今週のマーケット
FRBによる金融引き締めが長期化するとの懸念が根強くある中で、 パウエル議長のジャクソンホール経済シンポジウムでの講演ではどのようなことが発言されるのか、それまでは模様ながめという今週の市場でした。
ジャクソンホールでのパウエル議長講演とエヌビディアの決算は?
- エヌビディアの5-7月期決算前年同月比2倍、8-10月期も強気の見通し
- パウエル議長の講演(25日)待ちで様子見姿勢?の株式市場。債券も成り行きを見守り、利回りは高止まり
- 結局講演では、これまでの発言と変わりない、想定内のものに。少しだけタカ派( 利上げに積極的)?
パウエル議長講演を無難にすぎる!?
25日のジャクソンホール経済シンポジウムでの、パウエル議長講演では
- 適切なら、利上げする用意がある
- 今後のデータ等でリスクを見極めながら慎重に政策を実行する
- 利下げの話題については、特に言及はなし
ともすれば、インフレの落ち着きの判断から、「利上げ停止」さらには、「利下げ」までと期待をするマーケットに対し、手綱(たづな)を引き締める意味もあるからでしょうか?これまでも、今回の発言も一貫して、タカ派的なものにならざるを得ないというのが、議長の本音かもしれません。’
講演を終了後のマーケットの動きですが、
当初は、株価は下落に転じ、金利も上がり、円安、ドル高にもなる場面もありましたが、最終的には、
「これまでの発言と変わりない、想定内」とみられ、株価、金利とも落ち着いて、週末を迎えています。
主要指標
指標 | 8月25日 | 8月18日 | 騰落率 |
NYダウ | 34,346.90 | 34,500.66 | ▼0.45% |
S&P500 | 4,405.71 | 4,369.71 | +0.82% |
ナスダック | 13,590.65 | 13,290.78 | +2.26% |
ドル/円 | 146.42 | 145.39 | |
米国10年国債利回り(%) | 4.23 | 4.25 |
エヌビディア(NVDA)が好決算
決算発表前から、複数のアナリストによる目標株価の相次ぐ引き上げがあったエヌビディアでしたが、8/23の5-7月期決算では結果は期待を裏切らないものとなりました。
- 売上高は、135.1億ドル(前年同期比2倍、市場予想110.4億ドル)
- 調整後のEPS(1株当たり利益)2.70ドル(市場予想2.07倍)、同5.3倍へ
- 売上構成の76%を占める、データセンター向けは同2.7倍の103.2億ドル(市場予想80億ドル)
- Q3(8-10月期)計画は、売上高が160億ドル。
2023/5-7月(Q2) | 2022/5-7月(Q2) | 前年同期比 | |
売上高 | 13,507 | 6,704 | 2倍 |
営業利益 | 6,800 | 499 | 13.6倍 |
当期利益 | 6,188 | 656 | 9.4倍 |
EPS | 2.70 | 0.51 | 5.3倍 |
*円グラフにカーソルを合わせると、金額がわかります。単位百万ドル
創業者の思い
「新しいコンピューティングの時代が始まった。世界中の企業が、汎用コンピューティングから*アクセラレーテッド・コンピューティングやジェネレーティブAIへと移行している。」
-創業者兼CEOのジェンセン・フアン
アクセラレーテッド コンピューティングとは、専用ハードウェアを使用して作業を大幅に高速化するものであり、多くの場合は頻繁に発生するタスクをまとめて並列処理を行います。また、通常は逐次処理を実行するプロセッサである CPU をダウンさせる可能性がある要求の厳しい処理の負荷を軽減します。
–NVDA ブログより
株価の動き
決算の翌日24日には、一時500ドル台にのせた、エヌビディアでしたが週末にかけては利益確定の売りにおされ、値を下げています。
*8/24は高値25日は終値。あとは、月末終値です。チャートにカーソルを合わせると、株価がわかります。
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