今週の米国株式市場は、16~17日のFOMCに市場参加者の関心が集中しています。
新規失業保険申請の増加など弱含む雇用指標を背景に、利下げ再開がほぼ織り込まれつつあり、
利下げ決定は株式市場に安心感を与え、特にAI・半導体関連銘柄が上昇をけん引する展開が予想されます。
今週の見通しと重要スケジュール【9/15-19】
見通し
今週の米国株式市場は、16~17日のFOMCが最大の注目材料。雇用指標の弱含みや生産者物価指数(PPI)の前月比下落、新規失業保険申請増を背景に、0.25%の利下げが実施されるとの観測が強まっています。
利下げ決定はマーケットに安心感をもたらし、AI・半導体関連を中心に買いが優勢となる展開が想定されます。
ただし、FOMC後の会見(17日)で、パウエルFRB議長が今後の利下げペースに慎重な見通しを示した場合、利下げ後は一時的な利益確定売りや調整もあるかもしれません。
一方、AI需要への期待が依然強く、ブロードコムやエヌビディアなどの主要半導体株が米国株上昇をけん引しやすい地合いが続きます。
FOMC終了後は出遅れ銘柄への資金シフトも意識され、また、下落があれば、押し目買い意欲も根強いとみられます。
利下げ確定後の一時的な調整リスクと、AI関連のテーマ性が共存する1週間になると、個人的にはみています。
今週の重要スケジュール
9月
15日(月)・・*ミランFRB理事候補の上院本会議採決
16日(火)・・FOMC開催(〜17日)/政策決定、経済・金利見通し(SEP)公表/8月小売売上高
17日(水)・・パウエルFRB議長会見/トランプ大統領英国国賓訪問
18日(木)・・8月景気先行指標総合指数/新規失業保険申請件数/8月景気先行指標総合指数
ミランFRB理事候補は、現在アメリカ大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務める経済学者。トランプ大統領によってFRB理事に指名されています。
経済諮問委員会(CEA)委員長を兼任しており、FRB理事としては一時的な在任を予定し、任期後に現職へ復帰する意向を示しています。トランプ政権の経済政策に強い影響を受けてきたとされ、ホワイトハウスとのつながりの深さ、つまり政府と中央銀行の境界線を巡る議論の中心にいる注目の人物でもあります。
FRBの独立性を尊重する姿勢は示しているものの、トランプ政権色の強い改革案(大統領による理事解任の容易化など)も提唱。「ハト派(利下げ、金融緩和に寛容)」経済学者で、経済政策畑のエリートですが、
CEA委員長職を休職しFRB理事に就任する「回転ドア人事」は、政府と中銀の独立性の観点から異例であり、慎重・批判的な見方も多くあります。民主党議員からはホワイトハウス(共和党)色が強すぎることや政治的独立性の維持に対して強い懸念や批判が指摘されています。
FOMCと政策金利の推移
FOMC
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。FRB理事と連邦準備銀行総裁で構成され、年8回開催。会合では主に政策金利(FFレート)の誘導目標や資産購入方針などが審議、米国経済の安定や成長を目指した金融政策が決定されます。FOMCの決定は世界経済や金融市場に大きな影響を与えるため、投資家や市場関係者から非常に注目される重要なイベントです。
政策金利の推移
FRBの政策金利であるFFレートは、米銀行間で翌日物資金を取引する際の金利を指し、FRBはこの金利の誘導目標を定めて金融政策を調整します。景気過熱時には引き上げてインフレ抑制、不況時には引き下げて景気刺激を行います。
FFレートは、定期的に開かれる、FOMC(公開市場委員会)で決められます。現在のレート(9/14現在)は
4.25%-4.50%です。
FOMC開催月 | 幅 | 政策金利(*FFレートの目標誘導レンジ) |
2023年12月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
2024年1月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
3月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
4月/5月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
6月 | 据え置き | 5.25-5.50% |
7月30-31日 | 据え置き | 5.25-5.50% |
9月17-18日 | ▼0.50% | 4.75-5.00% |
11月6日-7日 | ▼0.25% | 4.50-4.75% |
12月17日-18日 | ▼0.25% | 4.25-4.50% |
2025年1月28-29日 | 据え置き | 4.25%-4.50% |
3月18日-19日 | 据え置き | 4.25%-4.50% |
5月6日-7日 | 据え置き | 4.25%-4.50% |
6月17日-18日 | 据え置き | 4.25%-4.50% |
7月29日-30日 | 据え置き | 4.25%-4.50%←今、ここです。 |
9月16日-17日 | ? | |
10月28日-29日 | ?? | |
12月9日-10日 | ??? |
先週のマーケットレビュー【9/8-12】
12日週末のマーケット

先週のおさらい
- 主要株価3指数は、過去最高値を更新
- 9月利下げは、ほぼ確実で、市場の関心は年内の利下げ幅に
- 非AI関連銘柄売り、AI関連銘柄買いの流れが鮮明に?
ダイジェスト
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月曜日
エヌビディア<NVDA+0.77%,168.31ドル>
テスラ<TSLA▼1.27%,346.40ドル>
・NYダウ+0.25%
・S&P500+0.21%
・ナスダック+0.45%
・長期金利(10年国債利回り)4.04%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●ナスダック、過去最高値更新
高値:21,885.62ポイント/終値:21,798.70ポイント
●利下げ観測が支え
ハイテク・消費関連株が買われる。一方で、
市場は今週のPPI(10日)とCPI(11日)発表に注目、利下げ見通しを見極める重要指標とされ、慎重な姿勢も。
●9月16-17日FOMC
0.25%の利下げ観測が根強い
– 一部には0.5%利下げの見方あり、株式市場を支援
-米長期金利(10年国債利回り)は一時5カ月ぶりの低水準に
●NY連銀調査
-「3カ月以内に再就職できる」回答は44.9%に低下
(前月は50.7%)
-先週末の雇用統計と合わせ、労働市場の減速を意識
●ブロードコム<AVGO+3.21%,345.65ドル>
タンCEO『2026年からオープンAIのAIアクセラレーターの設計製造を支援し、エヌビディアが主導する収益性の高い分野に参入する』と先日表明、株価は堅調。
●パランティア<PLTR+1.95%,156.10ドル>もしっかり。
先週まとめた、四半期決算より>>
ブロードコム(AVGO)

ネクステラ・エナジー(NEE)

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