インフレのしつこさと堅調な経済のなか、金利の方向性を探る神経質なマーケットの動き。それでも、週末にはNYダウとS&P500は、史上最高値を更新、半導体関連がマーケットをリードしています。四半期決算も来週からが本番。
ポチップ
目次
今週のマーケットレビュー
今週のポイント
今週のポイント
- 早期利下げ期待先行をいましめるような、FRB理事の発言で金利上昇、株価は神経質な動きも
- それでも、NYダウとS&P500は史上最高値更新。S&P500は2年ぶり
- 半導体関連企業TSMCやAMDがマーケットをリード
主要指標の動き
指標 | 1/19 | 1/12 | 騰落率 |
NYダウ | 37,863.80 | 37,592.98 | +0.72% |
S&P500 | 4,839.81 | 4,783.83 | +1.17% |
ナスダック | 15,310.97 | 14,972.76 | +2.26% |
ドル/円 | 148.18 | 144.92 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.13 | 3.94 |
今週の米国株式市場トップストーリー
15日 MON
マーティン・ルーサー・キング・デーは、公民権運動家キング牧師の誕生日を祝う米国の祝日です。この祝日は、1月の第3月曜日に行われ、平等と正義の理念を称え市場はお休みとなります。
16日 TUE
- NYダウ続落、3万7361ドル12セントで終了。
- 米連邦準備理事会(FRB)の*高官による早期利下げ観測のけん制発言を受け、長期金利が上昇。
- FRB*ウォラー理事「政策の軌道修正は慎重に判断し、急ぐ必要はない」
- ボーイング(BA)や中国での新モデル引き下げニュースでアップル(AAPL)など売られる。
- ゴールドマン・サックス(GS)やモルガン・スタンレ(MS)ーなどの金融株が決算発表を受けて下落。
- 利下げ観測のけん制と金融株の決算発表が投資家心理を冷やし、利益確定売りが出やすい状況。
- ナイキ(NKE)シェブロン(CVX)、ハネウェル・インターナショナル(HONが下落。
- 一方、ウォルト・ディズニー(DIS)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)には買いが入った。
- ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が7営業日ぶりに反落。
- アマゾン(AMZN)とメタプラットフォームズ(META)が下落。アナリストの目標株価引き上げでアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が8%上昇。
17日 WED
- NYダウは3日連続で下落。
- 12月の小売売上高予想を上回り、インフレ抑制できていない?早期利下げ観測(3月にも)が後退
- 米長期金利一時4.1%台前半へ上昇し、昨年12月中旬以来の高水準。
- 株式の相対的な割高感が意識され、株売りを促す要因に。
- 一方で、米景気の大幅悪化を避ける予想から、押し目買いも見られる。
- ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)キャタピラー(CAT)ウォルト・ディズニー(DIS)下落。
- ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)等が上昇。
- ナスダック総合株価指数は続落。
- テスラ(TSLA)とアマゾン・ドット・コムの株価が下落。
23年12月米小売売上高
- 11月比+0.6%増(市場予想は0.4%増)
18日 THU
- NYダウが4営業日ぶりに反発。
- アップルと他のハイテク株、特に半導体関連企業が好調。
- アップルは、バンク・オブ・アメリカの投資判断引き上げにより3%以上上昇。
- マイクロソフト(MSFT)にも買いが入り、アナリストによる目標株価の引き上げが影響。
- ボーイングはインドの格安航空会社からの大型受注で株価が上昇。
- エヌビディアとAMDも上昇。*TSMCの2024年12月期の増収見通しにより業績期待が高まる。
- ダウ平均は一時140ドル以上下落も、最終的には反発。
- 米長期金利の上昇と米経済指標の好調さにより、FRBの早期利下げ観測が後退。
- ユナイテッドヘルス・グループとヒューマナ(HUM-健康・福祉関連企業)業績見通し下方修正により株価が下落。
- ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比200.026ポイント高の15,055.648で終了。
19日 FRI
- NYダウは2日連続の上昇で一時38,933ドルと、史上最高値更新。
- S&P500も1.23%上昇し、2年ぶりの史上最高値を更新。
- NASDAQ、過去最高値に約5%に迫る。
- 半導体株が堅調で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とエヌビディア(NVDA)が上場来高値を更新。
- 米10年債利回り、長期金利はわずかに低下し、4.1302%で終了。
- S&P500の11セクター中9セクターが上昇。ITセクターが2.35%上昇。
- 1年先期待インフレ率は2.9%に低下。
- トラベラーズ(TRV)が第4四半期の利益予想を上回り、6.72%上昇。
- シュルンベルジェ(SLB-エネルギー産業向けに技術提供)が売上高と利益で予想を上回り、2.22%上昇。
1月ミシガン大消費者信頼感指数
- 78.8に上昇。2021年7月以来の高水準。
今週のマーケットレビュー
今週のポイント
- 早期利下げ期待先行をいましめるような、FRB理事の発言で金利上昇、株価は神経質な動きも
- それでも、NYダウとS&P500は史上最高値更新。S&P500は2年ぶり
- 半導体関連企業TSMCやAMDがマーケットをリード
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今週のマーケットレビューから来週の見通し、決算スケジュール
10-12月期の決算を発表する米国企業が、週明けから日ごとに増えてきます。一部アナリストは、売上高や利益に占める中国向けビジネスの割合が高い企業が、どのようなガイダンス(2024年の1-3月期決算の見通し)を示すか注目しているとしています。今週と同様に、企業決算に一喜一憂の1週間になりそうです。
マグニフィセント7、日程決まる
【1/8-12日】2024年1月第2週の米国株式市場、ハイテク株に底堅さ。銀行株決算の影響は?
【1/8-12日】2024年1月第2週の米国株式市場、ハイテク株に底堅さ。銀行株決算の影響は?
12月の消費者物価指数(CPI)を生産者物価指数(PPI)が、覆い隠すような展開で早期の利下げ、金利先安感を背景にハイテク株が底堅く推移した1週間。週末の銀行株決算にち…
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