【4/15-19】米国株市場：地政学的リスクと半導体株の大幅な下落で揺れる1週間。でも、本当の理由は・・

NYダウは約3ヶ月ぶりの安値。経済指標の低迷を反映した消費の弱さや長期金利の上昇が主な要因。特にハイテク株を中心に売りが優勢となりました。セールスフォース(CRM)の大幅な下落がダウ平均の低下を加速させ、連続6日間の下落は約10ヶ月ぶり。

3月の米小売売上高が前月比0.1%上昇。長期金利の上昇が株価の割高感を強める。金利上昇によりインフレの沈静化に時間がかかることや連邦準備理事会（FRB）の利下げ開始が市場予想より遅れることへの不安感が継続。さらに、中東の地政学的リスクも市場の不安定さを増す要因。イランとイスラエル間の報復攻撃が続く中、国際社会からは自制を求める声が上がっていますが、対立の激化への恐怖は根強く残ります。

市場の変動性を示すVIX指数が上昇し、投資家のリスク回避意識。ハイテク株の比率の高いナスダック総合指数は、大きく下落。一方で、買いが先行し取引開始直後にはダウ平均が400ドル以上上昇する場面も見られましたが、結局は市場全体の不安感が影響し下落へ。

NYダウは7営業日ぶりに反発。一部主力株に押し目買い。特にユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の株価が大幅に上昇し、ダウ平均の上昇を牽引。

ただ、FRBのパウエル議長が高インフレの持続に懸念を示し、金融政策の現在の制限的水準を必要な限り維持すると発言したことで、市場は利下げが遅れるとの見方が広がり、ダウの上値を抑える要因に。期待されたユナイテッドヘルス・グループは好決算も全体的な市場の勢いは限定的。

ハイテク株の比率ナスダック総合指数は3日連続で下落。テスラ(TSLA)の下落が目立つも、エヌビディア(NVDA)は上昇。セールスフォース(CRM)やボーイング(BA)IBMの株価は上昇、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)やアップル(AAPL)は下落しました。長期金利が前日の4.60%から4.6台後半に上昇、株式の相対的な割高感を意識されダウ平均の上昇を抑制する要因に。

NYダウは反落。市場予想を下回る決算を発表した企業が多く、特に半導体関連株やハイテク株に売りが広がったことが重荷となりました。

オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの受注額が市場予想に届かなかったことで、半導体関連株全般に売りが波及。ナスダック総合指数は4日連続で下落、約2カ月ぶりの安値へ。

インフレ懸念の継続と連邦準備理事会（FRB）の利下げ開始の遅れが見込まれる中、投資家の不安感が高まる。FRBが公表した経済報告では、物価上昇が緩やかであり継続していると指摘。今週以降に控えている大手ハイテク企業の決算発表前に過剰な買いが見られた銘柄に対する利益確定の売りが出やすいことを指摘する市場関係者がいました。

NYダウ小幅に反発。ディフェンシブ株が買われがダウ平均を支える要因に。経済指標の後退やFRBの高官発言が、米利下げ予想の調整に影響、市場はその動向に過敏に反応。特に、ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムス総裁が利下げの必要性を感じないと述べたことや、新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことが、金融市場に反映されていた模様。

今月に入りダウ平均は前日までに2000ドル以上下げ、週初には約3カ月ぶりの安値を付けていましたが、その後の反発は主に投資家のリスク回避心理が和らいだことによるもの。ディフェンシブ株の一角であるユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズ等に買い。

一方で、ハイテク株には売りが目立ち、ナスダック総合指数は6日連続で下落し、約2カ月ぶりの安値。テスラはアナリストによる投資評価の引き下げが影響し、株価は下落。メタプラットフォームズ(META)は新技術の発表が支援となり株価が上昇。経済指標やFRBの政策方向、個々の企業の業績発表など複数の要因が絡み合い進行する市場は継続。

中東の地政学的リスクの高まりや利下げの先送り見込みによる市場のセンチメントの悪化の中、半導体業界の見通しを下方修正した台湾セミコンダクター(TSM ADR)の影響で、エヌビディアを含む半導体株が大きく下落し10月以来6営業日連続の下落を記録。一方、アメリカン・エキスプレス(AXP)の好決算により6％以上の上昇。ダウ平均は211.02ドル（0.56％）上昇し2日連続でプラス。

S&P 500は0.88％下がり、11のセクター中6つが上昇。ITセクターは3.08％下落し、週間で最も大きな下落率。半導体株、中でも上昇の象徴であったエヌビディアが前日比▼10.00％大きく値下がり。

スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)も▼23.14％急落。中東ではイスラエルによるイランへのミサイル攻撃が報じられ、リスク回避の動きが一時強まりも、攻撃が限定的であるとの認識から市場の警戒感は後退。週間ではダウ平均がわずかながらプラスで終了したのに対し、S&P500とナスダックはそれぞれ3.05％、5.52％の下落を記録しました。