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FOMC議事録(7/27-28日開催分)、ジャクソンホールでのシンポジウムのおさらい

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少し遅くなりましたが、FRB(米国連邦準備制度理事会)の8月の動きをまとめてみたいと思います。スケジュール的に重要だったのは8/18日に公表されたFOMCの議事録(7/27-28日開催分)8/26-28日ジャクソンホールでのシンポジウム。市場の注目は、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)がいつ始まり、その先の利上げのタイミングを探ることでした。

目次

FOMC議事録(8/18)

FRB(米連邦準備制度理事会)は8月18日、FOMC(公開市場委員会)の議事録(7/27-28日開催分)を公表し、ほとんどの参加者(大半の委員)が年内のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)開始を支持していることが明らかになりました。また同様に大半の委員が「新型コロナワクチン接種の遅れやデルタ株感染拡大が下振れリスクになっている」と指摘していることもわかりました。

雇用と物価

昨年12月にFOMCがテーパリング開始判断の条件として挙げていたのが「(雇用と物価の)目標に向けてさらに著しく前進する」ことでした。物価の目標に向けた『著しく前進』の基準は満たされたと判断を示しましたが、雇用に関しては『著しく前進する』には”余地がある”との指摘があり、テーパリング開始(あるいはその予告)の判断にはならなかったようです。

テーパリングの開始と利上げ・・

また、テーパリング開始後についても議論がされ、意見が分かれていたことが、今回の議事録からもわかります。「利上げ開始の条件が整う前にテーパリングが終了するようなペース」と大半の委員が考えている一方で、利上げ開始の基準はテーパリング開始基準とは別物であり、経済の進展状況に依存するとの指摘があったとされています。

ジャクソンホールシンポジウム(8/26-)

経済シンポジウム in ジャクソンホールとは?

アメリカのカンザスシティ連邦準備銀行がワイオミング州のジャクソンホールで毎年8月に開く、経済政策に関するシンポジウム(=symposium公開討論会、研究討論会などのことを意味します)。FRB議長など世界各国から中央銀行総裁や経済学者等が参加し、世界経済や金融政策について議論します。2010年8月には、当時のバーナンキFRB議長が量的緩和第2段(QE2)に踏み切ることを示唆する講演を行い、金融市場に影響を与えたこともあり、恒例の経済、金融イベントとして注目されています。

年内に縮小を開始し得る

議事録を確認するように、パウエル議長は、

『経済がおおむね予想通り進展した場合には年内に資産購入ペースの減速を開始するのが適切となり得る、というのが私の見解であり、大半の参加者も同様の認識だった。・・・現在までの1か月には、7月の雇用統計という形で一層の進展が示されたが、一方でデルタ変異株の感染はさらに拡大した。・・・われわれは、今後入手するデータと変化するリスクを慎重に見極めていく』

-カンザスシティ連銀がオンライン形式で主催したジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演原稿から一部抜粋

利上げの開始時期は?

その上で、パウエル議長は、

・・・資産購入縮小のタイミングとペースは、利上げ開始時期に関する直接的なシグナルを送ることを意図するわけではない。利上げ開始時期はについては、われわれは異なった、そしてより一層厳しい基準を明確にしている。

-同上の講演原稿から

そして、その厳しい基準とは、

経済が最大限の雇用と整合する状況に至るまで、そしてインフレ率が2%に達し、一定期間2%を適度に超える軌道に乗るまで、FF金利誘導目標(0.00~0.25%)のレンジを今後も現行水準で維持する。

であると説明しています。ひねくれた見方をすれば、「マーケット等の反応をみながら、臨機応変に動く」とのことでしょうか?毎度のことですが、パウエル議長を含むFRBのどちらとも取れる言い回しは、見事だと思います。それは、史上最高値近辺を維持している米国株価指数の動きが証明しています。

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