日本人が、リスク嫌いの運用ヘタだと誰が言った?
Q.41
米国401(k)では、投資信託等のリスク性運用商品を選択する
人の割合がやはり高いのですか?
A.41
米国では、初めて投資信託を購入したのが、401(k)プランな
どを通じて、だったという人が多くいます。投資信託を保有
する家計のうち、職場の確定拠出型年金経由で初めて、投資
信託を購入したと人の割合が、6割近くになったというとい
う、調査結果があります。また、
401kでは、株式ファンド(株式を投資対象とする投資信託)
の割合が、40%ほど、つづいてバランスファンド(株式、
債券などの資産に一定の割合ずつ投資する投資信託)が
20%程度になっているようです。
それに対して、日本の確定拠出年金では、元本確保型である
定期預金が40%以上、保険商品13%、元本確保型以外の
投資信託の中身は、国内株式14%、海外株式7%、国内債券
7%、海外債券5%そして、バランスファンドが11%程度とな
っています。(*数字は概算。大手運営管理機関受託銀行の20
14年3月末より)
米国の株式ファンドとバランスファンドの合計が、60%を
超えているのに対し、日本のそれは、32%程度。(国内株式
+海外株式+バランスファンド)米国に比べ、ものたりなさ
を感じるかもしれません。でも、思いだしてください。
米国といえども、1990年代の前半までは、元本確保型の安定商
品が主流だったという歴史があったのです。米国株式市場のITバ
ブルやリーマン・ショックなどの混乱を横目に見ながら、
401k等での資産残高は、順調に伸びていきます。株式投資などに
よる、老後の資金運用が当たり前という、考えが急速にひろがっ
ていったのです。
その結果は、米株式市場は、中国景気減速や英国のEU離脱などの
難局を乗り越えながら上昇し、何かと批判が多い、トランプ大統
領が就任しても、史上最高値を更新してきています。
当然、米国民が保有する、投資信託等の資産も増え、老後への備え
に対する信頼は高まり、投資信託での運用を自信をもって米国民が
のぞむようになったのではないでしょうか。
日本の現況を考えると、株式投資信託をはじめてとする資産運用に、
日本人はまだまだ半信半疑です。それは、運用による成功体験、つま
り、増えた、儲かったという実感を感じられないからです。
それでも、少しずつ、DCでの運用成果での、プラスの部分が分かれば
考えも変わってくるでしょう。それは、米国民が教えてくれています。
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