VIXは「Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)」の略したもので米国株を対象した指数。ボラティリティは『価格の変動性、変動率』を意味しますが投資に関する金融用語としてよく出てきますので覚えておくと良いと思います。
恐怖指数、何が恐いのか?
S&P500をもとに算出
S&P500のオプション取引(シカゴにありますオプション取引所で行われています)のボラティリティ(変動率)から算出されます。『株価変動率指数』と考えれば、わかりやすいかもしれません。先行きの値動きが荒くなる、ボラティリティが高い、すなわち変動率が大きくなると見込む投資家が多くなると、VIXは上昇します。逆に
相場がこう着状態になり、それが続き、変動幅があまりない(ボラティリティがあまりない)と見込む投資家が増えると、VIXは低下します。
高いと、恐怖・・・
ですから、VIXの数字が高いほど株式市場の急な下落や急な上昇が起こる可能性が高く、VIXが低いほど市場は安定していて、株価の急な下落や急な上昇の可能性は低いと考えます。つまり、投資家が市場に不安や恐怖を感じる時に上昇する数値なので日本語では、『恐怖指数』と呼び、投資家心理を反映、数値化したものと言えます。
恐怖指数、歴史は語る!
VIX、恐怖指数は、通常10~20の範囲で動くとされ、30を超えてくると警戒するレベルと判断されます。6/24の数値が終値で15.97、この3ヶ月ほどの期間で見ても、高い数値でも28.93(5/13)ですので、概ね米国株式市場は、安定的と言えるでしょう。それを証明するかのように、6/24(木)の米国株式市場、S&P500は、4,271.28ポイントと、過去最高値をまた更新してきています。しかし、歴史を紐解くと・・・
〇〇ショックは、やはり恐怖だった
出来事 | 時期 | VIX、恐怖指数 |
1.ITバブルの崩壊 | 2001/9 | 49.35 |
2.リーマン・ショック | 2008/10 | 89.53 |
3.チャイナ・ショック | 2015/10 | 53.29 |
4.VIXショック(米国の景気悪化懸念) | 2018/2 | 50.30 |
5.コロナ・ショック | 2020/3 | 82.69 |
リーマン・ショックとコロナ・ショックの時は、何と80以上という高い数値でした。不安感の大きさから言うと、どちらも大変なプレッシャーを社会ばかりではなく経済にも与えていたことがわかります。
恐怖をチャンスに変える!
長期投資で見ると、いろいろなショックを乗り越え米国株式市場は、力強く上昇してきています。直近のコロナ・ショック後を振り返っても、S&P500株価指数は、不安で大きく下げた昨年の3月の週が、2,300ポイント前後、それが今月の6/24には、過去最高値。逆の見方をすれば、何だかのショックに対し、投資家が不安や恐怖を感じはじめ、VIXが大きく上昇した時にこそ、チャンスととらえることができるくらいの心の余裕は欲しいものですね。
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