今週の米国株式市場は、生成AIやクラウド需要を背景にテクノロジー株が牽引役となり、
堅調な動きを見せそうです。
また、銀行にはマイナスイメージの利下げ観測が強まるなか、
大手米銀の四半期決算発表が予定されています。
金融とハイテクの二大セクターが交錯する力強い展開を期待しています!
目次
今週のスケジュールと見通し【7/14-18】
見通し、マーケットナビ
引き続き、今週も強い展開を予想。エヌビディアを中心に進む、AI関連の需要を好感、半導体関連周辺の株が上昇をサポートすることを予想しています。
S&P500を構成する11セクターのうち、近年、米国株式市場を牽引した、情報技術、コミュニュケーション・サービスに再び、スポットが当たる可能性を市場の雰囲気から感じいています。
そういう意味で、17日のネットフリックスの決算(4-6月,第2四半期)結果と見通しが、両セクターにはずみをつけるかもしれません。
また、利下げという銀行経営にはマイナスに働く要素を年内中にむかえるタイミングでの、火曜日から始まる、大手米銀の決算では、各銀行が強みとする分野での今後の見通しは気になるところです。
世界金融危機後(2008年)米国は銀行に対し、厳しい自己資本規制を課してきましたが、先月米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)はその補完的レバレッジ比率の引き下げを決定。
さらに、今回のストレステストは、銀行の健全性を確認するには十分なものであったことも追い風になりそうです。各銀行はこれらを受け、配当や自社株買い等を拡大する動きを見せ、株価のほうも、JPモルガン・チェースが史上最高値更新するなどしています。
米国は、4-6月期を中心に決算シーズンを迎えます!
今週の重要スケジュール
*企業名は決算発表日です。
7月
15日(火)・・6月CPI(消費者物価指数)
エネルギー・AI関連サミット(トランプ大統領出席)
FRB主催年次会議
JPモルガン・チェース(JPM)/シティグループ(C)/ウェルズ・ファーゴ(WFC)/
ブラックロック(BLK)
16日(水)・・6月PPI(生産者物価指数)
ベージュブック(地区連銀経済報告書)発表
バンク・オブ・アメリカ(BAC)/ゴールドマン・サックス・グループ(GS)/
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
17日(木)・・6月小売売上高
G20財務省・中央銀行総裁会議(18日まで、南アフリカ)
ペプシコ(PEP)/ネットフリックス(NFLX)/GEエアロスペース(GE)
アボット・ラボラトリーズ(ABT)
18日(金)・・7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
スリーエム(MMM)/チャールズ・シュワブ(SCHW)/アメリカン・エキスプレス(AXP)
先週のマーケットレビュー【7/7-11】
11日週末のマーケット
先週のおさらい
ポイント
- 日韓への関税発表で、週初は動揺で始まる
- 長期金利低下をきっかけに、ハイテク株に買い
- S&P500とナスダックは過去最高値更新
- エヌビディアは史上初の時価総額4兆ドル企業へ
ダイジェスト
*日付をクリックすると、その日マーケットの様子がわかります。
月曜日
エヌビディア<NVDA▼0.69%,158.24ドル>
テスラ<TSLA▼6.79%,293.94ドル>
・NYダウ▼0.94%
・S&P500▼0.79%
・ナスダック▼0.92%
・長期金利(10年国債利回り)4.38%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●過熱感S&P500とナスダックは過去最高値更新後、利益確定売りが強まる。
●トランプ大統領
-日本・韓国への25%関税を表明、貿易摩擦懸念から主要株に売り広がる。公表された書簡では貿易赤字是正のための関税導入を主張。関税は8月1日から適用予定。
-ミャンマー(40%)南アフリカ(30%)にも関税導入を示唆、インフレ懸念も浮上。●テスラ(上記)
イーロン・マスクCEOが新党「アメリカ党」を立ち上げると表明、テスラの経営がおろそかになるとの懸念で売られる?
●アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD▼2.26%,134.80ドル>など半導体株も軟調。
●テスラ(上記)
イーロン・マスクCEOが新党「アメリカ党」を立ち上げると表明、テスラの経営がおろそかになるとの懸念で売られる?
●アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD▼2.26%,134.80ドル>など半導体株も軟調。
火曜日
エヌビディア<NVDA+1.11%,160ドル>
テスラ<TSLA+1.32%,297.81ドル>
・NYダウ▼0.37%
・S&P500▼0.07%
・ナスダック+0.03%
・長期金利(10年国債利回り)4.40%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●JPモルガンチェース<JPM▼3.15%,282.78ドル>
-HSBCの格下げを懸念
●サンラン<米国の住宅用太陽光発電・蓄電池サービスを提供する企業,RUN▼11.43%,9.84ドル>
トランプ大統領太陽光発電の優遇措置撤廃指示をうけ下落。
●フリーポート・マクモラン(FCX+2.53%,46.27ドル)
銅価格急騰で、上昇。
●トランプ大統領
-SNSで8月1日からの新関税発動を延期しない方針。
-銅・銅製品50%、医薬品最大200%の関税を課す意向。
-中国は報復関税の再開を示唆し米国に警告。
●米国株式市場は関税に関する強硬姿勢に不安が広がり先行き懸念。米政権の貿易政策に対する不透明感が引き続き重荷に。ハイテク株の一部買われ下値を支える。
水曜日
エヌビディア<NVDA+1.80%,162.88ドル>
テスラ<TSLA▼0.65%,295.88ドル>
・NYダウ+0.49%
・S&P500+0.61%
・ナスダック+0.94%
・長期金利(10年国債利回り)4.33%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●米国株式市場は反発
ハイテク株の買いが入り、米長期金利の低下も株価を支援。
●エヌビディア(上記)は最高値を更新。<高値164.42ドル>
-時価総額が一時4兆ドル超に。AI需要の高まりと中国向け新半導体投入計画(英紙報道)を材料視。
●ナスダック過去最高値を更新
-終値20,611.34/高値20,645.41
●債券市場
10年債入札が好調で長期金利は一時4.3%台前半まで低下。株式の相対的な割高感が和らぎ、株価を下支え。
●トランプ大統領がSNSで関税通知書簡を公開。
高関税による経済への影響が懸念され、貿易政策の行方に注目が集まる。
●FRBはFOMC議事要旨
利下げ方針に意見の相違が見られるも、過度なインフレ懸念や利下げを遠のける悪材料は見当たらず、市場は好感。
●マイクロソフト<MSFT+1.39%,503.51ドル>も
過去最高値更新/高値506.78ドルまで
木曜日
エヌビディア<NVDA+0.75%,164.10ドル>
テスラ<TSLA+4.73%,309.87ドル>
・NYダウ+0.43%
・S&P500+0.27%
・ナスダック+0.09%
・長期金利(10年国債利回り)4.35%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●ナスダック,S&P500が、過去最高値更新。
-ナスダック<高値20,655.39/終値20,630.67>
-S&P500<高値6,290.22/終値6,280.46>
●経済指標や企業好決算が景気の底堅さを示し、消費・景気敏感株に買いが入る。
●新規失業保険申請件数
-22.7万件(予想23.5万件)
予想下回り雇用市場減速懸念後退。
●トランプ政権
-ブラジルへの50%相互関税や銅製品への関税方針を発表。市場に懸念。
●一方で「関税は最終的に妥当な水準に落ち着く」との見方や米・EU間の交渉進展への期待がありました。
●エヌビディア<高値164.49ドル/終値164.10ドル>
再び上場来高値を更新し、時価総額は4兆ドル超えで10日の取引を終えています。
●デルタ航空<DAL+11.99%,56.78ドル>
4-6月期決算は市場予想を上回り、通期見通しもポジティブ。旅行需要も回復基調。
●ユナイテッド<UAL+14.33%,91.67ドル>や
●アメリカン<AAL+12.72%,12.94ドル>他航空株も強い
金曜日
エヌビディア<NVDA+0.5%,164.92ドル>
テスラ<TSLA+1.17%,313.51ドル>
・NYダウ▼0.63%
・S&P500▼0.33%
・ナスダック▼0.22%
・長期金利(10年国債利回り)4.41%
*株価、指数等は終値。(+↑上昇)(▼↓下落)は前日比です。
●S&P500とナスダック
10日に最高値を更新しており、利益確定売りが先行。
●トランプ政権
-8月1日からカナダに35%の関税を課すと発表。トランプ大統領は関税通知をSNSで公開、対抗措置にはさらに関税を上げる方針を示唆。景気悪化懸念が広がる。
-EUにも新税率を通知予定で、通知がない国には15~20%の関税を検討中。
●インフレ懸念,長期金利上昇。
株の割高感が意識。
●様子見姿勢
来週から主要企業の決算発表が本格化、またCPIや小売売上高など重要指標も控える。ただ、
●エヌビディア過去最高値更新。時価総額4.02兆ドル維持
<NVDA高値167.89ドル/終値164.92ドル>
●アマゾン<AMZN+1.24%,225.02ドル>など上昇。
●AI関連の成長期待で、一部ハイテク株はしっかり
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