FRB(米連邦準備制度理事会)は7月5日、6月12-13日開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録を公表しています。議事録からは、大半のメンバーが定期的に利上げを継続する必要性を確信していることがわかりました。以下に議事録のポイントをまとめておきます。
目次
6月議事録のまとめ
ポイント・漸進的な利上げが必要なほど、非常に経済は強い
・大半のメンバーは、トランプ政権による貿易政策が不確実性とリスクを高め
これらが将来的に企業の景況感などのマイナスの影響をもたらす可能性を懸念
・新興国と欧州市場の下振れリスクを多くのメンバーが指摘
・声明での“引き続き緩和的”の文言についての協議
・数人のメンバーが2%は超えるもののインフレ期待は抑制
されているとの見解を示す
・メンバーの多くがが19年か20年までに適切な水準にへと
利上げを続けるのが妥当と判断
・大半のメンバーは、トランプ政権による貿易政策が不確実性とリスクを高め
これらが将来的に企業の景況感などのマイナスの影響をもたらす可能性を懸念
・新興国と欧州市場の下振れリスクを多くのメンバーが指摘
・声明での“引き続き緩和的”の文言についての協議
・数人のメンバーが2%は超えるもののインフレ期待は抑制
されているとの見解を示す
・メンバーの多くがが19年か20年までに適切な水準にへと
利上げを続けるのが妥当と判断
6月のFOMCの声明では、
利上げ余地について、「FF(フェデラル・ファンド)金利は長期見通しの水準(2.9%)を当分の間、下回る可能性が高い」という、これまでFRBの金融緩和スタンスの継続を示唆してきた文言を削除していました。
この文言の削除の理由については、「現在の米経済の強さと金融政策の今後の先行きを考えた結果であり、米国経済がかなり強く、6月の会合で追加利上げ(2015年12月以降7回目)を実施した結果、政策金利のFF金利が
いわゆる中立金利(インフレ圧力を高めることなく安定成長を可能にする短期金利の水準)に近づき、その中立金利を上回る可能性が出てきたためだったことが、今回6月の議事録からも、わかりました。
さらに議事録では、利上げのペースは、年内はあと2回(9月、12月)19年は3回という考えに変わりはないことが確認されました。
議事録の公表を受けた、市場関係者のコメントの中で、
「2年国債と10年国債の金利差の縮小(長短金利差のフラット化)が急速に進む最近の状況から、さらにリセッション(景気後退)を暗示する、逆イールド(長短金利の逆転現象)の可能性も懸念されはじめており、利上げペースがFRBの予想どおりに進むか、疑問だ」
というのがありました。
最後に今後のFOMC開催スケジュールを記しておきます。
FOMC開催スケジュール
・7月31日〜8月1日(日本時間8月2日声明あり)
・9月25日〜26日■パウエル議長の記者会見(日本時間9月27日)
・11月7日〜8日(日本時間11月9日声明あり)
・12月18日〜19日■パウエル議長の記者会見(日本時間12月20日)
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