通常、FOMC後には、FRB議長の声明があります。その声明をめぐって、短期的にいろいろな憶測が流れ、市場関係者はコメントを出し、投資家は投資の判断材料にします。声明を出す側のFRBも、慎重に言葉を選びながら、マーケットに過大な期待や悲観的なムードがただよわないように注意します。
ですから、FOMC開催から3週間後に公開される議事録は公式な見解、本音に近い部分を探る上で重要なものとなります。
7月のスケジュール
7月7日(水) | FOMC議事録(6/15-16日分)←ここです。 |
7月9日(金) | G20財務相、中央銀行総裁会合(ベネチア、10日まで) |
FOMC 2021年
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6月の議事録
今回の議事録は、3週間前の15日から16日に行われたFOMCの議事録になります。要旨は次の通りです。
- 米国債よりもMBSの購入縮小を速いペースで進める、あるいは早期に開始することの利点を指摘
- 一方、米国債とMBSと購入を等しいペースで縮小させることを支持
- インフレについては、経済再開に伴う一過性の要因が後退すれば、インフレは落ち着くと当局者は総じて予想
- 参加数の大多数は、インフレ予想に対するリスクは上方向に傾いたと判断した
- サプライチェーン面での制約と原材料不足が来年にかけて物価に上向きの圧力をかけると予想
- 経済再開の初期の数ヶ月においては不透明感があまりに強く、インフレ圧力がどの程度の期間続くかについては正確に判断することはできなかったと指摘
FOMCへの参加者がそれぞれ、意見を述べ、見解を示していますが、当然ですが、全会一致と言うことにならないですね。資産購入のテーパリング(段階的縮小)に向けて早期に行動を起こすべきと主張(タカ派と呼ぶそうです。)するメンバーとまだその基準に達していないとし、今の政策を維持する方が良い(こちらはハト派)とする参加者がいることがわかります。
公表後は・・・?
結局、『どうなんだ?』ということになりますが、
「予想以上に早く資産購入ペース縮小に向けた進展が見られているものの、なお基準には達していないと判断している」との解釈で市場関係者は、今のところ落ち着いているみたいです。
議事録公表後の米国株式市場、主要3指数は、いずれも小幅上昇で、7日の取引を終えてます。煮えきれない状況で、マーケットの反応を見て、判断をマーケットにゆだねることが狙いなら、FRBの思惑通りでしょうか?
- NYダウ-34,681.79(前日比+0.3%)
- S&P500- 4,358.13(同+0.34%)
- ナスダック-14,665.06(同+0.01%)
FOMC(米連邦公開市場委員会)
金融政策の最高意思決定会合
FOMCでは、何が・・・?
FOMCでは、各地区連邦準備銀行の景況報告(ベージュブック)やFRB調査による経済報告(グリーンブック)などをベースに議論がなされメンバーによる多数決で政策金利であるFF金利の誘導目標や景気判断(先行きの景気・物価に対する見方)今後の政策方針等が決定されます。FOMCの終了とともに、FFレートの水準が発表されますが、特に、FF金利の変更があるケースもあり、長短金利や為替相場、株式マーケットなど、 その後の金融市場に大きな影響を与えるため、(FOMCは)世界の市場関係者や投資家が特に注目する、イベントです。また声明文は、FOMC開催最終日(米東部標準時間午後2時15分ころ)に公表され、さらにその詳細の議事要旨は政策決定日の3週間後にあかされます。声明文も米国の金融政策を予測する上で欠かせないものになっています。
日本でも、日銀の
因みに、日本銀行もFOMCにならい、1998年4月施行の改正日銀法に基づいて、総裁と2人の副総裁、民間からの6人の審議委員による「金融政策決定会合」を定期的に開催し、金融政策を決定しています
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