多くの企業が、四半期決算発表を終えた米国株式市場。主要3指数の動きからは、全般的に堅調な
決算結果だったことをマーケットは受けて入れているようです。また新規失業保険申請件数などの
経済指標で労働市場の過熱感が和らぐのではとの見方から、市場参加者の間でFRBによる年後半の
利下げ期待が強まり、NYダウの8日連続上昇をサポートしていました。ただ、来週以降は、CPI(消
費者物価指数) などの数字でマーケットが荒れる?展開も予想されます。
目次
NYダウは8日連続上昇、根強い利下げ観測
週末のマーケット
今週のポイント
- NYダウは8日連続の上昇。1週間を通じ、米国株式市場はポジティブな動き
- マーケットは利下げを催促、FRBメンバーからはインフレへの警戒感の念おし?
- 半導体関連株が、市場の牽引役として再注目。
- 決算発表後、株価が回復基調だったテスラ(TSLA)は中国販売低調や運転支援機能調査報道で株価は下落。
- 来週以降はふたたび、経済指標等のデータ次第で揺れる展開が予想されるマーケットへ。
1週間のダイジェスト
*日付をクリックするとその日のマーケットの動きがわかります。
6日
- NYダウは4日連続の上昇でスタート。
- FRBが年後半に利下げ予定との観測から主要株に買い。
- 4月の米雇用統計が予想を下回り、FRBの利下げ時期の先延ばし観測が後退。
- ニューヨーク連銀とリッチモンド連銀の総裁が利下げ可能性に言及。
- イスラム組織ハマスが休戦案を受け入れ、一時的に株に買いが入るが最終合意に疑問の声も。
- ウォルト・ディズニー、マイクロソフトなどの株価上昇。ボーイング、アムジェン、アップルは下落。
7日
- 利下げ送りの観測後退が市場を支えるも、主力株に利益確定売り。
- ウォルト・ディズニーが決算発表で大幅に下げ、指数の重荷に。
- 米連邦準備理事会(FRB)が年後半に利下げするとの観測。
- 米債券市場での長期金利低下が株買いを支え、ダウ平均の上げ幅は一時100ドルを超え。
- 買い一巡後、株価は伸び悩み、午後に小幅安に。
- S&P500種株価指数が一時5,200を超え。
- 半導体株の売りが株式相場の重荷。
- 来週には米国の消費者物価指数(CPI)や小売売上高の発表が予定。
- メルク、ダウ、ビザ、ユナイテッドヘルス・グループが買われた。
- アップル(AAPL)が独自の半導体開発で上昇。
- ディズニーは9.5%安で終え、スリーエムやマイクロソフト、インテルも下落。
- テスラ(TSLA)の中国販売低調報道がナスダックの下落を加速。
8日
- NYダウは約1カ月ぶりに39,000ドル台を回復。
- FRBの利下げ開始時期の不透明感が後退、投資家心理の支えに。
- FRBが年内に利下げを開始するとの観測が強まる。
- 景気敏感株やディフェンシブ株が買われ、ダウ平均を押し上げ。
- 前日までの5営業日で1,000ドルあまり上昇後、持ち高調整や利益確定の売りも。
- FRBの利下げ開始は米景気やインフレ動向に依存し、不透明感継続。
- ボストン連銀のコリンズ総裁がインフレ目標達成に時間がかかると発言。
- アムジェン、ボーイング、JPモルガン・チェースが株価を上げる。
- インテルは売上高見通し下方修正で下落。
- ホーム・デポやウォルマートも株価下落。
- テスラが運転支援機能調査の報道で売られ、エヌビディアも小幅安で終了。
9日
- NYダウは7日連続で上昇し4月1日以来の高値を記録し、7連勝は昨年12月以来。
- 米雇用指標が労働需給の緩みを示し、FRBの年後半の利下げ期待が高まる。
- 週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、労働市場の過熱感が薄れる。
- 米長期金利が低下、株式の割高感が薄れる。
- 前日までの6営業日で1,200ドル上昇後、利益確定売りが出る中での株高。
- 主要企業の好決算が投資家心理を支えると一部アナリストの声。
- ホーム・デポ、キャタピラー、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株がダウ平均を押し上げ。
- アーム・ホールディングス(ARM)が慎重な業績見通しで下落。
- メタプラットホームズとアルファベットが上昇。
- エヌビディアやアドバンスドマイクロデバイスなど半導体株が下落、テスラも安値で終了。
10日
- NYダウは8日連続で上昇。
- FRBの年後半に向けた利下げ転換期待が根強く、主力株に買い継続。
- 新規失業保険申請件数の市場予想超え等、労働市場の過熱感和らぎ示す指標が連続で出る。
- FRBの利下げ先送り懸念が後退し、株価をサポート。
- エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体株が上昇。
- TSMCが4月の売上高が前年同月比59.6%増と発表、半導体株の買い安心感を誘う。
- ミシガン大学の消費者態度指数が低水準で、インフレ再燃や失業率上昇への不安感から売りが出た。
- ダラス連銀のローガン総裁が利下げに消極的な見方を示し、市場の重荷に。
- ダウ平均は前日までの7営業日で1,570ドル上昇、週末は持ち高調整あり。
- 長期金利が上昇し、株式の割高感も。
- ナイキ、ボーイング、アップルの株価(新型iPad Proのプロモーション映像が炎上?)が下落。
来週のスケジュール
S&P500に採用される企業500社のうち460社ほど決算発表を終え(5/10現在)、マーケットは堅調
に推移していたと言えますが、来週以降は、経済指標等のデータ次第で揺れる展開も予想されます。
経済指標等発表スケジュール
5/14 4月PPI(生産物価指数)
5/15 4月CPI(消費者物価指数)/4月小売売上高
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