中央銀行が、株を買うなんて
日銀は、金融緩和強化の一環として、2016年7月にETFの買い
入れ額について、保有残高年間3.3兆円ペースから、年間およそ
6兆円ペースに増額すると発表しています。
昨年2016年までに、日銀が保有するETFの残高は、11.1兆円。
これに約6兆円が加わると、今年2017年末には、17.1兆円
までに膨れ上がります。2012年末の水準、1.5兆円から実に、
10倍以上です。
日々、購入するETFの額は、日銀のウェブサイトで確認でき
12億円を毎日、多いときには、そこに700億円以上の買い
がETFに入ります。今年1月〜3月の実績は、
1月 5,852億円
2月 5,155億円
3月 5,332億円
合計で、16,339億円になります。どんなETFを購入しているか
は詳細には、わかりませんが、日経平均株価や東証株価指数、
そして、JPX日経インデックス400に連動するETFが中心のよう
です。また、日銀によると、6兆円の購入予定のうち、3,000億
円は、「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株
式を対象とするETFだそうです。
どんなタイミングで、日銀が行動をおこすのか、興味深いとこ
ろですが、印象としては、前日に比べ大きく下げたときには、
高い確率でETFを購入しています。
1月〜3月の期間では、
1月17日 日経平均株価18,813円(前日比マイナス281円)
この日が日銀が購入した、一番この間の日経平均が安い値段。
ETF715億円購入。
3月16日 日経平均株価19,590円(前日比プラス12円)
同日経平均が、一番高い値段。ETF736億円購入
※いずれも、終値。
これだけで、日銀のETF購入のスタンスを推察することはでき
ませんが、豊富な資金量をバッグに、真面目に、そして確実に
目標購入金額(6 兆円)消化しているのは、間違いないようです。
当然ですが、4月に入りこの傾向は続いています。
日銀による、大量のETF購入は、
「マーケットがストンと、値下がりしたほうが切り返しも期待で
きるのに、余計な買いが入ることで、かえって株価を歪める結果
になっている、実勢が反映されない」
「売買代金が少ないなかで、ヘッジファンドが、日銀のETF買い
に売りをぶつけてくる。彼らに儲けの機会を与えているだけだ」
「そもそも、中央銀行が、間接的とは言え、株を購入していいのか」
など、否定的な意見も多くあるのも事実です。
株価の上昇によってひろく投資家が、マーケットに参加して、それが
、日本の企業の発奮材料(設備投資や賃金上昇)になるというシナリ
オのきっかけと、日銀のETF購入がなれるかどうかは、もう少し先に
なってみないとわかりません。
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