株を支えてきた主要ハイテク株の下落が投資家をナーバスに。機関投資家による利益確定売り が出やすい時期であり、また今週末の連休を前に市場参加者が少なくなることから、積極的な取引が控えられ、市場の動きに不安定要素。米連邦準備理事会(FRB)が注目する個人消費支出(PCE)物価指数の発表を控え、市場は休暇前に持ち高を減らす動きも。ただ米経済の底堅さとFRBの利下げ予想が市場を支え、耐久財受注額の増加等からソフトランディングの達成 の見方も。個別ではボーイング(BA)ナイキ(NKE)アマゾン(AMZN)シェブロン(CVX)が下落、一方で、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やハネウェル・インターナショナル(HON)は上昇。ナスダック総合指数も続落し、エヌビディア(NVDA)の下落が指数に重荷に。
・ダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発して終了。市場の先行きに対する楽観視が投資家心理を支え、ディフェンシブ株や周期株など相場全体の上昇に出遅れていた銘柄に買い。ダウ平均の前日までの3営業日約500ドルの下落により、短期的な高値警戒感や相場の過熱感を和ぐ。四半期末を控えた持ち高調整や利益確定の売りが一服した一方で、運用成績を良く見せるためのお化粧的な買いも。FDA( 米食品医薬品局=Food and Drug Administration)が新薬を承認したことを受けてメルク(MRK)が買われるもハイテク株は高安まちまち。アップルやアマゾンは上昇し、セールスフォース(CRM)やエヌビディアは下落。S&P500種株価指数は約1週間ぶりに最高値を更新し 、ナスダック総合株価指数も3営業日ぶりに反発。
・ダウ工業株30種平均は続伸し、1週間ぶりに最高値(取引時間中の)を更新。米経済への楽観視やFRBによる年中の利下げ観測が支持材料に。ただ、29日からの3連休を控えた薄商いの中で、方向感を欠く場面も。朝方に発表された2023年第4四半期の実質GDP確定値は前期比年率3.4%増と、改定値を上回る成長を記録。週間の新規失業保険申請件数は市場予想を下回る。FRBが重視するインフレ指標である2月の米個人消費支出(PCE)物価指数 の発表の内容を見極める姿勢。FRBのウォラー理事は、物価指標が予想以上に上振れしたことを受けて、利下げのペースを見直す可能性を示唆も。個別銘柄では、ウォルト・ディズニー(DIS)インテル、ボーイングが高く、アップルやマイクロソフト(MSFT)、ナイキ(NKE)は下落。ホーム・デポ(HD)も企業買収の発表後に下落。
ダウ平均は3月に2.08%上昇し、5カ月連続の上昇、2020年4月から8月以来の連続記録を更新 。S&P500種株価指数も前日比で0.11%上昇し、連日で過去最高値を更新、月間では3.10%の上昇を達成。こちらも5カ月連続の上昇。
主要3指数の3月までのパフォーマンス
主要3指数の3月月間 と年初来 の上昇率
ダウ平均-2.08% (5カ月連続)、年初来では5.62%
S&P500-3.10% (5カ月連続)、同10.16%
ナスダック総合指数-1.79% 、同9.11%
2月のPCEコアデフレーターは?
2月の個人消費支出(PCE)デフレーター(米商務省)
PCEコア デフレーター”前年比”=2.8%(予想2.8%、1月2.8%)
“前月比”=0.3%(予想0.3%、1月0.4%)
PCEデフレーター”前年比”=2.5%(予想2.5%、1月2.4%)
米国の商務省が毎月末 に発表する、米国民が日々の生活でどれくらいのお金を使っているかという消費活動における物価の変動を測る重要な指標が「個人消費支出(PCE =Personal Consumption Expenditure)デフレーター 」です。消費される商品やサービスの価格がどれだけ変わったかを示します。簡単に言うと、名目(表面上の)PCEから実際の(価格変動を考慮した)PCEを引いたものです。これにより、物の価格が実際にどれだけ上がったかを知ることができます。
さらに、食品やエネルギーのように日々価格が大きく変動するものを除いた「 PCEコアデフレーター 」という指標もあります。このコアデフレーターは、米国中央銀行にあたる連邦準備制度(FRB)が特に注目している指標 で、物価の安定を測る上で非常に重要視されています。同じような指標にCPI「消費者物価指数」というものがありますが、PCEデフレーターはもっと幅広い範囲の商品やサービスをカバーしているため、より実際の物価動向を正確に反映しているとされています。
パウエル議長
2月PCEデフレーター発表後、
パウエル議長は、サンフランシスコ連邦準備制度理事会の会議での質疑応答で、『昨年後半に発表された多 くの良好なデータほど低くはないが、われわれが見たいと思うものに沿ったものであることは間違いない』
と述べて上で、
『FRBはあまり早く利下げを行い、インフレが再び上昇するリスクは避けたいが、同時に中央銀行はあまり長く 待ちすぎて経済に不必要な悪影響を与えたくない。
・・・雇用市場と経済は現在好調でありつまり、利下げを急ぐ必要はないということだ』
今までの通りの、今後のデータしだいであり、早期利下げ期待が過剰にならにように市場に冷静さを促す発言 をしていたと思います。
FRBやFOMCについてさらに詳しく知りたい方は→【3/19-20】FOMC後に、押さえておきたい3つのポイント。そしてあまりにも個性的で、天才すぎるFRBの 歴代議長達・・・ こちらをチェック!
まとめ
まとめ
3連休とPCEデフレーターなどの発表を控え、様子見のマーケット
それでもダウは終値ベース、S&P500は取引時間中で史上最高値を更新!
FRBがインフレ指標として重要視する、PCEコアデフレーターは市場予想どおり
パウエル議長「雇用と経済は好調。利上げは急ぐ必要ない」
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