関税ショックが市場を揺らす中、米国株式市場は新たな局面へ。
トランプ前大統領が掲げてきた「相互関税」が現実となり、各国の関税率が明らかになるにつれ、
景気や物価への影響が注目されています。加えて、今週から本格化する1-3月期の決算発表では、
企業の4-6月以降の見通しが焦点に。
一方、スタグフレーション懸念や消費者心理の悪化も重しとなる中、利下げ期待が高まっており、
市場はFRBの動向にも敏感に反応しています。
今週のスケジュールと見通し【4/7-4/11】
今週の重要スケジュール
4月
9日(水)・・FOMC議事録(3/18-19)
「相互関税」国・地域別<上乗せ税率>運用スタート
10日(木)・・3月CPI(消費者物価指数)
11日(金)・・3月PPI(生産者物価指数)
4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
ブラックロック(BLK):1-3月四半期決算
ウェルズ・ファーゴ(WFC):1-3月四半期決算
JPモルガン・チェース(JPM):1-3月四半期決算
見通し、マーケットナビ
関税の嵐が吹き荒れる米国株式市場。大統領選挙中から、トランプ大統領は、相互関税を
公約に掲げていたものの、配慮された内容とはならず、ネガティブ・サプライズ面もあったと思われます。
各国関税率の具体的な数字がわかったことで、今後は、関税が景気、物価など米国経済に
どのような影響を与えるのかを探る動きに、マーケットはなっていきます。
おりしも、米銀を皮切りに今週から始まる、1-3月期の決算の中で米国企業が4-6月以降の見通しを
どのようにたてるのかが、注目されます。一方、
PCEコアデフレーターや消費者信頼感指数から、*スタグフレーションへの不安が、市場の重荷に
なっているとの意見が出て、不確実な要素は高まってきている中で、
景気をサポートするための、利下げ期待が大きくなってきているようです。
関税政策を実行するためには、多少の景気減速は気にしない?スタンスのトランプ政権ですので
FRBへの利下げを催促する、マーケット環境にあることも事実です。
関税発表後の金利先物市場では、年内に0.25%×3回〜4回の利下げを見込みはじめてきています。
1-3月決算を意識する、神経質な4月、5月のマーケットになりそうですが、利下げ期待、さらには、
不人気の関税政策にかわる、米国企業への「減税」政策等、景気刺激をする、トランプ大統領
得意の?人気政策も控えていることを忘れずに、市場をウォッチしていきたいと思います。
4月2日に発表された関税率(一律10%と相互関税分を合わせた数字)
国・地域 | 関税率 |
中国 | 34% |
EU | 20% |
ベトナム | 46% |
台湾 | 32% |
日本 | 24% |
インド | 26% |
韓国 | 25% |
タイ | 36% |
スイス | 31% |
インドネシア | 32% |
マレーシア | 24% |
カンボジア | 49% |
英国 | 10% |
今後上記とは別に、検討される品目として、銅、医薬品、半導体等があります。
*スタグフレーション
景気停滞(不況)と物価上昇が同時に進行する経済現象で、高失業率と持続的な物価上昇が併存する異常な状態を指します。
先週のマーケットレビュー【3/31-4/4】
4日週末(金)のマーケット

先週のおさらい
- NYダウ▼4.2%、S&P500▼5.8%、ナスダック▼8.2%。3月月間の騰落率
- 各国の関税率に動揺する、株式市場。
- S&P500は直近2月の高値から、17%下落で調整局面入り?
ダイジェスト
*日付をクリックすると、その日マーケットの概要がわかります。
月曜日
エヌビディア<NVDA▼1.18%,108.38ドル>
テスラ<TSLA▼1.67%259.16ドル>
・NYダウ+1.00%
・S&P500+0.55%
・ナスダック▼0.14%
・長期金利(10年国債利回り)4.21%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●月末・四半期末の持ち高調整買いが主因。
●米景気への懸念からディフェンシブ株が買われる。
市場全体をサポート。
●S&P500は取引中に節目の5500を割り込む場面があり、一部主力株に自律反発狙いの買い。
●トランプ政権は4月2日に「相互関税」詳細を公表予定。翌3日から輸入車に25%の関税を課す方針。
●トランプ大統領が相互関税を全世界対象と発言。
米国の保護主義が重しに。
ダウ3月は月間で1839ドルの下げ。
●NYダウは月間で4.2%下落
●S &P500は月間で5.8%下落
●ナスダックは月間で8.2%下落。
主要株価3指数の月間は2カ月連続の下げ。
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