原油価格の上昇が続いています。かつてほどではないにせよ、原油価格の動向はインフレの先行きを表すものとして注目が集まります。現在原油の生産では米国が一番となっていますが、サウジアラビアをはじめ、中東諸国の生産もあいかわらず、大きなウェイトを占めています。OPECについて少し調べてみました。
7月スケジュール
スケジュールの確認です。
7月1日(木) | OPEC定例総会←ここです。 |
7月2日(金) | 6月非農業部門雇用者数の増減 |
7月2日(金) | 6月失業率 |
7月6日(火) | 6月ISM非製造業景況指数 |
7月7日(水) | FOMC議事録(6/15-16日分) |
7月9日(金) | G20財務相、中央銀行総裁会合(ベネチア、10日まで) |
定例総会後のニュースには、
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は1日の会合で意見が一致せず、協議を中断した。主要メンバーのアラブ首長国連邦(UAE)が土壇場で合意案に反対したためで、減産縮小で正式に合意できるか雲行きが怪しくなってきた。参加国代表によると、UAEと他のメンバーの対立で最終的に減産が全く緩和されない可能性が出てきた。合意が成立しなければ、生産枠を2022年4月まで維持するという既存の条件に戻ることになる。そうなれば、原油市場の逼迫(ひっぱく)がさらに進み、急激な物価上昇が起きる恐れがある。
ーBloomberg 7/2
OPECとOPECプラス
OPECの現在の加盟国、メンバーは、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラと、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、アンゴラ、ギニア、コンゴの計13カ国となっています。それに、ロシアやメキシコ等の非加盟主要産油国10カ国を加えたのが、OPECプラスです。因みに、アメリカは反トラスト法のため、OPECプラスには加盟していません。
中東産油国パワーの低下?
減産や増産によって原油価格をある程度コントロールしたいというのが、産油国の思惑で、歴史をみても原油に振り回される世界経済という構図が続いた時代もありました。ところが、アメリカのシェールガス、オイルの『シェール革命』や温暖化対策による化石燃料の見直しなど、原油にまつわる環境の変化がOPECやプラスの国々の立ち位置に変化をもたらしています。会合もスムーズにいかないのも、わかる気がします。
生産量のランキング
国名 | 生産量(千バレル/日) | |
1. | アメリカ | 17,045 |
2. | サウジアラビア | 11,832 |
3. | ロシア | 11,540 |
4. | イラク | 4,779 |
5. | アラブ首長国連邦 | 3,998 |
6. | 中国 | 3,836 |
7. | イラン | 3,535 |
8. | クウェート | 2,996 |
9. | ブラジル | 2,877 |
10. | ナイジェリア | 2,109 |
* 出所 BP統計(Statistical Review of World Energy 2020-世界の原油確認埋蔵量、生産量、可採年数より)抜粋、作成
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