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ベクトン・ディッキンソン (BDX) 最新決算、堅調な業績。52年連続増配を達成!

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ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson and Company,BDX)の2024年度第2四半期業績は、売上高、収益性、キャッシュフローのいずれにおいても堅調な成績を示しました。各事業部門の戦略的な取り組みと革新的な製品開発が奏功し、フォーチュン誌やビジネス・グループ・オン・ヘルスからの高評価も得ています。


目次

どんな会社?

ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson and Company)

以下BD

  • 設立:1897年(1906年という説もあり)
  • 上場:1963年
  • ビジネス概要:米国・欧州で強みをもつ医療機器メーカー。
    -注射器、カテーテル等の医療用品がメイン。採血や検体採取、検査機器、コロナ・インフルの同時検査試薬も
  • セクター:ヘルスケア(Health Care)
  • ティッカー・シンボル:BDX
  • 年間売上高:194億ドル(約2.91兆円,会計年度2023年9月)
  • 株式時価総額:667億ドル(約10兆円)
  • 2022年4月に糖尿病ケア事業をスピンオフ。
  • ライバル企業:ダナハー(Danaher,DHR)
  • 日本での同業種:テルモ(4543)
  • 従業員:73,000人
  • 本社:米国ニュージャージー州

第2四半期業績概要

  • 売上高-50.45億ドル(前年同月比+4.6%)
    -米国29億ドル(同+6.3%増),海外21億ドル(+2.4%増)
  • 営業利益-7.34億ドル
  • 当期利益-5.37億ドル
  • EPS(1株利益)-1.85ドル(+前年同期比+20.9%)
  • EPS-3.17ドル(希薄化後同+10.8%)

セグメント別の売上動向

セグメント別の概要と、今四半期の売上高です。

BDメディカル

BDメディカルセグメントには、メディケーション・デリバリー・ソリューションズ(MDS)、メディケーション・マネジメント・ソリューションズ(MMS)、ファーマシューティカル・システムズ(PS)の各事業部門が含まれます。

売上高-24.5億ドル(前年同期比+3.8%)

  • 増収はMMSとMDSが牽引。
  • MDSの業績は、バスキュラーアクセスマネジメント、皮下注射製品、非専用輸液セットなどのポートフォリオ全体の成長を反映。
  • MDSの成長は、中国市場のダイナミクスによって一部相殺。
  • MMSの実績は、BD Alaris™輸液システムの承認バージョンへの移行が進んだことによる輸液の二桁成長を反映。
  • MMSは調剤およびファーマシーオートメーションの業績も含むが、市場ダイナミクスや設備導入のタイミングの影響を受けた。
  • PS事業の業績は、生物製剤のプレフィラブル・ソリューションに対する引き続き旺盛な需要を反映。
  • PSの成長は、顧客の在庫調整など一過性の市場動向により抑制。

BDライフサイエンス

BDライフサイエンス事業には、統合診断ソリューション(IDS)事業部門とバイオサイエンス(BDB)事業部門からなっています。

売上高-13億ドル(同+2.2%)

  • BDライフサイエンスの収益成長はIDSが牽引。
  • IDSの業績は、血液培養、結核、ID/ASTを含む微生物学プラットフォームにおける一桁台の高成長と、販売数量の好調を反映。
  • ID/AST、BD Vacutainer™ポートフォリオ全体の数量的な強さも影響。
  • BDBの業績は、主に研究用および臨床用ソリューション機器の収益の減少を反映。
  • BDBの収益減少は、前年同期のライセンス収入との比較や、一部顧客セグメントの市場ダイナミクスによるもの。
  • 臨床試薬の一桁台の高成長が、BDBの収益減少を一部相殺。
  • FACSLyric™臨床細胞分析装置とFACSDuet™検体前処理システムのインストールベースの拡大が寄与。

BDインターベンショナル

ペリフェラル・インターベンション事業部は、末梢動脈疾患治療のための新しいソリューションを提供するために、BDバスキュラーカバーステントの安全性と有効性を評価するIDE試験「AGILITY」を開始。この試験は、インターベンショニストにとって重要な意義を持ちます。

売上高-12.9億ドル+9.0%

  • BDインターベンショナル部門には、外科、末梢血管インターベンション(PI)、泌尿器科&クリティカルケア(UCC)が含まれる。
  • 部門全体の業績が、BDインターベンショナルの既存事業売上高の伸びを牽引。
  • 外科事業は、ヘルニア再吸収性足場Phasix™と感染予防製品ChloraPrep™の2桁成長を反映。
  • 手術器具プラットフォームの売却も業績に影響。
  • PIの業績は、Rotarex™アテレクトミー・システムとVenclose™ RFアブレーション・システムの世界的な普及により、末梢血管疾患ポートフォリオが2桁成長。
  • UCCの業績には、ライセンス収入とPureWick™フランチャイズの2桁成長が反映され、急性期医療と在宅医療の両方での採用が進展。

収益性とキャッシュフローの改善

BDの第2四半期の収益性とキャッシュフローは、特に注目すべき点です。継続事業からの年間キャッシュは14億ドル、フリーキャッシュフローは11億ドルに達し、それぞれ前年同期比で7.85億ドル、9億ドル以上増加しました。これにより、BDは堅調な営業利益率とキャッシュフローを達成し、財務の健全性を確保しています。

ガイダンスの上方修正と今後の展望

BDは、通期調整後EPSガイダンスを上方修正。これは、BDの戦略的実行とポートフォリオの強さに対する自信を示しています。BDの会長兼CEO兼社長であるトム・ポーレンは「BD2025のコミットメントを達成するため、2024年度の業績ガイダンスを再度引き上げる自信があります」とコメント。今後の成長に対する期待が高まっています。

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長期的なビジネスの堅実さ

BDが50年間以上連続で増配を続けている事実は、そのビジネスモデルがいかに堅実であるかを物語っています。医療機器メーカーとして革新と成長を続け、安定した収益を確保。特に最近の業績を見ると、以下のポイントがBDの強みを示しています。

  • 多様なポートフォリオ:メディカル、ライフサイエンス、インターベンショナルの3つの主要事業部門を持ち、それぞれが堅調な成長を継続。これにより、市場の変動にも柔軟に対応できる強固な基盤を築いています。
  • 革新的な製品開発:常に新しい技術と製品を市場に投入し、医療提供者や研究者にとって不可欠な存在。例えば、BD FACSDiscover™ S8 セルソーターファミリーやBD Pyxis™ MedBank™ Automated Dispensing Cabinetシステムなど、先進的なソリューションを提供しています。
  • グローバルな展開:世界中で事業を展開しており、特に新興市場における成長が顕著。シンガポールでの子宮頸がん検診プログラムの導入など、地域ごとのニーズに応じた戦略的な取り組みが成功しています。
  • 新製品の投入:新しい技術と製品の開発に注力することで将来的な収益増加の可能性を追求。特に、ライフサイエンス分野での新しいセルソーティング技術や診断ソリューションの展開が期待されます。
  • グローバル市場での成長:既存市場だけでなく、新興市場においても積極的な事業展開。これにより、グローバルな成長を実現し、収益の多様化を図ることができます。

最も革新的な企業

BDはフォーチュン誌の「2024年米国で最も革新的な企業」リストに選ばれました。さらに、ビジネス・グループ・オン・ヘルス誌「従業員の福利厚生に優れたベスト・エンプロイヤー」に選出、企業としての評価が高まっています。

ビジネスの成長と株主還元のバランス

BDの配当政策は、長期的なビジネスの成長と株主還元のバランスを重視しています。今回の増配は、株主に対するコミットメントの一環であり、企業の財務健全性を維持しながらも株主に還元する姿勢を示しています。以下は、BDXの株主還元に関するポイントです。

  • 安定した配当支払い:安定したキャッシュフローを背景に増配を継続。これは、投資家にとっての魅力を高め、長期的な株主価値を創出する要因となっています。
  • 持続可能な成長:持続可能な成長を追求しつつ、配当支払いを継続。企業の財務戦略と一致し、株主に対する信頼を築く重要な要素となっています。

配当の詳細と連続増配の意義

2023年11月、ベクトン・ディッキンソンは四半期配当を0.95ドルに引き上げることを発表しました。従来の四半期配当から4.4%の増配。この増配により、2024年度の年間配当は3.80ドルになります。

BDXの今回の増配により、連続増配は52年目に突入しました。この実績は、同社の安定した財務状況と長期的なビジネスの堅調さを示すものです。BDXのCEOであるトム・ポーレン氏は、「今回の増配は長期的な見通しにおける我々の自信を反映している」と述べており、同社の将来に対する強い信念を表明しています。

配当利回りの目安

  • 配当実績-0.95ドル→年間配当0.95×4=3.8ドル
  • 株価-233.73ドル(6/14終値)
  • *配当利回り-(3.8÷233.76)×100=1.62%

*手数料・税金は考慮していません。配当は確定したものではなく、また購入時の株価によって利回りは変わります

まとめ

通期ガイダンスの上方修正は、BDの将来に対する強い自信を示しています。繰り返しになりますが、52年連続増配は、同社のビジネスの堅実さと長期的な成長戦略の成功を示す重要な指標です。

注射器、カテーテル等の医療用品を中心に、採血や検体採取、検査機器、コロナ・インフルの同時検査試薬も手がけるBDは、革新と成長を続けながら、株主に対する安定した還元を実現する企業であり、今後も注目すべき存在です。株主、投資家にとって、BDは信頼性の高い長期的な投資先と言えるのではないでしょうか。

*決算等の数字は、ベクトン・ディッキンソンのIRより。投資はご自身の判断で(免責事項参照)。


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